アジア各地で壊滅的な洪水が相次いだ1年を経て、世界有数の大国が水害にどう対処しているのか

Trucks are seen partially submerged along the Jakarta-Cikampek Toll Road in Bekasi, near Jakarta, Indonesia February 25, 2020.
11 of the 15 highest risk cities are in Asia.Image: REUTERS
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  • 研究者によると、東京、ジャカルタ、上海などの都市では、人々や開発を危険地域から移転させる必要が生じる可能性がある。

  • 海面上昇によるリスクが最も高い15都市のうち11都市はアジアにあり、ドバイ、アレクサンドリア、ニューヨークも含まれる。

東京、ジャカルタ、ホーチミン市、上海などアジアの主要都市は、海面上昇のリスクが最も高いと研究者らは木曜日に警告し、当局に対して洪水対策への投資拡大と、資産や人々の移転計画を促した。

英国を拠点とするリスクコンサルタント会社ベリスク・メープルクロフトの調査は、世界の人口100万人超の都市500カ所を分析し、地球温暖化が現在のペースで進んだ場合の科学的推定に沿って、2100年までに海面が67センチ~2メートル(26.4~78.7インチ)上昇すると予測される地域を特定した。

調査では、リスクが最も高い15都市のうち11都市がアジアにあり、ドバイ、アレクサンドリア、ニューヨークも含まれることが分かった。

「人類は、沿岸部に暮らすことを好む傾向があります。そこには資源があり、交通の便もよいからです」と、シンガポールにあるベリスク・メープルクロフトの気候変動アナリスト、ローリー・クリスビー氏は述べた。

アジアでは、人口密度の高い都市は「世界の他の地域なら手をつけないような土地まで開発する傾向がある」と、同氏はトムソン・ロイター財団に語った。

アジアで急速に拡大する都市の多くは沿岸部の低地にあり、海面上昇や洪水、サイクロンなどの異常気象に脆弱だ。

今週、ジャカルタでは2020年に入って2度目の豪雨による洪水が発生した。一方、バンコクでは先月、海水の浸入で塩分濃度が上昇したため、トラックで飲料水を運び込んだ。

洪水リスクを下げるには、防潮堤や潮汐バリアの建設、マングローブの再生など、「ハードとソフトの工学的対策」を組み合わせるべきだとクリスビー氏は述べた。

同氏は、防潮施設は10年ごとを目安に補強する必要があると付け加え、「一度きりの出費ではない」と指摘した。

洪水が起きやすい地域での建設や、「計画の不十分な」埋め立て事業は中止すべきだと同氏は述べ、一部の都市は重要な資産をより安全な場所へ移すことを検討すべきだと付け加えた。

中国の「スポンジ都市」構想も、地域全体で活用できる可能性があると同氏は述べた。この構想では、雨水を吸収するアスファルトや水たまりを防ぐ緑地など、持続可能な排水システムをインフラに組み込む。

報告書によると、世界で最もリスクが高い都市は、中国の珠江デルタ経済圏にある広州と東莞だ。同経済圏は中国のGDPの20%、世界の富の3.8%を生み出している。

広州と東莞は、世界で洪水リスクが最も高い都市である。Image: ベリスク・メープルクロフト-環境リスク展望2020

「ここは世界有数の巨大な製造業の拠点です」とクリスビー氏は述べ、両市は重要な資産の移転と大規模な工学プロジェクトへの投資を検討すべきだと付け加えた。

報告書によると、中国全土ではGDP3480億ドル相当と約800万人が、海面上昇のリスクが高い、または極めて高い地域に位置している。

クリスビー氏によると、中国と日本には洪水リスクを軽減する対策を講じる資源がある一方、ベトナム、インド、インドネシアは、海面上昇がもたらす課題に対処するための資源と制度的能力がより限られている。

インドネシアはすでに、首都をボルネオ島に移す計画を進めている。ジャワ島北岸に位置するジャカルタは徐々に沈下し、洪水にもたびたび見舞われている。

「リスクへの曝露を再調整するため、10年単位の時間軸で考え始めています。こうした動きは今後10年でより一般的になるでしょう」とクリスビー氏は述べた。

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