現在の食料生産効率のまま2050年までに100億人を養うには、世界の森林の大半を切り開かなければなりません。
オランダは効率的で持続可能な農業の先進国であり、農産物の輸出額では世界第2位です。
デュイフェステイン・トマト社は、水耕栽培システムと地熱エネルギーを利用して環境への影響を抑えながら、収穫量を最大化しています。
オランダは小国かもしれませんが、農産物の輸出額は米国に次いで世界第2位です。2017年には、オランダは1,110億ドル相当の農産物を輸出しました。その内訳には、花卉100億ドル、野菜74億ドルが含まれます。
では、米国というゴリアテに対し、世界の食料産業における小さなダビデのような存在であるオランダの強みは何でしょうか。

デュイフェステイン・トマト社のゼネラルマネージャー、アド・ファン・アドリケム氏はこう説明します。「オランダはかなり人口が密集しています。土地も人件費も高いため、競争するには他社より効率的でなければなりません。そして、その競争がイノベーションと技術を推進するのです。」
デュイフェステイン・トマト社は、持続可能で革新的な農業の一例です。2011年から、温室の暖房に地熱エネルギーを利用し、水を節約するために水耕栽培で植物を育てています。
トマトはロックウール培地を入れた小袋で栽培されています。これは溶融した玄武岩を紡いで細い繊維にしたもので、養分を含み、水分が少ないときでも植物が水を吸収できるようにします。

農薬は使わず、農場では地元のシェル石油精製所から出る廃棄物のCO2を温室に送り込んでいます。植物の生育に必要なCO2を活用することで、大気中に放出される二酸化炭素を減らしています。
温室には熱を保つ二重ガラスの屋根があり、LED照明も備えています。そのため、植物は夜間も成長を続けられます。
精密農業
こうした取り組みにより、デュイフェステインのチームは、より少ない資源とより狭い土地で、トマトの収穫量を増やすことができます。
「温室の面積は14ヘクタールで、年間およそ1億個のトマトを生産しています」とファン・アドリケム氏は話します。
「すべてを非常に精密に調整できるという考え方です。環境への影響を最小限に抑えながら、最新の技術やイノベーションをすべて活用しています。」

2050年までに地球上の100億人を養う必要があります。気候変動が土壌に及ぼす影響により、その課題はさらに困難になるでしょう。
最近発表された世界資源報告書は、現在の生産効率が続けば、2050年に地球上の人々を養うために「世界に残る森林の大半を切り開き、さらに数千種の生物を絶滅させ、温室効果ガスを排出して、パリ協定に明記された1.5℃および2℃の気温上昇目標を超えることになる。たとえ人間活動によるその他すべての排出が完全になくなったとしても」と警告しています。
そのため、オランダのような国々で実践されている革新的な農法を拡大し、世界各地に広めることが不可欠です。将来の利益のために、短期的に資源を投入する必要があります。
「持続可能な解決策は短期的には少し費用がかかることもありますが、長期的にはより効果的になるはずです。実際にその効果が見えています」とファン・アドリケム氏は言います。
「長期的な視点で、そうした取り組みに投資する勇気が必要です。」


