テクノロジー企業は良い方向に変わりつつある

People look at their smartphones at the Rockefeller center in New York City, U.S., May 8, 2019. REUTERS/Eduardo Munoz - RC1EED1117E0
Growing use of mobile devices means people entrust companies with huge amounts of personal data.Image: REUTERS/Eduardo Munoz
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長い間、社会的インパクトは付加的なもの、あればよいものにすぎませんでした。1990年代や2000年代には、企業が企業の社会的責任(CSR)プログラムを持ち、通常は地元の地域社会で何らかの善い行いをしていれば十分だと考えられていました。

今ではそれは当てはまりません。求められる水準は格段に高くなり、顧客は自分の生活に関わる企業が自らの価値観と一致していることを望んでいます。今日の世界は大きく変わりました。顧客は、従業員、取引先、投資家とともに、企業に対してはるかに高い期待を寄せています。

今年のMobile World Congressのソーシャルイノベーションに関するパネルは、衝撃的なデータで幕を開けました。ヨーロッパ人のほぼ4人に3人が、EUはテクノロジー企業をより積極的に規制すべきだと考えているというのです。

何が変わったのでしょうか。その答えは私たちの身の回りにあり、ポケットの中にもあります。モバイルファーストのデジタル時代において、人々は膨大な量の個人データを企業に委ねています。そのデータは人々を助け、力づけるために使うこともできますが、人々に害を与えるために使われることもあります。

どのような企業にとっても、社会的な善を推進するための第一歩は、顧客に対して正しく向き合うことです。そして「正しく向き合う」とは何かを知るためには、まず対象とする顧客を理解しなければなりません。最も重要なのは、すべての事業プロセスの中心に顧客を据えることです。

最近実施された350社のフィンテック企業を対象とした調査では、80社以上の企業が、設立時点から、収益モデルを消費者の健全な財務状況という成果と一致させるための戦略的な意思決定を行っていることが分かりました。これらの企業は、手数料が公正であるよう、自社の提供価値を消費者にとってより明確にする方向に進んでいます。また、広告収入に依存するモデルから、消費者の利益を真に目指して、より慎重に選定したパートナーによる「アドバイス」へと移行しています。

Image: Omidyar Network and Oliver Wyman

社会的なインパクトを生み出し、価値観を同じくする顧客を引きつけるために、中核事業の枠を大きく超えて考える必要はありません。例えば、Tom’sは、消費者が1足購入するごとに1足の靴を寄付する靴メーカーです。Patagoniaは、持続可能性への取り組みと自然保護の提唱を前面に打ち出すアウトドア企業です。金融サービスの分野では、Aspirationは、持続可能な投資に関心を持つ顧客を引きつけ、「公正と思う額を支払う」口座を提供しています。

テクノロジー企業にとって、それは技術を目的意識を持って活用することを意味します。シリコンバレーは「速く動き、物を壊せ」という理念で特徴づけられてきましたが、その考え方は徐々に「目的意識を持って動き、物事を正す」へと移行しつつあると私たちは見ています。その考え方とは、起業家はまず現実の課題の解決を目指し、最初の段階から消費者保護の機能を組み込まなければならない、というものです。

Pulaは、例えば、アフリカの小規模農家向けに、完全デジタルの農作物保険を提供している企業です。リアルタイムの衛星画像を利用して植え付けの季節の降雨量を測定し、天候不良の場合は迅速にデジタル送金を行うため、農家は同じ季節のうちに苗を植え直すことができます。Scripboxは、インドで初めて投資を行う人向けのデジタル証券仲介業者です。手数料が非常に低いため、貯蓄者は10ドル未満の最低残高で口座を開設することができます。

アメリカ合衆国では、Propelが、FreshEBTアプリを通じて、フードスタンプの受給者が残高を確認し、割引特典を受け取り、給付金をいつでもどこからでもより効果的に管理できるよう支援しています。この製品は、顧客にとっての現実的な悩み、つまり、食料品の代金を払えるだけの金額が残っているか分からないままスーパーのレジに並ぶという問題を解決することを中心に設計されています。顧客の状況を改善することへのこの徹底したこだわりにより、毎月150万人以上のユーザーがこのアプリを利用しています。

投資家は、事業に目的と価値を組み込んできた起業家を支援することへの関心を、ますます高めています。その理由は、最初から消費者を最優先にすれば、事業は軌道を外れることなく成功するというものです。事業がすでに誤った方向に高速で進んでいる後になって、顧客にとっての善を取り入れようとすると、進路を修正することは極めて困難になります。

しかし、人々の生活における現実の課題を解決し、テクノロジーで素晴らしいことを成し遂げるなら、残りのことは自然とついてくるはずです。それこそが未来の企業なのです。

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