シリコンバレーは#GlobalGoalsの達成に向けて、さらに貢献できる

The enormous reach and capabilities of technology companies are not yet matched by their impact on directly, intentionally solving societal problems.
The enormous reach and capabilities of technology companies are not yet matched by their impact on directly, intentionally solving societal problems.Image: REUTERS/Noah Berger
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今週、世界のリーダーたちが、米国東海岸と西海岸で開かれる性格の大きく異なる二つの集まりに参加します。一方は外交の場、もう一方は変革を促す場です。一方が旧来の権力を代表するのに対し、もう一方は新しいアイデアを体現しています。この隔たりは、地球にとって大きな機会があることを浮き彫りにしています。

ニューヨークでは、年次総会に集まる各国首脳が、国連総会(UNGA)で国際機関、慈善活動家、企業、社会起業家とともに、グローバル目標の達成に向けた取り組みを加速させます。グローバル目標は、貧困、健康、持続可能性などの課題に関する17の意欲的な目標で、各国のリーダーは2030年までの達成を約束しています。サンフランシスコでは、セールスフォースが毎年開催するドリームフォースカンファレンスに、1万7,000人を超える顧客、起業家、非営利団体のパートナー、オピニオンリーダーが参加し、同社のクラウド型エコシステムで利用できるテクノロジー・ツールの活用拡大を図ります。

ニューヨークでは、地球が直面する最大の課題と、変革をもたらす緊急かつ抜本的な解決策の必要性に焦点が当てられています。サンフランシスコでは、来る第4次産業革命を通じて世界を変える多くのツールが開発されていますが、世界的な課題の解決を目的に設計する取り組みへのコミットメントには、ばらつきがあります。

両者の間には接点もあります。国連総会の公式議題や関連イベントでは、グローバル目標の達成に貢献できる技術革新が取り上げられます。ドリームフォースでは、カリフォルニア州が最近開催した「グローバル気候行動サミット」を受けて、気候変動に関する注目度の高いセッションが行われます。しかし、こうしたイベントを支えるコミュニティは、今なおおおむね別々の領域で活動しています。両者がより深く結びつけば、双方に利益をもたらし、ビジネスの新たなイノベーションを促すとともに、グローバル目標をテクノロジー企業の使命に広く組み込み、喫緊の世界的課題への対応を加速できるでしょう。

多くのテクノロジー企業は社会的責任を果たす取り組みを行っており、業界の製品はすでに、市民や変革を推進する人々が行動や資源をより効果的に動員するうえで大きな影響を与えてきました。しかし、テクノロジー企業の膨大なリーチと能力は、社会課題の解決に直接かつ意図的に取り組むという点で、まだ十分な影響力につながっていません。

業界全体でグローバル目標へのコミットメントを高めるため、テクノロジー企業はシリコンバレーで特に積極的に取り組む企業から三つの教訓を得られます。また、他業界が苦労して積み重ねてきた経験から学ぶこともできます。

1)使命を定め、全力で取り組む

課題を一つ選びましょう。どんな課題でも構いません。グローバル目標は、飢餓や貧困の撲滅、すべての人への安全な水、クリーンエネルギー、質の高い医療と教育の提供、持続可能な都市と強靭なインフラの構築、地球の持続可能性を考慮した生産・消費モデルへの転換、不平等、不正義、ジェンダー差別の是正、雇用と成長の促進など、世界が直面する最も深刻な課題の解決に向けた意欲的な目標です。ここには、どの企業にも取り組める課題があります。慈善活動やボランティアにとどまらず、拡張可能なビジネスモデルを通じて成果を生み出すことで、すべての企業が貢献できます。

効果的に取り組むには、会社全体でコミットすることが重要です。中核となるビジネスモデルを通じて成果を生み、従業員や経営幹部が当事者として活動を推進するよう促し、社会や株主にコミットメントを明確に伝えます。例えば、セールスフォースは、「企業の役割とは、世界をより良い場所にすること」と掲げ、従業員のボランティア活動、慈善活動、非営利団体への支援に取り組んでいます。精力的なCEOのマーク・ベニオフと将来を見据えたグローバル戦略が、気候変動や海洋に関する注目度の高い国際的な取り組みを会社として支援する原動力となっています。グーグルやフェイスブックなど、他の大手テクノロジー企業も大規模な非営利部門を設け、製品や技術的な専門知識を非営利団体や地域社会に提供しています。スタートアップの中には、地球のニーズを中心に事業全体を設計する企業もあります。例えば、ロシーズは、リサイクルしたペットボトルを使った靴で、サステナビリティをおしゃれなものにすることを目指しています。

