アフリカの市民数百万人が、仕事や食料、収入を漁業に依存している。しかし長年にわたり、アフリカの豊かな沿岸海域は外国船団によって略奪され、多くの場合、違法な漁業が行われてきた。
アフリカ進歩パネル(APP)の議長を務めたコフィー・アナンは、「天然資源の略奪とは、商取引を装った組織的な窃盗だ」と述べた。「便宜置籍で操業し、漁獲量を記録しない港で水揚げする商業トロール船は、倫理に反する。」
社会的・経済的な損失は甚大だ。違法・無報告・無規制(IUU)漁業は、脱税に匹敵する歳入の窃盗にあたる。合法であっても無責任な乱獲は、魚類資源を減少させ、地元の漁獲量を落とし、海洋環境に害を及ぼす。漁業コミュニティを破壊し、人々から漁獲、加工、取引の機会を奪う。

アフリカ進歩パネル(APP)の2014年の報告書「穀物、魚、資金:アフリカのグリーン革命とブルー革命への資金調達」によると、大型トロール船1隻は1日で250トンの魚を漁獲できる。これは、地元の小規模な伝統漁船50隻が1年間で漁獲する量に相当する。同報告書はまた、IUU漁業による損失は西アフリカだけで年間13億ドルに上ると指摘した。
IUU漁業を食い止めれば、アフリカ諸国は自国の漁業の潜在力を最大限に引き出せる。海外開発研究所の最近の報告書によれば、西アフリカが漁業に大幅な追加投資を行えば、30万人の新たな雇用を創出できる可能性がある。
世界的な対応を探る
乱獲とIUU漁業は、アフリカのコミュニティだけでなく、世界経済にも損害を与える。したがって、この問題に取り組むには、世界が協調して対応することが不可欠だ。政府、企業、市民社会団体による共同の取り組みが必要である。
APPは、アフリカの天然資源の富ができるだけ多くの市民に分配されるよう、天然資源のガバナンス改善に向けたあらゆる取り組みの基盤として、透明性の向上が不可欠だと一貫して強調してきた。
漁業部門も例外ではない。漁業資源を保護し、漁業管理を改善する有効な方法の一つは、透明性と参加を高めることだという点で、多くの専門家の意見が一致している。
幸い、持続可能な漁業と海洋保全への関心は、国際政治の議題としてかつてないほど高まっている。新たな2つの国際的な措置が効果的に実施されれば、アフリカにとって特に重要な海洋資源の略奪を迅速に食い止める助けとなり得る。すなわち、2009年の寄港国措置協定(IUU漁業対策を目的とする国際条約)と、世界的な漁業透明性イニシアティブ(FiTI)である。
世界共通のFiTI基準の採択は、2017年4月下旬にバリで行われ、漁業における透明性の新時代を切り開いた。この基準は、適切な漁業管理を支えるために必要な透明性と参加のあり方を定めた、初の自主的な国際合意であり、漁業の透明性に関する世界的規範を定めた初の文書である。

今こそ行動を
APPのメンバーでFiTIの創設者でもあるピーター・アイゲンは、こう述べている。「漁業部門に関する基本的な情報でさえ、いまだに公開されていないことがあまりにも多い。FiTI基準は、私たち全員が協力して海洋、海、海洋資源を保全し、持続可能な形で利用しなければならない重要な時期に策定された。この基準は、漁業における透明性と多様な利害関係者の参加について、各国に何が求められるかを明確に示している。」
これまでに、ギニア、インドネシア、モーリタニア、セネガル、セーシェルの5カ国がFiTIの実施を約束している。APPは、アフリカの沿岸国と島嶼国すべてに、これらの国々に続くよう呼びかけている。
APPはまた、すべての市民社会団体に対し、新たなFiTI基準のプラットフォームを活用して漁業ガバナンスの改善を求め、必要に応じて政府に行動を促すよう奨励している。
アフリカの漁業資源の真の所有者であるアフリカの人々は、アフリカの変革に不可欠な役割を担っている。市民は、変化をもたらせる場で積極的に参加することをためらってはならない。市民にも国益のために行動する責任があり、その責任を果たさなければならない。
コフィー・アナンが繰り返し述べてきたように、「指導者が指導力を発揮できないとき、人々が先頭に立ち、指導者を従わせる。」


