組織における多様性が重要な理由―11人の起業家から学ぶ

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  • 多様性は創造性とレジリエンスを高めますが、企業で実現するのは容易ではありません。

  • 多様性を通じて、熟議を重ね、型にはまらない解決策を見いだすことができます。

  • 組織で多様性が極めて重要である理由について、世界経済フォーラムのテクノロジー・パイオニアの起業家たちから学んだ教訓を紹介します。

多様性は新たなアイデアをもたらし、創造性を引き出す道を開きます。ビジネスの世界も例外ではありません。異なる背景を持つ人々の視点を受け入れる組織ほど、創造性とレジリエンスが高まります。多様性は業績を向上させるだけでなく、前向きな摩擦も生み出し、熟議を深め、同調を覆します。しかし、多様性を受け入れるのは、口で言うほど簡単ではありません。慎重に取り入れなければ、組織内に摩擦や不安、対立が生じる可能性があります。

世界経済フォーラムのテクノロジー・パイオニアの起業家たちに、多様性が自らの組織にとってなぜ重要なのか、また起業家としての歩みから何を学んだのかを尋ねました。彼らの声を紹介します。

多様性が好奇心を育む

アバ・シューベルト(CEO、Dorae)

私は5歳で学校に通い始めた頃から、多様性を大切にしてきました。突然、世界が広がりました。毎日、働いたり遊んだりする中で、何らかの理由で自分とは違う人々と出会いました。授業からだけでなく、周りの人々からも多くを学びました。多様性の核心は、好奇心を育むことです。異なる視点や経験を持つ人々と周囲に集うほど、私たちはより多くを知ることができます。

Doraeでは、多様なチームであることで、新たな方法で「点と点をつなぐ」ことができます。互いの斬新な視点を取り入れ、世界各地や世代を超えた経験を土台にできるからです。世界貿易向けソフトウェアを提供する、あらゆる人々が集うチームの一員であることは、学校初日の経験を大きく広げたようなものです。私たちは、学業から学んだのと同じくらい、互いから、そして実に多様な市場から学んでいます。

特定のコミュニティに対する構造的な偏見を取り除く必要があります

ブライアン・デシャイロ(CEO、Sherlock Biosciences)

Sherlockでは、多様性、公平性、包摂性は単なる流行語ではなく、私たちの中核的な価値観の一部です。あらゆる民族、国籍、学歴、ジェンダーの、幅広い知識と経験を備えた専門家のコミュニティが、新しいアイデアとイノベーションを育む環境をつくると考えています。しかし長年、構造的な偏見によって、特定のコミュニティはバイオテクノロジー業界で機会を得られずにきました。こうした障壁の存在を認識し、それを乗り越える道をつくると決意しました。私たちは、自社がコミュニティの多様性を反映し、長きにわたって声を奪われてきた人々に発言の機会を提供できるよう取り組んできました。

多様性は常に私たちの優先事項でしたが、パンデミックによって、医療制度に長年存在してきたケアの不平等が明るみに出ました。もはや見過ごすことのできない不平等です。これは私たちにとって触媒となり、業界で声を上げ、組織やコミュニティ、そして世界で多様性と健康の公平性を確保するという課題に他者も取り組むよう呼びかける責任を、いっそう強く感じさせました。

多様性は選択肢ではなく、必須です

チャールズ・バーク(創業者兼CEO、HiNounou)

多様性は大きな豊かさをもたらします。世界中に進出し、あらゆる大陸の人々の暮らしに影響を与えるビジョンを持つスタートアップにとっては、なおさらです。HiNounouは世界中の高齢者とその家族に健康的な長寿をもたらし、専門介護者の負担を軽減することを目指しているため、チームに多様性があることは不可欠だと考えています。

世界経済フォーラムの「エイジングと長寿」に関する戦略インテリジェンス・プラットフォームが示すように、先進国と新興国の双方で健康的な長寿を実現することは大きな課題です。テクノロジーのイノベーション、世代間関係に関する研究、スマートシティ、健康的な食生活など、さまざまな要素に関わるステークホルダーが取り組む必要があります。

