富裕層がさらに豊かになるなか、世界は「慈善活動の時代」に入り、世界約26万の財団で最も人気のある支援分野は教育だと、研究者らは4月26日に発表しました。
根強い不平等が続くなか、社会投資を目的に財団を設立する富裕層の個人や家族、企業が増えていると、研究の著者であるハーバード大学ハウザー市民社会研究所のポーラ・ジョンソン氏は述べました。
「世界中で富が急速に増加したため、慈善活動に充てる資金を生み出せる個人や家族が増えました」と、同氏はトムソン・ロイター財団に語りました。
世界人口の最富裕層1%は、世界の富の半分を保有しています。2008年の43%から増加した背景には、株式や債券など金融資産の価値上昇もあります。
米国の多くの超富裕層は、独自の事業を運営したり助成金を提供したりする財団を設立しています。マイクロソフトのビル・ゲイツ氏、複合企業バークシャー・ハサウェイを率いるウォーレン・バフェット氏、実業家のコーク兄弟などがその例です。
世界には1500万人を超える百万長者と約2000人の億万長者がいる一方、人口の10%は1日1.90ドル未満で暮らしていると、報告書は述べています。同報告書はスイスの銀行UBSが資金を提供しました。
世界各地の財団の資産総額は1兆5000億ドルに上り、米連邦政府の2018年度予算をわずかに上回ると、アジア、ラテンアメリカ、アフリカを含む世界39カ国を評価した報告書は明らかにしました。
この分野は、歴史が浅く近年急成長している点が特徴です。設立年を回答した8万の財団のほぼ4分の3は、過去25年間に設立されたと報告書は述べています。
「私たちはまさに『世界的な慈善活動の時代』を生きています」と報告書は述べています。
「この傾向が続けば、慈善活動は社会や経済にますます大きな影響を及ぼすことになるでしょう。」
多くの富裕層を動かしたのは、道徳的な義務感とともに、「不平等が深刻になりすぎれば、平和や安定、そしてそうした富を生み出した自由企業体制が脅かされるかもしれない」という懸念だったと、報告書は述べています。
世界的に資金提供の主な対象は教育で、社会福祉、保健、芸術・文化、貧困削減が続きました。
「教育は、個人の機会を広げ、人々を貧困から抜け出させる手段であると同時に、国の成長を促す原動力とも考えられています」とジョンソン氏は述べました。
研究者らは、多くの国からデータを得られませんでした。調査対象となった財団の約95%は欧州と米国にあり、これらの地域では政府が税制優遇措置を使って慈善活動を促しています。

