世界経済フォーラムのニュー・チャンピオン企業は、第四次産業革命において必要となる、ビジネスモデル、技術、持続可能な成長戦略を探求しています。
2021年のニュー・チャンピオン賞は、ビジネスガバナンス、社会的責任、イノベーション、持続可能性における卓越性を表彰するものです。
受賞企業は、農村部の労働者に教育と医療を提供し、中小企業がCOVID-19に対応できるよう支援し、新たなグリーン燃料プロセスを生み出し、サプライチェーンの混乱を克服する革新的な方法を見出しました。
格差が拡大し、環境が前例のない脅威にさらされている急速に変化する世界において、包摂性と持続可能性を中心に据えた、ビジネスに対する新たなアプローチが必要です。
まさにそれこそが、世界経済フォーラムのニュー・チャンピオン・コミュニティのメンバーが取り組もうとしていることです。
2021年のニュー・チャンピオン賞の4社の受賞企業と1件の名誉賞は、アフリカ、アジア、ヨーロッパ、北米、中米という5つの大陸から選ばれています。これらのプロジェクトはいずれも、イノベーション、持続可能な影響、社会への貢献という価値観を体現しています。
40以上の国から参加する100社超のニュー・チャンピオン・コミュニティのメンバーは、世界に変化をもたらす、ダイナミックで高成長の企業です。
第四次産業革命に向けて新興技術と持続可能な成長戦略を推進するこれらの企業は、社会への影響に配慮し、より良い未来の構築に参画することを目指しています。
2021年ニュー・チャンピオン賞の受賞企業は以下のとおりです
1. アジャイルなビジネスガバナンスにおける卓越性 - 360 DigiTech, Inc.
上海を拠点とする金融テクノロジー企業360 DigiTechは、中国全土の中小企業や公共サービス機関が、COVID-19パンデミックに関する最新情報にアクセスできるよう、「Epidemic Talk」と呼ばれる無料の人工知能(AI)ボットを開発しました。
第四次産業革命に関して、世界経済フォーラムは何を行っていますか?
先端技術・イノベーションセンターは、科学者、政策立案者、ビジネスリーダーを結びつけ、新興技術とそれが現実社会にもたらす影響を読み解いています。
センターは、協働と実験を可能にすることで、パートナーが研究から得られたイノベーションを、世界共通の課題に対処する実用的な応用へと転換できるよう支援しています。
この「Epidemic Talk」は、同社がマーケティングや顧客サービス業務を自動化するために開発した言語認識ツールを基に、2020年初頭のパンデミック発生時にわずか24時間で作成されました。
パンデミックの状況に関する情報を調査・提示し、問い合わせへのコールバックを行い、統計を分析し、利用者向けに情報を要約することができます。2020年2月には、中国全土の病院や地域団体にも提供対象が拡大されました。
Epidemic Talkはこれまでに1,000万件の問い合わせに対応し、COVID-19に関する情報提供にかかる通話1件あたりのコストを、1米ドル超から25米セント未満へと削減しました。また、人間よりも速く応答することで、平均通話時間を8分から3分へと短縮しました。
2. 社会的責任における卓越性 - AgroAmerica
ラテンアメリカの食品企業AgroAmericaは、グアテマラ南西部にある自社の農園10ヘクタールを寄付し、事業を展開する12のコミュニティに教育と医療を提供する人間開発センターを建設しました。
同センターには、医療診療所、研究施設、そして同社従業員の子どもたちのための学校が設けられています。現在、センターの小学校には170人を超える児童が通っており、数学と語学の地域コンクールで入賞しています。

これまでに、診療所は医療処置、歯科治療、出産の介助を含む様々なサービスを35,000人の患者に提供しています。地域社会への影響を目的としたプログラムにより、地域の子どもの栄養失調率は、全国平均の50%から、わずか4%にまで低下しました。全国平均の50%わずか4%にまで低下しました。
センターで活動する臨床研究者は、ジカ熱、チクングニア熱、デング熱、COVID-19など、この地域で最も一般的な疾患に重点的に取り組んでいます。
同センターは非営利団体として運営されており、コロラド大学、Project Cure、グアテマラ保健省、AgroAmericaからなる連携体の支援を受けています。これまでに、このプロジェクトには330万米ドルが投資されています。
3. イノベーションにおける卓越性 - o9 Solutions, Inc.
テキサス州ダラスを拠点とする、サプライチェーンおよび事業計画ソフトウェア企業o9 Solutionsは、AIとビッグデータの力を活用し、企業の計画策定と意思決定を大幅に改善することを支援しています。
サプライチェーンの混乱や環境課題の深刻化が進む今日の世界において、事業を成功させるには、より迅速かつ知的な計画策定と意思決定が求められます。o9 Solutionsのクラウドベースのデジタル・ブレインは、事業全体での協働を可能にするよう設計されています。
同社によると、プロセスの改善は透明性を高め、生産性を向上させ、組織の縦割りを減らすとのことです。「これは、職場で満足し、社会により多く貢献する従業員を育てることにつながります」と同社は付け加えています。

「適切な計画は、企業がサプライチェーン内で地球の貴重な資源の使用を抑えながら、事業目標を達成できることも意味します。当社は、企業がこの重要な取り組みを進めるための最善のプラットフォームとソリューションを開発することを使命としています。」
デジタル・ブレインは、グラフベースのモデリングなどのイノベーションを組み合わせることで、企業が変化する状況に迅速に対応してビジネスモデルを変更し、デジタル時代において成長し競争できるようにします。過去3年間で、o9は売上高と従業員数を3倍に増やしました。
4. 持続可能性における卓越性 - Ankorgaz
Ankorgazは、イタリア・パヴィアに拠点を置き、食品および農業廃棄物からバイオLNG(持続可能な液化天然ガスであり、ディーゼルの環境配慮型代替燃料)を生産する技術の先駆けとなりました。
この連続プロセスは、廃棄物からメタンを生成し、それを液化してバイオLNGを製造するものです。製造されたバイオLNGは、従来のガソリンスタンドの敷地を通じて流通させるほか、輸送事業者に直接供給することもできます。
Ankorgazによると、同社のエンドツーエンドのプロセスは欧州で唯一のものであり、バイオLNGを使用する車両からのCO2排出量は、従来の化石燃料よりはるかに少ないとのことです。さらに、廃棄物を利用することで、温室効果ガスを排出する埋立地への搬送を避けることができます。

同社によると、ディーゼルをバイオLNGに置き換える可能性は非常に大きいとのことです。イタリアだけでも、バイオLNGの原料となるバイオメタンを生産するよう転換可能な発電所が、すでに1,200か所あります。
Ankorgazのプロセスを既存の施設に適用して生産量を拡大すれば、700万トンのバイオメタンを生産でき、これはイタリアの国内ガス消費量全体の10%に相当すると同社は述べています。
持続可能性における卓越性部門の名誉賞 - Risk Insights
南アフリカを拠点とするRisk Insightsは、アフリカで初めて、大陸の主要証券取引所に上場する企業のESG(環境・社会・ガバナンス)パフォーマンスを格付けするAI搭載ツールを開発した企業です。
機械学習を用いて、このツールは企業の戦略がESG目標とどの程度整合しているかを評価します。2020年に南アフリカで発表されたこのツールは、すでにナイジェリア、ケニア、モーリシャス、ガーナに上場する企業の監視にも導入されています。


