ダボスに集まったビジネスリーダーたちは、持続可能な開発目標(SDGs)の進捗を確認する中で、今日のミレニアル世代は親世代よりも目的意識が強く、その消費行動が企業の望ましい行動を後押しすると論じた。SDGsは2015年に国連が掲げたもので、極度の貧困や飢餓の撲滅を含む意欲的な目標を2030年までに達成することを目指している。
「企業がより良い世界づくりに貢献していると私たちを納得させられないのなら、そもそも企業は何のために存在するのか」と、ユニリーバの最高経営責任者ポール・ポールマンは問いかけた。「世界的な統治が弱まる今、SDGsは道徳的な羅針盤だと考えています」と述べた。鉱業大手アングロ・アメリカンの最高経営責任者マーク・カティファニも、「ビジネスの真の役割は社会に奉仕することです」と付け加え、最大の関心事は「私たちの製品は、どのように人々の暮らしをより良くするのか」だと語った。
CEOたちの言葉は、会場にいた開発関係者や市民社会の関係者にとって耳に心地よいものだった。ビジネス界の人々がこれほど倫理的な言葉を語るのは意外かもしれない。しかし、公平に見れば、持続可能な開発はビジネス上も理にかなっている。17の目標の実施費用は年間3兆~4兆ドルと見積もられている一方、2030年までの推定年間便益は合計12兆~13兆ドルに達する。つまり、持続可能な開発は大きな投資機会である。
ポールマンは、8億人が飢餓に苦しみ、予防可能な病気で180万人の子どもが命を落としている現状は、「民間セクターにとって大きな機会」だと指摘した。各国政府の開発資金拠出は現在、年間わずか1,600億ドルにとどまっており、企業にしか埋められない巨額の資金不足がある。「何もしないコストが行動するコストを上回る時点に近づいています」と述べた。
ミレニアル世代からの圧力と収益向上の機会が、民間セクターに持続可能な開発への取り組みを促す有力な動機となるかもしれない。一方、SDGsの進展には、企業、市民社会、NGO、政府による幅広い連携が欠かせない。
セーブ・ザ・チルドレン・インターナショナルの最高経営責任者ヘレ・トーニング=シュミットは、同団体、ユニリーバ、バニラ供給業者のシムライズ、ドイツ政府が連携し、マダガスカルのバニラ農家と地域社会の生計向上に取り組んだ成功例を紹介した。しかし、SDGsの実現に向けた各機関の取り組みは遅れており、進捗を加速させる必要がある。トーニング=シュミットによると、年次総会の参加者は、世界経済フォーラムが求める、状況に応じて対応する責任あるリーダーシップの枠組みとしてSDGsを活用すべきだという。
ポールマンはさらに率直に、「不足しているのは道徳的なリーダーシップです」と述べた。ユニリーバは1,000人のCEOに働きかけ、それぞれの企業がSDGsを自社に浸透させ、企業戦略の中で目標を優先するよう促している。目標の達成につながるグリーンボンドやブレンド型ファイナンスなど、新たな金融手段を生み出すために、市場を機能させる必要があるとポールマンは語った。
チャドの先住民女性を代表して発言したヒンドゥ・ウマル・イブラヒムは、連携が急務であることに同調し、地域の意思決定において女性が果たす重要な役割を強調した。たとえば、村の給水所に最適な場所を決めることなどだ。彼女は、SDGsが自身のコミュニティにとって何を意味するのかを強調し、議論を現実に引き戻した。「私たちにとってSDGsとは、命、生計、そして公平性、つまり誰もが平等な機会を得ることです」。機会の公平性は人々を結びつけ、資源をめぐる紛争を減らし、平和と安全の可能性を高めると彼女は語った。


