再生可能エネルギーの目標や政策を掲げる都市には、10億人が暮らしています。
都市は、最終エネルギー消費に伴うCO2排出量の4分の3を占めています。
新たな報告書が、世界各地の都市が環境に配慮した取り組みを進める方法を紹介しています。
2020年には、再生可能エネルギー目標または政策を掲げる都市に、10億人が暮らしていました。。
世界各地で、国や地方自治体は、クリーンで暮らしやすい都市をつくる手段として再生可能エネルギーが持つ可能性に注目し始めています。世界人口の半数以上が都市に暮らしており、都市は世界の最終エネルギー消費に伴う二酸化炭素排出量の約4分の3を占めています。
都市化が急速に進むなか、都市は温室効果ガス排出の抑制と、地球温暖化を抑えるためのパリ協定の目標達成に重要な役割を果たします。
世界の科学者、政府、NGO、産業界が参加する団体、REN21が発表した新たな報告書は、先進的な取り組みを進める都市をいくつか取り上げています。ここでは、世界各地から特に効果的で革新的なプロジェクトを5つ紹介します。
オーストラリア、アデレード
アデレードでは、2020年7月以降、市の業務運営に必要な電力をすべて再生可能エネルギーで賄っています。市は、2025年までにカーボンニュートラルを達成するという長期的な取り組みの一環として、風力発電所と太陽光発電所からエネルギーを得ています。
その実現に向けた取り組みには、エネルギー効率の高い建物、自転車や徒歩での移動を促す施策、ハイブリッド車や電気自動車の普及を支援する制度などがあります。
市は、ホーンズデール電力貯蔵施設を含むエネルギー貯蔵技術にも投資してきました。これは世界最大級のリチウムイオン電池で、さまざまな再生可能エネルギー源の利用拡大を可能にします。
アデレードは、追加のエネルギー源として、下水処理場からバイオガスを回収する可能性も調査しています。
大韓民国、ソウル
ソウルは、建物、モビリティ、森林、クリーンエネルギー、廃棄物管理の5分野を柱に、2050年までのカーボンニュートラル達成を目指す戦略を掲げています。2050年までの中間目標は、2030年までに排出量を40%削減し、2040年までに70%削減することです(いずれも2005年比)。
市は、太陽光発電の導入量を増やして原子力エネルギーへの依存を減らす対策も講じています。主な課題の一つは、太陽光発電(PV)パネルの設置に十分なスペースを確保することです。この課題に対処するため、都市インフラ上の新たな設置場所を特定し、建物に組み込むPVパネルへの補助金を提供しています。
コートジボワール、ココディ
ココディは2017年、2030年までに炭素排出量を70%削減する計画を発表しました。急速な都市開発と経済成長に伴ってエネルギー需要が高まっているため、市にとって目標の達成は特に困難です。
市は、森林再生と炭素隔離のプログラムを導入しました。このプログラムでは、緑地を増やし、マングローブ200万本を植樹または再生する予定です。
その他の取り組みには、大規模な公共建築物への太陽光発電の利用、ソーラー街灯や信号機の設置、各家庭へのPV電源キットの提供などがあります。
汚染を減らすため、古い車は徐々に道路から撤去され、ほかの車には触媒式排気システムが取り付けられています。
スウェーデン、マルメ
マルメは、持続可能な都市として知られるようになりました。ウエスタン・ハーバー地区は2012年以降、100%再生可能エネルギーで運営されており、工業地区のアウグステンボリには、地域暖房システムに接続された太陽熱パネルがあります。
市は、2020年の約43%から引き上げ、2030年までにエネルギーをすべて再生可能エネルギーで賄う計画です。
地熱を利用した深部熱発電所の建設が進められており、2022年の稼働開始が見込まれています。市は2028年までに、こうした地熱発電所を5カ所設けることを目指しています。
南アフリカ、ケープタウン
南アフリカでは、石炭が他を大きく引き離して主要なエネルギー源となっています。政府は、再生可能エネルギーの割合を2016年の約8%から、2030年までに40%へ引き上げることを目指しています。
交通機関からの排出も、市にとって大きな課題です。交通分野でのバイオ燃料の利用を検討しており、地元製の電気バスを使った試験運行も実施しました。
過去10年間にPVパネルの設置が急増した結果、ケープタウンは2019年、登録済みの屋上太陽光発電システムの全国最多の集積地となりました。市は、低所得地域で太陽熱温水システムの利用を増やすことも目指しています。
大規模な再生可能エネルギー供給も、真剣に検討されている選択肢です。


