「メイカースペース」がコミュニティのレジリエンスを高める。支援に動くべき時だ

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  • 「メイカースペース」は、イノベーションと生産の民主化を目指している。

  • それらは、さまざまなツールへのアクセスを提供する協働型の作業空間である。

  • 地球規模の課題への対処において、メイカースペースの関与は増えている。

メイカースペースは、「メイカー運動」のビジョンの中核にある。この運動は10年前に登場した際、「第4次産業革命」の一部として称賛された。メイカー運動は、人々が新しい技術を活用してアイデアを共有し、自分たちの製品を地域で開発・生産することを奨励することで、イノベーションと生産の民主化を目指している。

メイカースペースは多くの場合、地域社会を基盤としているが、大学や企業が運営することもある。その呼び名はさまざまで、「ファブラボ」、ハッカースペース、テックショップなどがある。いずれも、3Dプリンター、レーザーカッター、フライス盤、木工・金属加工機械、ミシン、電子工作台など、さまざまなツールへのアクセスを提供している。メイカースペースはそれぞれ異なるものの、オープン性と協働という共通の理念を持ち、オンライン上で幅広いメイカーのコミュニティとつながっている。そのため、専門家でない人も共有された設計ファイルを使って遠隔から協働することができる。

最初期のメイカースペースの多くは米国と欧州に設置されたが、現在では低所得国や中所得国を含め、世界中に広がっている。ファブラボのネットワークによれば、世界には2,000以上ある。その数は毎年増え続けている。研究によれば、メイカースペースは学習者の創造性と自信を育み、疎外されたグループの包摂と幸福の向上に役立つことが示されている。

近年、メイカースペースは、差し迫った地球規模の課題の数々への対処にも関わるようになっている。ネパールのコミュニテリテは、カトマンズにあるメイカースペースで、2015年の地震の後に、必需品の製造と修理を支援するために設立された。グリアは、2016年以降、ガザ各地の拠点で、命を救う止血帯を3Dプリントしてきた。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックの間、メイカースペースは柔軟な製造拠点として機能した。個人防護具(PPE)、診断機器、臨床ケア機器など、命を救う機器を生産した。推定によれば、世界中のメイカーにより、4,830万点の個人防護具が生産され、その純価値は2億7,100万ドルに上る。

COVID-19危機の間に、地域のメイカーによって4,830万点の個人防護具が生産されたと推定されているImage: Field Ready

パンデミックの発生時、非政府組織のField Readyは、シリアの紛争地域やバングラデシュの難民キャンプから米国の脆弱な地域社会に至るまで、すでに厳しい環境で活動していた。同団体は素早く事業を転換し、スタッフがコロナウイルスの感染拡大を防ぐための各種製品(フェイスカバー、フェイスシールド、ハンズフリー式の水栓など)を開発した。これらの設計は公開で共有され、サイズの要件や社会的な好みなど、地域の需要に合わせて異なる場所で生産・調整できるようにされた。

イラクのモスル・スペース・メイカースペースは、マスクとフェイスシールドを製造し、病院に配布したImage: Field Ready

イラクでは、「モスル・スペース」と呼ばれるメイカースペースが、自宅で縫製されたマスクとフェイスシールドを生産し、病院に配布した。ネパールでは、Field Readyが他のイノベーションラボと協力して故障した人工呼吸器を修理するとともに、マスク、ハンズフリー式水栓、フェイスシールド、ガウンの生産を調整した。バングラデシュでは、Field Readyが地元の企業やメイカースペースと提携し、難民からの大きな需要に応えた。フィジーでは、同団体が保健医療省と協力して、フェイスシールド、プライバシースクリーン、手洗いステーションを生産した。

マラウイでは、トウェンティ・メイカースペースが、運営開始からわずか数週間で、公立病院、学校、地元企業に6,000個以上のフェイスシールドを配布した。エチオピアでは、BiTメイカースペースが地元の病院や検査センターに必需の個人防護具を配布し、ケンブリッジ大学と協力して低コストの酸素濃縮器の開発にも取り組んでいる。

これらの成果は、対応の大部分が市民による自発的な行動によって主導されたことを考えると、特に印象的である。これまでメイカースペースは、限られた資金で、適切な制度的支援を受けないまま運営されてきた。今こそ、正式に位置づけられ、支援を受け、資金提供されるべき時である。

世界経済フォーラムは第4次産業革命に関して何を行っているか?

フロンティア技術・イノベーションセンターは、科学者、政策立案者、ビジネス界のリーダーを結集し、新興技術とその現実世界への影響を理解する取り組みを行っている。

協働と実験を可能にすることで、同センターはパートナーが研究によるイノベーションを、世界共通の課題に対応する実用的な応用へと転換する支援を行っている。

同センターの取り組みを見る

重要な第一歩は、各国政府がメイカースペースを重要インフラとして正式に認めることである。その理由は主に次の通りである。

  • 危機時のアクセス。一部の地域では、移動制限によってパンデミックの間、地域社会がメイカースペースを利用することに苦労した。重要インフラとしての地位があれば、将来の危機においてもこうした事態を防ぐことができる。

  • 資金調達と投資。パンデミックの間に見られたボランティア活動は当然のものとして期待できない。多くのメイカースペースは、すでに1年以上閉鎖されてきたため、今後も厳しい時期に直面している。このインフラの整備を支援するために、公的資金が緊急に必要とされている。

  • 需要と供給の調整の改善。多くのメイカースペースは、少量の注文を行いたいものの十分なサービスを受けられていなかった地域社会への供給を支援した。 より広範な製造業界とのつながりを改善することは、適切な製品が必要としている人々に確実に届くようにすることにつながる。

  • 供給品への公平なアクセス。重要インフラとしての地位は、必需品の生産に必要な資材への優先的なアクセスを確保することに役立つ。

  • 規制面の支援と承認の合理化。高品質な必需品の開発を加速するためには、メイカースペースが規制当局に認識され、支援される必要がある。

各国の政策立案者と政府に対し、メイカーのコミュニティと連携して、メイカースペースを積極的に支援し、そのネットワークを強化する政策を策定するよう強く求める。

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