私たちにとって、多様性は単なる選択肢ではなく、成功の鍵となる要素でした。多様性のおかげで、世界をより良くしたいと考える、人間性を重視するリーダーたちがHiNounouのチームに集まりました。現在、4大陸に素晴らしいチームがあります。わずか2年間で、12カ国にサービスを広げました。世界経済フォーラムのおかげで、世界に影響を与え、健康、エイジング、長寿の未来を形づくり、何十億もの人々の暮らしに影響を与えることを目指しています。

包摂的な文化を築く

カリム・カシムジー(CEO兼共同創業者、EnginZyme)

野心的な目標を達成するには、それぞれの分野で最も優秀な人材を惹きつけるだけでなく、何よりも会社に最も適した人材を迎える必要があります。重要な成功要因の一つは強い企業文化であり、社員がその文化に共感していることです。スウェーデンのスタートアップである私たちのチームは非常に国際的で、多くの国の人々で構成されています(実際、スウェーデン人は少数派です)。似た考え方や価値観を持ち、さまざまな背景を持つ人々を惹きつけることで、誰もが安心して自分らしくいられ、自発的に行動できる包摂的な文化を築いてきました。チームをとても誇りに思い、社員が非常に定着していることをありがたく感じています。

多様性はより豊かなアイデアと解決策を生む

カシム・アルファラヒ(CEO、Avanci)

私たちの事業は真にグローバルです。世界各地の数十カ国で、フォーチュン100企業から非常に小規模な企業まで、さまざまな文化や組織体制のもとで協業しています。これまでのキャリアを通じ、さまざまなチームで働き、チームを率いてきました。私の経験では、チームの多様性が高いほど、より豊かなアイデアや解決策を生み出せます。異なる文化では、同じ問題も異なる視点から捉えられることを、私は身をもって見てきました。

Avanciの社員の多くは、以前に多国籍企業で働いた経験があり、顧客との距離を縮め、より緊密に連携する価値を学んでいました。そのためAvanciを創業した際、事業を展開する多様な世界を、より的確に反映したいと考えました。単一の拠点で働く方が簡単だったかもしれませんが、私たちは相手に物理的に近い場所で働くことを目指しました。現在は5つのオフィスで業務を行っており、米国に1カ所、欧州に1カ所、アジアに3カ所あります。

Avanciと、私たちを支援する姉妹会社Marconiでは、社員の国籍、人種、ジェンダー、年齢が、顧客と同じように多様です。ほかの条件を考慮せず、職務に最適な人材を採用しています。今年これまでの新規採用者の50%は女性で、新たに加わった同僚は4カ国にわたる5つの国籍を代表しています。多様性を受け入れ、尊重することで、より効果的な組織になり、働きやすい職場にもなると考えています。

異なる文化、言語、地域に関する専門知識が必要です

アモス・ハギアグ(CEO兼共同創業者、Optibus)

都市や地域ごとに、業界特有の課題があります。地域の問題を理解し、地域に根ざした革新的な解決策を開発し、新たな市場に参入するには、異なる文化、言語、地域についての専門知識と理解を備えた多様なチームが必要です。

Optibusは24カ国、500を超える都市の交通事業者と連携しているため、世界各地の地域交通の問題を理解し、解決するうえで、チームの多様性が鍵となります。急速に都市化するアフリカ、ラテンアメリカ、インドの地域、つまり未来の都市となる見込みの場所で公共交通を調査した際、AIとデータ駆動型テクノロジーを活用し、開発の初期段階から効率的で公平かつ持続可能なモビリティシステムを構築する大きな機会を見いだしました。もちろん、これらの地域の多様性を踏まえ、地域の問題を特定して解決するには、現地の専門知識が不可欠だと認識していました。その取り組みは、南アフリカのミニバスタクシー業界の最適化から始まりました。

多様性は企業の成長に不可欠です

クリッサ・マクファーレン(創業者兼CEO、Patientory)

ジェンダー、人種、地域、文化の多様性はあらゆる組織にとって重要であり、事業の成長に大きな役割を果たすと考えています。大切なのは、一人ひとりの違いを受け入れる包摂的な環境をつくり、全従業員が潜在能力を最大限に発揮できるようにすることです。その結果、企業も最大限の力を発揮できます。世界中からより幅広い人材を迎えることができ、顧客やクライアントの一部だけでなく、全体のニーズや動機を把握する手がかりも得られます。

