この電動スクーター企業は、交通の未来を変えようとしている

A woman charges battery of her electric scooter at the Gogoro's charging station in Taipei, Taiwan August 10, 2017. REUTERS/Tyrone Siu - RC1E41C2BA90
Gogoro hopes to push into European and Asian markets.Image: REUTERS/Tyrone Siu
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将来、交通の専門家の中には、車両は個人所有ではなくなると言う人もいる。政府や民間企業が運営する自動運転タクシーが、リアルタイムの需給に応じてアルゴリズムで最適化されたルートに沿って通勤者を運ぶ、「分割所有」の世界を思い描いている。

支持者はその利点を力説する。共有車両が広く普及すれば、渋滞が緩和され、個人消費者ではなくネットワーク事業者が主導することで、車両群の電動化も加速する。

すべては避けられない流れのように聞こえるかもしれない――車両を所有する体験を手放すことへの、ドライバーの感情的な抵抗を考えるまでは。特に発展途上地域では、車両の所有が大きな誇りの源であり、経済的安定を示す重要な表れでもあるため、分割所有モデルは大きな障壁に直面する可能性がある。こうした国々を取り残してはならない。先進国ではなく発展途上国では、今後数十年で車両所有率が大幅に高くなると予測されている。

だからこそ、HTCの元最高イノベーション責任者ホレス・ルークは、Gogoroを共同創業した。台湾を拠点とするこのスタートアップは、分割所有に新たなひねりを加えた。Gogoroは電動スクーターを販売している。車両の共有所有を促す代わりに、バッテリーを共有する仕組みを作り上げた。

「車両を買うときには所有する体験を、バッテリーについては共有する体験を提供するというのが、そもそもの考えでした」とルークは言う。

Gogoroの車両を購入した顧客は、充電ネットワークの会員として利用できる。充電ステーションに停めてプラグを差し込む代わりに、スクーターの所有者はGogoroのステーションに立ち寄り、使い切ったバッテリーを充電済みのものと交換する。ステーションの検索やバッテリーの予約は、すべてアプリで行う。

バッテリー交換モデルはスクーターのコストを下げ、流通するバッテリーの数を減らす。また、テスラが自動車向けに構築しているようなオンデマンド充電ネットワークでは再現できない利点もある。リアルタイムのバッテリー需要を把握することで、Gogoroはアルゴリズムを使ってバッテリー在庫の配置場所と充電時期を最適化できる。電力会社の電力需要が落ち着く時間帯を利用し、高い電力料金や送電網への過度な負荷を避けられる。

「私の構想は、常にエネルギー交換インフラに関するものでした。車両を作る必要があったのは、実現可能だと証明するためだけでした」とルークは説明する。「現在のバッテリー技術の平均的なエネルギー密度なら、二輪車で非常にうまく機能します」。バッテリー技術が向上すれば、Gogoroのモデルを四輪車やそれ以上の大きさの車両に広げられる可能性があると、彼は言う。

台湾のスタートアップは、何かをつかんでいるのかもしれない。2013年、テスラはモデルS向けにバッテリー交換プログラムを発表したが、大型バッテリーの交換に手間がかかるため、すぐに頓挫した。先週、Electrekはテスラが5月に、15分未満で車両を充電できる可能性のある小型バッテリー交換機の特許を申請したと報じた。しかし、テスラは消費者に開放せず、商用車両群に利用を限定する可能性が高い。

Gogoroによると、消費者向けのバッテリー分割所有が機能することを、すでに実証しつつある。創業から6年の同社はこれまでにスクーターを3万台販売し、台北で415か所のバッテリー交換ステーションを運営しており、1日あたり8,500人の顧客に対応している。年末までに、1キロメートルあたり1か所のステーション密度を目指す。

Gogoroの成功は投資家の関心を呼んだ。9月19日、同社はベンチャー資金3億ドルの調達を発表し、世界規模でネットワークを拡大するため、3回目となる大型資金調達を行った。投資家には、アル・ゴア氏のジェネレーション・インベストメント・マネジメント、シンガポールを拠点とする投資会社テマセク、日本の事業会社である住友商事、フランスの多国籍電力会社ENGIEなど、世界各地の顔ぶれが名を連ねた。

バッテリー共有モデルには、充電容量が時間とともに低下することなど、課題もある。(新品のスマートフォンなら1回の充電で何日も使えるのに、寿命が近づくころにはほとんど充電が持たなくなるのも、このためだ。)新品のGogoroのバッテリーは、満充電でスクーターを100キロメートル(約62マイル)走らせられるかもしれないが、時間が経つと80キロメートルしか走れなくなることもある。一定のしきい値に達したバッテリーは、流通から外す必要がある。

Gogoroは、こうしたバッテリーを単に廃棄するのではなく、建物のエネルギー貯蔵など別の用途に転用する計画を立てている。「こうしたアイデアを実用化するため、大企業との協業を始めています」とルークは言う。同社は、投資家である住友商事と日産の継続中の提携に触れ、日産のLEAFのバッテリーを再利用する取り組みを示唆した。

新たな資金を得たGogoroは、欧州とアジアの市場への進出を目指している。「市場ごとにニーズも条件も異なります」とルークは言う。欧州の都市では、インフラコストを抑えられるスクーター共有モデルを消費者がより受け入れやすい可能性がある。同社はすでにベルリンとパリでこの方式を運営している。ベトナム、タイ、インドネシアなどの国々では、「人々はスクーターを靴のようなものと考えています」とルークは言う。「自分専用のものを持たなければならないのです」。

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