衛星画像は開発プロジェクトにどう役立つか

衛星画像は開発プロジェクトにどう役立つか
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発展途上地域の村や農村部に援助を届けることを目指すプロジェクトは、パイロット事業や、電力を利用できない地域向けの太陽光発電など新しいシステムの導入に最適な場所を見つけるという、最も基本的な段階でさえ、時間のかかる課題に直面することが多い。村の規模や位置さえ正確に地図化されていないことが多く、適切な場所を特定するには時間のかかる現地調査が必要となる。

現在、MITの大学院生チームと、データサイエンティストによる社会奉仕団体が、評価プロセスの一部を自動化する方法を考案した。入手しやすい衛星画像から住宅や住宅の種類まで識別できるソフトウェアを開発することで、村から村へチームを派遣するために費やされていた相当な時間を節約できる可能性がある。研究成果はこのほど、学術誌 Big Dataに掲載された。

学際的なチームは、MITのシドニー・パシフィック大学院寮での話し合いを通じて結成されたと、メンバーのブライアン・スパトッコは説明する。「この問題について話し始め、私たち全員が関連するスキルを持っていると気づきました」。チームの提案は昨年、MIT IDEAS Global Challengeから1万ドルの賞金を獲得し、プロジェクトの始動を後押しした。また、チームメンバーが昨夏、インドの農村地域を訪れ、画像処理システムを現地の状況に照らして検証することも可能にした。

このグループは、ニューヨークを拠点とするDataKind DataCorpsのMIT卒業生と、同団体の別の研究者も加わって拡大し、当初はインドとアフリカの2つのプロジェクトに焦点を当てた。ただし、開発したソフトウェアによる解決策は、ほかの多くの種類のプロジェクトや地域にも適用できると強調している。

援助対象の村を選ぶ

最初のプロジェクトは、サハラ以南のアフリカで、低所得の農村地域の人々が機材や家畜など、自分たちのニーズに最も合うと考えるものを購入できるようにし、生活水準の向上を支援する、使途を限定しない現金給付プログラムの対象村を選ぶことだった。助成機関が採用した方法は、貧困度の最も高い村を対象とするもので、より高価な金属屋根の家に対する茅葺き屋根の家の割合を数えて選定していた。この作業は現地の調査員が行っていた。

2つ目のプロジェクトは、太陽光パネルと蓄電池システムから電力を供給するマイクログリッドを設置するため、インドの農村地域の村を選び、さらにパネルの最適な設置場所と、電力を配る最も効率的なネットワーク構成を割り出すことだった。

どちらのケースでも、最初の重要な段階は、衛星画像の中で建物がどこにあるかを見つける作業の自動化だ。この研究では、チームは2種類の衛星画像を用いた。画像に赤、緑、青に対応する3つの色の「チャンネル」を持つGoogle Earthと、植生やその他の特徴の検出に役立つ追加情報を提供する近赤外線チャンネルも含む商用衛星画像である。

建物の識別

このプロセスでは、まず人が衛星画像を目視し、住宅を選び出す。人手で選んだ例を機械学習システムの学習データとして入力し、何が住宅で何が住宅でないかを判断する基準を一般化させる。するとシステムは「新しい画像で住宅の位置を予測しようとすることができます」と、論文の共著者ジョージ・チェンは述べる。課題の一つは、ある建物が近接した2軒の住宅なのか、同じ建物の2つの部分なのか、必ずしも明確ではないことだと同氏は説明する。また、「住宅の色が地面の色と似ている」場合もあるが、それはあまり多くないという。

しかし、システムで処理する例が増えるにつれ、「時間の経過とともに、コンピューターは人が選んだデータセットから学習」し、住宅の位置を特定する精度が高まるとスパトッコは語る。現在、ケニアとウガンダの村で無条件の現金給付を実施しているアフリカの援助プロジェクトでは、さらに、茅葺き屋根よりも反射率がはるかに高い金属屋根の住宅を識別する工程を加える。

インドでマイクログリッドを設置するプロジェクトでは、住宅の位置を特定した後、コンピューターが太陽光パネル、蓄電池、配電線の設置場所について何千通りもの異なるパターンを実行する。これにより、必要な配線を最小限に抑えながら、最も多くの住宅に電力を供給できる構成をチームが選び、コストを抑えられる。また、村が太陽光パネルを特定の場所に設置することを望んでいる場合など、地域固有の条件に基づいて構成を選ぶこともできる。

チームによると、開発した汎用アルゴリズムは、当初検証した2つのプロジェクト以外にも、さまざまな用途に活用できる。たとえばインドでは、どの地域で人口が増減したのか、またその変化がどの程度かを示す人口動態のデータがほとんどない。住宅の位置とその経時的な変化を自動追跡すれば、人口移動を分析する「非常に強力なツールになり得ます」とスパトッコは述べる。「人口動態のこうした動きに関する深い問いに答えられるでしょう」と同氏は付け加える。

プロジェクトの継続に伴い、次の試験段階ではインドの村を4つ選ぶ。2村では従来の方法で太陽光マイクログリッドを設置し、残る2村ではソフトウェアが選んだ配置パターンを用いて設置する。可能な限り条件が近い村を選び、実際の費用とシステムの性能を経時的に比較し、新しいアプローチからどれほどの利益が得られるかを正確に判断する。

「公的機関がいずれ、発展途上国の農村世帯1億世帯を地図化することの意義を理解するよう期待しています」と、国連財団の地図作成グループの議長で、開発団体向けに衛星画像を使った地図作成サービスを提供する企業DevelopmentMaps.orgの代表、スチュワート・クレインは語る。同氏は本プロジェクトには関与していない。「予備的な地図作成によって、世帯を地図化するための高額な現地作業に時間を浪費せず、村での話し合いや、デスクトップ上で作成した初期設計の微調整にもっと時間をかけられます」と説明する。全体として、この論文はこの分野への「優れた貢献」だと同氏は述べる。

チームには、MIT大学院生のケンダル・ノウォシン、ヴィヴェク・サクラニ、リン・シューのほか、クシュ・ヴァーシュニー(SM ’06、PhD ’10)とブライアン・アベルソンも参加した。後者2人はいずれもDataKind DataCorpsの所属である。チームは、インドでマイクログリッドの設置を進めるバンガロール拠点の非営利団体SELCO Foundation、およびアフリカの現金給付プログラムを担うGiveDirectlyと連携した。この研究は、MIT Energy Initiativeの一部であるMITのTata Center for Technology and Designから指導と支援を受けた。

この記事は、 MIT Newsとの共同で掲載されています。掲載は、世界経済フォーラムが見解を支持することを意味するものではありません。

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著者:デビッド・L・チャンドラーはMIT Newsの寄稿ライター。

画像:南スーダン、ユニティ州、レールにある敷地内の家屋の空撮。ロイター/アンドレア・カンペアヌ

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