誰かに「つらいことがあっても前向きに考えよう」と励まされると、その人の目に比喩的なレモン汁を吹きかけたくなる。
おそらく、この言葉自体が曖昧で、上から目線に聞こえるからだろう。大人として働く職場でひどくストレスの多い一日を過ごした友人にかける言葉ではない。
だからこそ、この戦略をより洗練された、具体的な形で捉えたハーバード・ビジネス・レビューの記事をスリクマー・ラオが書いているのを見つけ、うれしくなった。
元ビジネススクール教授のラオによれば、挫折にうまく対処するには、2つの質問を考えることが鍵となる。以下に質問を言い換えて示す。
1. この挫折が、実は良い結果につながる可能性はあるだろうか?
2. その良い結果を実現するために、私は何ができるだろうか?
ラオは、つらい経験のたびにこのように分析すれば、より立ち直る力が身につくと示唆する。彼が「新たに経営幹部に欠かせないスキル」と呼ぶのが、このレジリエンスだ。それは、『Psychology Today』によれば、「人生に打ちのめされても、以前より強くなって立ち上がる」力である。
ラオが紹介する質問は、古代のスーフィーの寓話に基づいている。そこでは父と息子が、交互に不運と幸運を経験する。そのたびに男は、噂好きな隣人たちに「良いことか、悪いことか、それは誰にもわからない」と言う。
つまり、不確実さを受け入れ、一見ひどい出来事が結果的に良いことにつながった経験を思い出すのだ。私は大学時代を振り返った。出願した学校のほとんどに不合格となり、最後に選んだ学校に進学した。そこで最高の時間を過ごし、ほかの学校に行っていた自分は想像できない。
Spanxの創業者サラ・ブレイクリーのことも思い出した。彼女は『Business Insider』に語ったところによると、自分自身の失敗もSpanxの従業員の失敗も称賛しているという。失敗から学び、建設的な視点で向き合うことが大切なのだ。
ラオが説く戦略とまったく同じではないが、悪いことを良いこととして捉え直し、過去を書き換えることはできなくても、未来には大きな影響を与えられると知るという、根本的なテーマに通じている。


