ナポリ近郊でマフィアから差し押さえられた邸宅が、母国で差別を逃れてきたイタリア人LGBTの人々や移民のための避難施設となる。イタリア南部の保守的な地域で受容を広げることを目指すと、地元当局者が水曜日に述べた。
ナポリ北方の沿岸の町カステル・ヴォルトゥルノの市長によると、同性愛者の権利擁護団体が、地元マフィアのボスがかつて所有していた3階建ての建物を、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー(LGBT)の人々のための施設にする許可を得た。
「受け入れるというメッセージを発信したい」と、ディミトリ・ルッソ市長はトムソン・ロイター財団に電話で語った。
避難施設を運営する団体、レイン・アルチゲイ・カゼルタによると、イタリアでマフィアから差し押さえられた資産がLGBT団体に割り当てられるのは初めてだ。
活動家によると、イタリアでは同性愛嫌悪や偏見が広く見られる。また、2014年以降に北アフリカから同国沿岸に到着した移民が60万人を超え、移民の流入に対する警戒感も高まっている。
先週発足した新連立政権は移民取り締まりの強化を公約し、内相は、イタリアはもはや「欧州の難民キャンプ」ではないと述べた。
新内閣は、強硬な保守派カトリック教徒である新任の家族担当相が反同性愛的な発言をしたとして、LGBT団体からも批判を受けている。
レイン・アルチゲイ・カゼルタの代表ベルナルド・ディアナ氏によると、LGBTの庇護希望者は二重の偏見に直面しており、多くの人が、ほかの移民仲間からも拒絶されることを恐れて性的指向を隠している。
「彼らは自分のセクシュアリティを自由に生きられない」と同氏は述べた。
イタリアは2016年に同性カップルを法的に認めたが、同性愛者の権利に関しては西欧で依然として評価の低い国の一つで、権利擁護団体ILGAによる2018年の調査では100点満点中わずか27点だった。
トランスジェンダーの人々は特に差別を受け、家族から縁を切られることも多い。とりわけ南部ではその傾向が強いと、ディアナ氏は述べた。
同氏は、カステル・ヴォルトゥルノで家族に拒絶されたイタリア人LGBTの人々とともに、トランスジェンダーの人々の一部を受け入れる計画だ。市長によると、この町では住民の約2人に1人が移民だ。
この邸宅は湖の近くにある複数の住宅の一つで、警察が1990年代後半にナポリのマフィアのボス、フランチェスコ・レアから差し押さえて以来、ほぼ放置されているとルッソ市長は述べた。
レイン・アルチゲイ・カゼルタは改修資金を集めるクラウドファンディングを開始した。8人分の居住スペースに加え、就職相談センターと文化活動のためのスペースを設けたいと、ディアナ氏は述べた。
同氏によると、現在、最寄りのLGBT避難施設は約200 km(125マイル)離れたローマにある。