特定の課題について大々的にコミットメントを表明し、それに合わせて会社全体を動かすCEOもいます。ユニリーバのCEOポール・ポールマンは、同社のサステナブル・リビング・プランを通じて、サプライチェーンの持続可能性に関する意欲的な目標を掲げるとともに、持続可能性に関する数々のパートナーシップへの参加を会社に約束させ、世界の政策立案者にこの課題の重要性を訴えました。DSMのファイケ・シーベスマは栄養と気候変動の課題を精力的に訴え、新ブランド「アフリカ・インプルーブド・フーズ」の立ち上げを主導しました。このブランドは、アフリカ市場に栄養価が高く手頃な価格の食品を提供しています。重要なのは、企業の世界への貢献を周辺的な取り組みではなく、使命とビジネスモデルの中核として捉えるよう、考え方を変えることです。

2)包括的で拡張可能な解決策を構築する

グローバル目標は、規模が大きく、複雑で、相互に関連した課題です。貧困、飢餓、気候変動など、どの目標にも多くの側面があり、異なる視点や能力を持つ何千もの関係者がすでにその分野で活動しています。こうした目標の一つに大きく貢献すると決めた企業は、周囲にある複雑な課題や関係者の全体像を理解し、システム全体を視野に入れた解決策を設計するために、時間をかける必要があります。トップダウン型や「特効薬」のような解決策が通用する時代はほぼ終わりました。つまり、複雑な問題を新技術だけで解決できることはほとんどありません。顧客や関係者と共同で設計した解決策なら、活用可能な最良の知見やパートナーシップを取り入れやすく、成功の可能性も高まります。

その好例がインポッシブル・フーズです。同社が牛肉の代替品の開発を目指した背景には、畜産が水、気候、生物多様性に与える影響を踏まえた、環境に関する大局的な懸念がありました。画期的な成功を支えたのは、見た目や味が赤身肉に似ているだけでなく、肉汁まで流れるように作り込まれた植物由来の製品、熱意ある投資家、そして確かな顧客需要を築く戦略的な市場投入でした。さらに同社は、こうした事業の基盤を中心に、環境団体、医療関係者、消費者団体との協働、著名なシェフやレストランとの連携、カリフォルニア州オークランドの製造施設での地域雇用への投資を含む、より幅広い戦略を築きました。食品システムですでに活動している関係者の専門知識を理解し、活用することで、インポッシブル・フーズはシステムそのものを大きく変える可能性のあるイノベーションを展開できました。

3)顧客とパートナーを再定義する

グローバル目標を企業の中核的な使命に組み込むには、顧客、パートナー、製品を新たな視点から捉える必要があるかもしれません。インポッシブル・フーズは、自社の「真の製品」を「次世代のために、活力に満ちた地球を実現すること」と表現し、商業製品をその目的を達成する手段と位置づけています。アフリカ・インプルーブド・フーズは、ルワンダの農家2万4,000人および国連世界食糧計画と連携し、サプライチェーンに沿って機会と成果を生み出すとともに、強化栄養シリアル製品を成長するアフリカの都市部の顧客層に届けることを目指しました。インドでは、マイクロソフトが国際的な研究機関およびアーンドラ・プラデーシュ州政府と提携し、農家の収穫量を増やすインテリジェント・クラウド・サービスを展開しました。その結果、収穫量は30%増加しました。これらの企業は大局的な目標を定めたうえで、その達成に必要な知識や才能を持つ人々は誰かを創造的に考えました。

社会に良い影響をもたらす製品の優れたアイデアは、現場から生まれることがあります。ナイロビやバンガロールにすでにあるテクノロジー拠点や、ベトナム、ナイジェリアなど新たに台頭する拠点といった、地域に根ざしたイノベーションへの投資は、新たな解決策の開発を加速させます。政府は投資家や起業家と連携し、活力ある「イノベーション・エコシステム」に必要なインフラ、政策、人材を整備できます。国際機関も、使命に基づくイノベーションを加速するため、適切なパートナーを結びつけるプラットフォームを提供できます。国連世界食糧計画のイノベーション・アクセラレーター、ユニセフのイノベーション・ファンド、世界経済フォーラムの第4次産業革命センターがその例です。政府、投資家、スタートアップなどは、こうした連携プラットフォームを通じて適切なパートナーを見つけられることがよくあります。

多くのテクノロジー企業が、地球規模の公共の利益に貢献しようと明確に取り組んでいます。しかし、その面でのテクノロジー業界の影響力は、まだリーチに見合っていません。テクノロジー企業は、イノベーションを起こして成果を拡大する力に加え、楽観的な姿勢と既存の規範を大胆に変革する意欲を備えています。こうした力は、多くの世界的課題への対応を加速するために大いに必要です。同時に、テクノロジー業界は、既存の関係者が持つ専門知識やパートナーシップから多くを学び、恩恵を受けられます。その結果、ビジネスと社会の双方に利益をもたらす新たな製品やサービスが生まれ、地球の未来に必要な変革を推し進めることができます。

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