より持続可能な世界を築くための道のり

An Aurora Borealis (Northern Lights) is seen over a mountain camp north of the Arctic Circle, near the village of Mestervik late September 30, 2014. REUTERS/Yannis Behrakis (NORWAY - Tags: ENVIRONMENT TRAVEL SOCIETY TPX IMAGES OF THE DAY) - GM1EAA10POR01
Climate change permeated much of the conversation on sustainable development at Davos 2019Image: REUTERS/Yannis Behrakis
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「エデンの園はもう存在しない」と、デービッド・アッテンボロー卿はダボス会議2019で語った。人類が自然界に与えてきた破壊について見解を述べる中でのことだ。アッテンボロー卿は、私たち人間は「問題解決能力を持つ種」であると指摘し、希望も示した。しかし、気候変動を解決するために残された時間はわずか10年だと改めて強調した。

国連事務総長のアントニオ・グテーレス氏も、こうした見方を自身の「世界の現状」に関する演説で示した。同氏によれば、気候変動などのメガトレンドはますます相互に結びついている一方、対応は分断されている。これに取り組まなければ「災いを招く」と警告した。

気候変動対策がいかに急務か、改めて説明を受ける必要のある人はほとんどいないだろう。私が驚いたのは、ダボス会議で持続可能な開発について交わされた議論のあらゆる側面に、この問題への懸念が浸透していたことだ。不平等、生物多様性の損失、自動化に直面する中でのリスキリングの課題から、グローバル・ガバナンス、サイバーセキュリティ、食料システム、金融システムの未来まで、挙げればきりがないほど多くのテーマが議論された。

持続可能な開発目標を実現する新たな方法

今後数年間に持続可能な開発目標(SDGs)の推進を支える主な要素であるテクノロジーと金融が、議論の中心を占めた。テクノロジーに最も詳しくない人でさえ、人工知能、ビッグデータ、ブロックチェーンが世界をより良い場所にする可能性を示す議論に、驚嘆したことだろう。この分野の多彩な革新的アイデアは、人々を驚かせ、議論を呼んだ。たとえば、サイバー攻撃から空港や重要インフラを守るプロジェクトから、企業にSDGsの実現への参加を促すため、目標を事業モデルに組み込む取り組みまであった。

もちろん、破壊的テクノロジーはSDGs達成の特効薬ではなく、それに伴うリスクも利点とともに大きく取り上げられた。しかし、第4次産業革命はSDGsの進展を加速させる助けとなり得る。国連開発計画(UNDP)では、開発途上国の経済がイノベーションを活用し、極度の貧困をなくして繁栄を広く分かち合えるよう取り組んでいる。

具体的には、私たちはこのたびアクセラレーター・ラボを60の開発途上国で立ち上げ、世界各地の問題解決に取り組む人々を特定し、つなげる。ソーシャルメディアから衛星画像まで、現地のネットワークと新たな情報源から得られるデータを活用する。1型糖尿病の管理ツールをオープンソースで開発したダナ・ルイス氏や、洪水が起きやすいバングラデシュで水上農場を築いた起業家のようなイノベーターを支援したいと考えている。

アクセラレーター・ラボは、UNDPの既存の各国チームとインフラに不可欠な存在となる。170カ国に広がるUNDPのグローバルネットワークと開発に関する専門知識を、より機動的なイノベーション能力と結びつけ、各国の国家開発の優先課題を支援し、最終的には幅広いSDGsの達成に取り組めるようにする。

革新的な金融

政府代表や企業リーダーとのやりとりで、金融が話題に上らないことはほとんどなかった。特に「革新的な金融」が会話の中心を占め、移民や難民を支援する可能性から、いわゆる「イニシャル・コイン・オファリング」が次世代の高成長企業に資金を提供する可能性までが話し合われた。

SDGsに資金を呼び込む方法に加え、経済、社会、ガバナンスに関する取り組みを企業のDNAの一部とする企業を見極めるため、確かなインパクト管理のプロセスとツールを整備する必要性について検討した。こうした変化は企業の投資の流れに影響を与え、結果として投資がSDGsに沿う可能性を高める。

テクノロジーと金融を結びつける取り組みとして、SDGsのためのデジタル金融に関する国連事務総長タスクフォースが初の対面会合を開いた。南アフリカのアブサ・グループCEO、マリア・ラモス氏と私が共同議長を務めるこのタスクフォースの役割は、SDGsの推進に向けて金融テクノロジーの可能性を活用するための戦略を提言することだ。

SDGsに掲げられた「誰一人取り残さない」という中核的な約束を念頭に、デジタル金融を活用して女性が実体経済により深く関わるよう促し、地域に根ざしたイノベーションを推進する必要性について話し合った。この点で、金融アプリの75~80%が米国または欧州で開発され、現地の経験や優先課題に合わせて作られていないことは驚くべきだ。デジタル金融が新たなビジネスモデルを生み出し、より包摂的な社会の構築に貢献できることは明らかだ。

未来

ダボス会議は、世界が直面する最も差し迫った問題のいくつかに対し、新たで信頼できる解決策を見いだすため、企業、政府、より広範な市民社会が連携して取り組むという、必要不可欠なアプローチの種をまく。UNDPは、世界経済フォーラムとそのようなパートナーシップを進めており、自動化やその他の推進要因がグローバル・バリューチェーンをどのように変える可能性があるかに焦点を当てている。

こうした変化が、輸出主導型の開発戦略を維持するためにバリューチェーンに依存する開発途上国にどのような影響を及ぼすかを理解することが極めて重要だ。将来、このパートナーシップの成果は、UNDPをはじめ国連の他の機関が、政府や企業による政策面と実務面でのこうした動向への対応を支援する一助となるはずだ。

ダボス会議2019に参加者として、また観察者として出席し、開発課題をめぐって、多くの参加者が発揮するリーダーシップ、革新的なアイデア、協力の精神、そして明確な情熱を目の当たりにした。年次総会には変革を担う人々が集まり、SDGsの実現に向けて重要かつ具体的な貢献を示した。目標達成まで、残された時間はわずか12年だ。

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