リーダーシップ:信頼は最初から高めるのではなく、育んでいくべき理由

shown here are 2 people in a business environment. Against traditional findings, it's been found that it's more sustainable for leaders to gradually grow trust from their employees over time
“Our findings depart from conventional wisdom, which seeks to maximize the level of trust in the leader from day one,” - Kurt Dirks.Image: UNSPLASH/DocuSign
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  • 士官候補生を対象とした新たな研究によると、新任リーダーは最初から多くの信頼を得ようとするより、時間をかけて信頼を育むほうがよいことが示された。

  • この知見は、従来の通説とは異なる。

  • 以下では、リーダーが時間をかけて持続的に信頼を築く方法を探る。

士官候補生を対象とした新たな研究によると、新任リーダーは最初から多くの信頼を得ようとするより、時間をかけて信頼を築くほうがよいかもしれない。

リーダーへの信頼が個人やチームの高いパフォーマンスと結び付いていることは、多くの研究で示されてきた。しかし研究者によると、それが長期的な成功にとって最善の戦略とは限らない。

その理由は、信頼は本質的に変化するものであり、リーダーがチームに加わって間もない時期、より厳しい目で見られる中では、特に変わりやすいためだ。

研究者らは、新任リーダーに対する従業員の当初の期待が、その後の信頼の変化を示す指標になることを発見した。部下の当初の期待が高いほど、信頼が低下する可能性も高まった。

一方、当初の信頼が低い、あるいは中程度だったリーダーは、特定の行動を取る場合に、とりわけ時間の経過とともに信頼が大きく高まる傾向にあった。これは重要な点だ。信頼を高めたリーダーは、その結果、上司から一貫してより有能だと評価された。

「私たちの知見は、初日からリーダーへの信頼を最大化しようとする従来の通説とは異なります」と、セントルイス・ワシントン大学オーリン・ビジネススクールの国際担当副学長で、リーダーシップ教授のカート・ダークス氏は述べる。

「従業員からリーダーへの信頼が高いことは有効性と関連していますが、最初は中程度の信頼から始め、最初の数か月で高い水準へと高めるほうが、さらに効果的だと分かりました。このアプローチにより、リーダーは持続可能な信頼の土台を築き、前向きな勢いを生み出すことができます。」

リーダーが信頼を築く方法

これまでの研究は、特定の時点におけるチームのパフォーマンスとリーダーへの信頼の関係を調べてきた。ダークス氏の研究は、関係が始まった時点から、時間の経過に伴う信頼の変化がリーダーとチームのパフォーマンスにどう影響するかを示した初めての研究だ。研究結果はJournal of Business Ethicsに掲載された。

この研究はまた、信頼の形成を加速するうえで特に効果的な一連の行動を明らかにしている。倫理を基盤とするリーダーシップのスタイルである「変革型リーダーシップ」と呼ばれる行動を取ったリーダーは、信頼の形成がより速く進んだ。このアプローチの要となったのは、価値観を重視すること、そして一人ひとりとの関係を築くために時間をかけることだった。

研究は米国陸軍士官学校で行われた。ダークス氏らは、卒業後に大学の学位と米陸軍の将校任命を同時に得るため同校に通う士官候補生を対象に調査した。

信頼がどのように形成され、時間とともに変化したかを評価するため、研究者らは130の分隊に所属する500人超から、プログラム開始後の第1週を起点に、およそ5週間ごとに計4回データを収集した。分隊員は直属のリーダーへの信頼度を報告した。さらに、部隊リーダーの一つ上の階層にいる指導者が、部隊の有効性について回答した。

新任リーダーがチームに加わる前から、企業はその人物の経歴や高い目標を宣伝し、期待を高めることが多い。従業員も、社会的つながりや状況的背景、年齢、人種、性別、ボディーランゲージ、存在感といった個人的特徴を手掛かりに、新任リーダーを評価するとダークス氏は述べる。

「すぐに高い信頼を築けるリーダーもいます。一方で、特にマイノリティのリーダーは、信頼が低い状態から始まり、時間をかけて信頼を築く必要があるかもしれません」と同氏は述べる。

しかし、この研究は、従業員の信頼を最初から得ているのではなく、努力して獲得することに利点がある可能性を示している。

調査対象では、期待値が平均を1標準偏差上回ったリーダーは、時間の経過とともに部下からの信頼が低下した。一方、平均を1標準偏差下回ったリーダーは、信頼が高まった。

「私たちの分析によると、これは単なる平均への回帰現象ではなく、心理的要因に基づくものです」とダークス氏は述べる。

変革型リーダー

データからは、もう一つ一貫した傾向が浮かび上がった。研究終了時点で、変革型リーダーは従業員からより信頼されていた。ダークス氏によると、変革型リーダーとは、道徳的規範を体現し、倫理的な職場環境を育むリーダーを指す。また、従業員の成長を促し、協力と率直なコミュニケーションを重視すると同氏は述べる。

期待が低い状態で始まったリーダーは、高い水準の変革型リーダーシップを発揮すれば、当初の信頼不足をすばやく乗り越えられたとダークス氏は述べる。また、期待が高い状態で始まったリーダーも、高い水準の変革型リーダーシップを発揮すれば、部下からの高い信頼を維持できた。

これに対し、期待が高い状態で始まったリーダーが変革型リーダーシップをあまり発揮しなかった場合、部下からの信頼は急激に低下した。

「この研究は、リーダーが有能であることをどの程度示すかについて期待を管理し、その後、信頼を得るための特定の行動を取ることで、最も速く信頼を築ける可能性を示しています」とダークス氏は述べる。

この研究の共著者は、ウェイクフォレスト大学、オクラホマ州立大学、米国陸軍士官学校に所属している。

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