廃棄物は海を汚染し、排水路を詰まらせて洪水を引き起こします。病気を媒介し、呼吸器感染症を引き起こし、動物にも被害を及ぼします。世界のごみの山へようこそ。
都市では、毎年20億トンを超える廃棄物が発生しています。しかし、世界人口の4分の1は適切な廃棄物収集システムを利用できません。低所得国では、固形廃棄物のほとんどが焼却されるか投棄されています。
世界の廃棄物を出し続ける私たちの習慣による負担の多くを背負っているのも、こうした貧しい国々です。毎年、40万人から100万人が死亡していると、貧困支援団体テアファンドは推計しています。発展途上国では、適切に管理されない廃棄物が原因の病気によって人々が命を落としています。
国が豊かになるにつれ、ごみ箱は次第にあふれるようになります。急速な都市化と人口増加が問題に拍車をかけ、収集はますます難しくなり、処理施設の用地も見つけにくくなります。特に貧しい地域では、多くの地方自治体にとって廃棄物管理が最大の支出項目となることもあります。
廃棄物は、対処する力が最も乏しい国々で最も急速に増えています。サハラ以南のアフリカ諸国では、廃棄物の総発生量が2050年までに現在の3倍になると予測されています。
レジ袋の問題
使い捨てプラスチックは、とりわけ深刻な問題です。その多くは陸地や海に散乱し、野生生物に害を与えるとともに、農家や漁業者の経済的な暮らしを損なっています。発展途上国では、牛の最大3分の1、ヤギの半数が相当量のプラスチックを摂取しています。膨満を引き起こし、飢餓による死につながることもあります。
プラスチックはサンゴ礁などの自然景勝地にも流れ込み、生態系に害を及ぼすだけでなく、景観を損ね、多くの貧しい国々が頼りにする観光客を遠ざけています。
多くの先進国は、消費後に出るプラスチック廃棄物を輸出しています。これは廃棄物全体の1割以上を占め、問題への対処を、往々にしてより貧しい国々に押しつけています。
2019年5月、世界のほぼすべての国が、リサイクルが難しいプラスチックの輸出を減らす国連協定に参加しました。企業自身による削減の取り組みも進められています。
プラスチック問題は非常に深刻化しており、対策を講じなければ、世界のプラスチック生産量は今後10~15年で倍増すると予測されています。
ごみを拾う人々
正式な廃棄物収集システムがない多くの地域では、ごみ拾いをする人々が廃棄物の山を選別し、再利用できる素材を見つけて転売する重要な役割を担っています。
ごみ拾いは、世界の都市人口のうち少数ながらも無視できない人々に雇用と収入をもたらしています。非公式な廃棄物収集システムの大きな部分を担うこともあり、たとえばザンビアのルサカでは最大で3分の1を占めます。しかし、廃棄物管理の枠組みから除外されることが少なくありません。彼らが関わることで、社会で最も貧しい人々の一部に収入がもたらされるだけでなく、自治体の費用も削減できるにもかかわらずです。
しかし、これは危険で不衛生な仕事です。ごみ捨て場は蚊やネズミの繁殖場所となり、病気を広げます。さらに、素材を取り出すために廃棄物を砕いたり燃やしたりすると、有害なガスや化学物質が放出されます。
ガーナのアグボグブロシーには、世界最大の電子廃棄物集積場があります。世界各地からコンピューター、テレビ、冷蔵庫などの電気製品が運び込まれ、その多くは違法です。そこで働く人々の多くが吐き気、頭痛、やけどなどのけがに苦しみ、20代でがんにより亡くなった人もいます。
未来を見据えて
では、何ができるでしょうか。増え続ける廃棄物とプラスチックの問題に対する解決策の一つとして、循環型経済の構築が考えられます。
廃棄物を最小限に抑え、手元にあるものを最大限に活用することを目指すこの仕組みは、資源管理のあり方を変え得ると、エレン・マッカーサー財団は述べています。
世界の廃棄物に対する考え方を変え、製品の設計や製造の方法を見直すことで、循環型経済はCO2排出量を大幅に削減し、医療費を抑え、廃棄や焼却される資材を大きく減らす可能性があります。




