2016年は、おそらく忘れられない年となるでしょう。ポピュリズムの台頭、投票での二つの衝撃的な勝利をきっかけとする経済・政治の不確実性、そして第4次産業革命を現実のものにしつつある技術の着実な進歩――こうして、2017年は興味深い年になる舞台が整いました。
新しい年の始まりは、立ち止まって考え直し、見方を改める機会です。恐れや雑音を乗り越え、目の前にある現実をじっくりと見つめ、そこからどのような未来を築けるのかを見いだしましょう。
フェイクニュースの波の中で信頼を守る
フェイクニュースの台頭は、深刻な難題を突きつけています。ニュースを読む際、もはや懸念すべきなのは、イデオロギー的な偏りや都合のよい引用の切り取りだけではありません。今では、正規の報道機関を装ったウェブサイトが、広告収入を得るため、また多くの場合は公人の評判を傷つけるために、虚偽の記事を掲載しています。偽のメディアにだまされること自体は新しい話ではありませんが、最近のその形態も、読む内容や利用するプラットフォームへの信頼を損なう点では同じです。
あらゆることと同様、変化をもたらす力を持つ人々には責任があります。偽のコンテンツを掲載するソーシャルメディア・プラットフォームには、その影響を抑える対策を講じる力と責任があります。メディアや広告に携わる私たちにも、偽ニュースサイトが広告を販売できないよう独自の措置を講じ、顧客、パートナー、そして社会全体からの信頼を保つ責任があります。
私たちは皆、透明性、説明責任、業界基準を引き続き率先して推進する必要があります。それらは自らの価値を示すために必要であるだけでなく、そうすることが正しいからです。信頼が深刻に損なわれたとき、その唯一の解毒剤となるのは、開かれた、誠実で責任あるリーダーシップです。
レジリエンス
2016年を経て、私たちは未知の領域へまっすぐ進んでいます。2017年には、予想外で先行きの読めない米国大統領が誕生し、保護主義、ポピュリズム、ナショナリズムが高まる見通しです。世界の相互連結は一層深まり、第4次産業革命は私たちの暮らし方や働き方を変え続けるでしょう。
今年の終わりにどこへたどり着くとしても、こうした課題に取り組むにあたり、レジリエンスを保つ必要があります。恐れによって判断を曇らせてはならず、複雑な問題に圧倒されてもなりません。私たちが築きつつある新しい世界で、誰が栄え、誰が衰退するかは、私たちの強さ、決意、そして将来への見通しによって決まります。
協働、共感、そしてつながるリーダーシップ
ダボスでは、政界、ビジネス界、非営利団体などのリーダーたちが一堂に会し、私たち全員が直面する最大の地球規模の課題への取り組み方について知見を共有します。相互につながる世界には、相互につながるリーダーシップが必要です。ダボスのような会合は、人々を結びつけるうえで確かに役立ちます。
しかし、つながるリーダーシップはそれだけにとどまりません。競争相手と見なすかもしれない人々とも、協働に前向きであることです。自分についてくる人々の恐れ(そして喜び)を尊重し、受け止める共感力を持つことです。そして、人々と個人的なレベルでつながることです。そのためには、「優れたリーダーシップ」にありがちな大言壮語や虚勢を手放すことも、ときには必要です。
平等の実現に向け、言葉を行動に移す
世界の男女賃金格差は、2008年以降で最も拡大しています。世界経済フォーラムの「ジェンダー・ギャップ報告書」は、格差が解消する時期の予測をさらに53年先送りしました。今やその年は、恐ろしいほど遠い2186年です。
ジェンダー平等の基本原則の一つを実現するために、これほど長く待つ必要はありません。待つ必要はないのです。
リーダーとして、平等について「言行一致」を実践することは私たちの責任です。公共生活のあらゆる分野で、言葉を行動に、アイデアを現実に変え始める必要があります。
要職に就く女性たちは、他の女性がキャリアの階段を上るのを後押しするうえで重要な役割を担います。姿を見せ、メンタリングに参加し、優れたリーダーに求められる資質を体現することが、公平な競争の場をつくるうえで欠かせません。


