女子教育、性暴力、刑務所改革、金融包摂、災害救援は、シュワブ社会起業財団が2018年の社会起業家賞に選出した12名の受賞者が取り組む課題の一部です。
その中には、ケニアのマルサビット地域出身のイスラム教徒の女性として初めて法学位を取得し、干ばつと紛争が起きやすい同地域で、より強靭で平和なコミュニティづくりに役立てている人物がいます。また、スマートフォンの作り方を変えつつあるオランダの携帯電話メーカーや、再犯率を85%から30%へと効果的に引き下げた受刑者更生プログラムを創設したブラジル人男性もいます。
“社会起業家は、市場の力とビジネスの原則を活用し、社会課題を、弱い立場の人々や貧困層の利益になる形で解決しています」と、シュワブ社会起業財団の会長兼共同創設者であるヒルデ・シュワブは述べています。「彼らの活動は、政府や民間セクターでは有意義な成果を上げることができない分野で行われることが多く、高い創造性と実践性が求められます。」
2018年社会起業家賞の受賞者は以下のとおりです:

ウルヴァシ・サーニ、スタディ・ホール教育財団(インド):同団体は、少女、障がいのある子ども、地方の若者、正規の学校教育の枠外にある子どもを対象とした9種類の学校およびプログラムのネットワークを運営しています。これまでに同財団は900校以上の公立学校と協力し、5,000人の公立学校教員を養成してきました。推定50万人の子どもたちに届いています。

ファトゥマ・アブドゥルカディル・アダン、アフリカの角開発イニシアチブ(HODI)(ケニア):HODIは、極度の貧困と干ばつが起きやすいアフリカの角地域において、アドボカシー、教育、紛争解決、質の高い生計の促進を通じて、平和で強靭なコミュニティづくりに取り組んでいます。同団体の4つの主要プログラムは300の村に及び、若者10,000人、61,500人の少女を含む13の学校、14,700世帯に届いています。HODIの「沈黙を破る」プログラムは、学校を拠点とした仲間同士のネットワークを構築することで、思春期の少女たちが互いに支え合えるようにし、性暴力の被害者に多く見られる、沈黙の中での恥辱と苦しみを終わらせることを目指しています。
ヴァルデシ・フェレイラ、ブラジル受刑者支援兄弟団(FBAC)ブラジル/ラテンアメリカ:FBACは、地域社会への参加、労働、功績、家族を含へ12の原則に基づく受刑者更生の手法を開発しました。FBACはブラジルの5つの州で活動しており、その手法の導入を23か国で支援してきました。FBACが運営する施設で刑期を務めたブラジルの受刑者の再犯率は30%であり、全国平均の85%と比べて低くなっています。

バス・ファン・アベル、フェアフォン(オランダ):フェアフォンは、社会的・環境的価値を最優先にしたスマートフォンづくりにより、電子機器業界に変革をもたらしています。廃棄物を抑えるため、長寿命のモジュール式設計を導入し、紛争のない原材料を調達し、労働者に良好な労働条件を提供しています。また、循環型経済の実現に近づくため、リサイクルの取り組みも支援しています。これまでにフェアフォンは16万台のスマートフォンを販売しています。
ブルクタウィット・ティガブ、ウィズ・キッズワークショップ(エチオピア):ウィズ・キッズは、テレビ、ラジオ、印刷媒体の影響力を活用し、7つの現地語で教育メッセージを発信しています。幼児教育、健康的な行動、識字、ジェンダー平等に重点を置いています。同団体の主力である国際的に受賞歴のあるプログラム「Tsehai Loves Learning」は、毎週最大500万人のテレビ視聴者と、推定1,000万人のラジオリスナーに届いています。
サーシャ・シャノフとエイミー・スローター、レフュジーポイント(アフリカ/中東):同団体は、自立支援プログラムを通じて、逃れた先の国への統合を促進することで、世界で最も危険にさらされている難民に恒久的な解決策をもたらしています。アフリカ、東南アジア、中東において国連難民高等弁務官事務所と提携し、レフュジーポイントは5万4,000人以上の難民が再定住にアクセスできるよう直接支援してきました。また、さらに数千人がアクセスできるような条件を整えてきました。

マイク・クイン、ゾーナ(ザンビア/マラウイ):ゾーナは、利用しやすい金融サービスを提供する技術プラットフォームとフランチャイズのネットワークを構築しました。2009年の立ち上げ以来、同団体は3か国で、200万人のアクティブな顧客と3,000の代理店を抱えるまでに成長し、総額20億ドルの取引を処理し、25氏ドル以上の投資を調達してきました。
ザック・ローゼンバーグ、SBP(米国):同団体は、災害の発生前後に、市民や地域社会が必要な情報と支援を確実に受けられるようにすることで、災害から復興までの時間を短縮しています。住宅は平均61日で再建され、市場価格の業者の費用の40%で済みます。これまでに1,420軒の住宅を再建しました。さらに、再建モデルをオープンソース化し、NGOに研修を提供して、広範な採用を促しています。

トゥリン・アキン、タビット(トルコ):タビットは、基本的な携帯電話であれば無料で利用でき、誰でもアクセスできるSMSベースのシステムを開拓し、小規模農家が天気予報、市場価格、融資オプションなど、重要な農業情報を受け取る方法に革命をもたらしています。2017年には、トルコの300万人の地方農家のうち50%がタビットのモバイルサービスを利用しました。
デビッド・ヤン、グリーン・マンデー(香港):グリーン・マンデーは、気候変動、世界的な食料安全保障の欠如、公衆衛生の問題に取り組むことを目指しています。学校、ケータリング会社、レストランチェーンに対して週に1回ベジタリアンの食事を提供し、食習慣の変革を目指しています。週一回の植物性食事という理念は、香港で160万人以上の人々に実践されており、30か国以上に広がっています。
ムハンマド・アムジャド・サキブ、アクフワット(パキスタン/ウガンダ/ケニア):アクフワットは、貧困層に対して約6億ドルの融資を実行し、そのうち98%が小規模事業の立ち上げや拡大に使われています。イスラム金融と両立するように設計されたアクフワットは、現在、世界最大の無利子マイクロファイナンス・プログラムです。

