中所得国は第4次産業革命をどう活用できるか

Hands are silhouetted against a backdrop projected with the picture of various currencies of money in this illustration taken April 4, 2016.
The fourth industrial revolution raises barriers to entering a market. How can countries like Poland overcome these?Image: REUTERS/Kacper Pempel
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ここ数十年に見られた急速なデジタル化と自動化は、生産性の向上に大きく寄与してきました。しかし、これらの要因は異なる産業間で生産性のばらつきを拡大させ、収益性の格差や賃金の不平等を招いてもいます。こうした一連の事態は、産業間よりも同一産業内で事業を展開する企業の間で起きやすい傾向があります。プラットフォーム型のビジネスモデルを採用し、製品を個別にカスタマイズする能力を高めている一握りの巨大多国籍企業が、世界市場を支配しつつあります。現在、売上高が10億ドルを超える工業企業が、産業全体の世界所得の半分以上を稼いでいます。

長期的には、この傾向によって二重経済モデルが定着する可能性があります。そこでは、高い技能を持ち高収入を得る従業員を抱えるハイテク企業と、旧式の技術を使い、低品質の雇用を生み出す低生産性企業が並存します。これは、100年以上前に見られた経済の姿への回帰を意味するかもしれません。米国経済史では、こうした時代は「金ぴか時代」と呼ばれました。このような経済状況は深刻な社会問題につながり、一部の集団による過激な政治的選択にも表れています。

格差は先進国だけでなく、先進国と発展途上国の間でも国際的に拡大しています。中所得国の罠を避けようとする追い上げ国にとって、これは大きな開発課題となり、収れんの過程を大幅に遅らせる可能性があります。第4次産業革命は市場参入の障壁を高めています。大きな競争優位性を得るには、データへのアクセス、多額の費用を伴う統合型デジタルソリューションへの投資、そして高度で希少な技能が必要だからです。

こうした変化に直面する中、低い労働コストを主な基盤とし、大規模な対内固定資産投資に大きく依存してきた中所得国の既存の競争優位性は、重要性を失いつつあります。同時に、新技術への投資には多大な資金負担が必要であり、とりわけ資本が乏しい国の企業にとっては大きな課題です。また、複雑で革新的なエコシステムの構築も求められ、それに伴い人材と質の高い制度をめぐる競争が生じます。生産手段を容易に置き換えられる従属的な経済開発モデルからの転換には、新たな開発戦略の採用が必要です。そのうえで、グローバル・バリューチェーンにおける高度化は、資金、人材、社会関係資本、そして効率的な制度環境へのアクセスに必然的に左右されます。

中所得国と一般に見なされながら、より高い経済水準の仲間入りを目前にしているポーランドの状況は、上述のパターンにまさに当てはまります。経済移行期にポーランドが採用した自由主義モデルは、第4次産業革命がもたらす新たな経済環境に、もはや対応できません。国際競争に立ち向かうには、知識と人的資本への投資規模を大幅に拡大する必要があります。そのためには、成長を促す有望な分野を特定し、公共部門と民間部門の双方の取り組みをそこに集中させることが求められます。したがって、イノベーションの取り組みを支援し、負担したリスクに応じて利益を社会に還元する、新たな責任ある開発モデルの導入が不可欠です。この新たな状況下で公的機関が受け身の姿勢を取れば、ポーランド経済は長期にわたる開発の停滞に陥りかねません。

国ごとの生産性格差の拡大は、追い上げ国だけの問題ではないことにも留意すべきです。世界水準の企業の台頭は、最も効率的な国を含むあらゆる経済に課題を突きつけます。適切な規制がないままグローバル化とデジタル化が進めば、生産性格差の拡大が保護主義的な動きを引き起こし、逆説的に国際貿易を抑制するおそれがあります。こうした分断は、最も発展した経済にも悪影響を及ぼすでしょう。

デジタル化と生産自動化の恩恵は、付加価値の創出を前例のない規模で拡大させる可能性がありますが、その恩恵がすべての人の繁栄の向上につながるとは限りません。だからこそ、新たな経済環境に合わせて経済政策の手段を調整することが極めて重要です。真に持続可能な開発を実現できるのは、国家が積極的に関与する場合に限られます。

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