インパクト投資が世界を変える方法

An aerial view shows the Amazon rainforest at the Bom Futuro National Forest near Rio Pardo in Porto Velho, Rondonia State, Brazil, September 3, 2015. The town of Rio Pardo, a settlement of about 4,000 people in the Amazon rainforest, rises where only jungle stood less than a quarter of a century ago. Loggers first cleared the forest followed by ranchers and farmers, then small merchants and prospectors. Brazil's government has stated a goal of eliminating illegal deforestation, but enforcing the law in remote corners like Rio Pardo is far from easy. REUTERS/Nacho Doce TPX IMAGES OF THE DAYPICTURE 1 OF 40 FOR WIDER IMAGE STORY "EARTHPRINTS: RIO PARDO" SEARCH"EARTHPRINTS PARDO" FOR ALL IMAGES - GF20000046394
Investors can address our most pressing needs, from fighting climate change to better healthcare.Image: REUTERS/Nacho Doce
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企業が社会における自らの役割について、より啓発された視点を持つようになってきています。「社会に良いことをすることで、ビジネスでも成功できる」というシンプルな考え方が、新たなビジネスチャンスを生み出し、投資家に資金の投じ先を見直すきっかけを与えています。

プライベート・エクイティや、グリーンボンドなどの一部の専門債券からなるインパクト投資は、従来、開発金融機関や専門ファンドの領域でした。しかし、投資家が財務上のリターンとともに社会への便益をもたらす方法を求めるにつれ、急速に成長しています。インパクト市場は2013年から2017年の間に5倍に拡大し、昨年は世界全体で2,280億ドルに達しました。これは目覚ましい成長です。それでもインパクト投資は、今後さらに大きく成長する可能性があり、世界の開発課題に大きな影響をもたらし得ます。

現在、開発金融機関と専門のファンドマネージャーがインパクト投資市場の4分の3を占めています。残りはアセットマネージャーが占めています。この比率を逆転させ、多数の機関投資家をインパクト市場に引き入れることで、市場を飛躍的に成長させる必要があります。

セクター別のインパクト投資Image: Annual Impact Investor Survey 2018、Global Impact Investing Network

インパクトとは何か、そして何がインパクトではないのかについて、より明確な基準がなければ、これは実現できません。インパクト投資は、投資家に対し、適切な財務上のリターンに加えて、社会に対する測定可能な良い成果を達成するための透明性のある基準を提供する必要があります。また、投資が生み出すことが期待される具体的な環境・社会・ガバナンス面での影響について、投資家が明確に理解できるようにしなければなりません。

こうした明確さがなければ、本来インパクト投資とみなすべきでない幅広い投資が、インパクト投資としてラベル付けされる恐れがあります。市場がまだ若い今こそ、インパクトを目的とした投資を運用するための共通原則を策定すべき時です。適切に進めれば、約100兆ドルの運用資産を保有する機関投資家は、インパクト投資を行うさらなる理由を得るでしょう。市民、年金受給者、株主は、自らの資産が将来のため、そして社会の利益のために運用されるよう求めることができます。

インパクト投資を主流にさらに広げることは、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた取り組みに新たな推進力をもたらすでしょう。目標達成に必要な費用は莫大で、年間7兆ドルに上り、そのうち新興市場だけで4兆ドルを占めます。民間資本を動員するうえで、私たちは創造的であらねばなりません。インパクト投資は、気候変動の防止・緩和から、持続的な繁栄に必要な医療・教育サービスの提供に至るまで、世界の最も差し迫った開発課題に取り組むために数兆ドルを調達できる可能性を秘めています。

今日、資産の所有者とマネージャーは重大な制約に直面しています。インパクト管理システムの設計を導く共通の原則がないのです。このため複雑さと混乱が生じ、「サステナブル」「責任ある」「インパクト投資」といったラベルの違いを見分けることが困難になっています。また、社会にもたらす効果を検証することなく、ファンドを「インパクト」型の投資商品として説明する「インパクト・ウォッシング」への懸念も高まっています。

こうした懸念に対処し、最善の実践を確立するためには、インパクトを目的とした投資を管理する方法について、共通の規律と市場のコンセンサスが必要です。IFCは、民間セクターの開発を推進してきた62年の経験を持ち、開発途上国における当初からのインパクト投資家の一つです。また、570億ドルの運用資産を持つ、最大規模のインパクト投資家でもあります。

15年前、IFCは大手商業銀行と協力し、プロジェクトファイナンスにおける環境・社会リスク管理の基準として「赤道原則」を策定しました。現在、インパクト投資において同様の役割を果たす機会があると考えています。

今月、私たちは原則案の一式を公表し、インパクト投資の世界に明確さと規律をもたらすことを目指しています。これらの原則は、世界で最も影響力のある投資家の一部と協議しながら策定しました。今後数か月間、追加の投資家、学識者、市民社会、政府と議論を広げ、意見を取り入れて原則を確定させます。最終的な原則と最初の署名機関は、2019年春に発表する予定です。

これらの原則は包括的なものとなります。投資戦略の策定から、資産の組成・ストラクチャリング、ポートフォリオ管理、そしてポートフォリオからの出口まで、投資のライフサイクル全体を通じて、インパクトの考慮を投資判断に組み込みます。これらは、すべての開発金融機関が蓄積してきた知見を基にするとともに、インパクトを目的として投資を行う公的・民間の様々な機関に見られる新たな最善の実践も取り入れます。

これらの原則を正しく定めることは重要です。私は、機関投資家、アセットマネージャー、企業、政府、市民社会に対し、信頼できる原則の策定に共に参加するよう呼びかけます。成功すれば、これらの原則はインパクト投資市場の進化における大きな前進となるでしょう。

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