私は常に多様性の価値と、それが企業の成長にもたらす恩恵を認識してきました。そのため、私のスタートアップであるPatientoryは、仕事と従業員の双方を大切にする文化を守るよう努めています。文化の中で両方を重視することで、最高の仕事ができるようになります。実際、私たちのチームは、さまざまな背景や地域の出身者で構成されています。少人数ながら緊密に協力し、集団の健康状態の改善に取り組んでいます。健康の改善は、社内の業務の進め方から始まると理解しています。

個人の成長と能力開発を促す

ナタリア・カラヤネワ(CEO、Propy)

今日のビジネスにおいて、多様性と包摂性は欠かせません。異なる背景や文化を持つ人々が健全に共存することで、必要な声のバランスと多様な考え方がもたらされます。異なる背景、スキル、文化、経験、知識を持つ社員が働く環境では、革新的で創造的なアイデアが増えます。マイノリティが主導する組織は、常に一層の努力を重ねる傾向があります。多様性に富む組織は、個人の成長と能力開発を促すと考えています。社員は米国、ブルガリア、ウクライナ、ロシアなど世界各地から集まっています。Propyは女性が主導する企業であり、私たちは常にそれを最大の強みの一つと捉えてきました。それは会社のDNAです。

ミッションの根幹にあるアクセシビリティ

ダニエル・ナートラート(創業者兼CEO、Ada Health)

Adaでは、多様性とアクセシビリティはミッションの根幹を成しています。私たちは、あらゆる場所にいるすべての人が、信頼でき、役立ち、実行可能で、効果的な医療ガイダンスを利用できるべきだと考えています。共同創業チームは、医療分野のAIの質は、それが学習する人々とデータの質に左右されるという共通認識のもとに結集しました。世界規模で人々の健康に具体的かつ大きな影響をもたらす、包摂的でバランスの取れたAIソリューションを構築するには、Adaの構築を始めた当初から、参加する医療チームと技術チームの多様性を確保する必要があると理解していました。

世界で最も医療を受けにくい立場にある人々や脆弱な人々の医療アクセス改善を目指す「グローバル・ヘルス・イニシアチブ」を開始した際、多様性の重要性はさらに明らかになりました。現地のパートナーを見つけ、その経験に耳を傾けることが不可欠でした。また、影響を最大限に高めるため、新しい言語や地域に合わせてAdaを翻訳するだけでなく、現地化することにも多大な労力を注ぎました。これは、一人ひとり、人種、国がそれぞれ異なること、そしてすべての人に大きな効果をもたらす個別化された医療体験を提供するには、多様性が欠かせないことを改めて教えてくれました。

地球規模の課題に立ち向かうには、あらゆる形の多様性が必要です

バクティ・ヴィタラニ(創業者兼CEO、BigSpring)

BigSpringのミッションは、スキル格差を解消して平等を実現することです。これは真に地球規模の課題であり、あらゆる形の多様性が組織の中核的な価値観である理由でもあります。スキル格差は誰にでも影響するため、BigSpringという企業は、私たちが奉仕するすべての人々を代表する必要があります。顧客や学習者は世界のどこにいるか分からないため、私たちのチームも地理的な多様性を反映しています。シンガポール、インド、アルゼンチン、米国にチームメンバーがおり、十数を超える言語を話します。世界各地で協働するBigSpringでは、文化の多様性が、人々の生活をスキル習得がどう改善できるかを理解するだけでなく、私たちが支援する多様な人々に共感し、関係を築く鍵となっています。私たちは女性が創業した企業で、経営陣の過半数を女性が占めています。

私にとって「なるほど」と気づく瞬間は、毎日のように訪れます。誰と話しているか、どこにいるか、どのような背景を持つかにかかわらず、BigSpringのチームには、その人の立場を理解できるメンバーがいると気づきました。どんな課題を理解するにも、まずその課題が影響を及ぼす人々を理解することから始まります。共通点が多いほど、互いをより深く理解できます。

多様性とは、人々が力を発揮できるようにし、後押しすることです

メイラヴ・オレン(CEO兼共同創業者、Versatile)

Versatileは、データの力を活用して建設業に携わる人々が建築できるよう支援し、力を与えることで、社内の多様性を高めてきました。データに基づく意思決定により、時間外労働を減らして適切に管理し、不要な工程を減らし、安全性と予測可能性を高めることができます。Versatileは、あらゆる改善の第一歩は測定し、将来を切り開く基準を定めることだと考えています。

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