企業の取締役会が気候変動対策の先駆けとなるには

Business leaders must act now to achieve maximum impact on climate change.
Business leaders must act now to achieve maximum impact on climate change.Image: Getty Images
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  • 企業の取締役会は、情報の氾濫を整理し、気候変動に関する戦略的方向性を示すことができる。

  • デロイトの最近の調査によると、気候変動に精通していると考える取締役会メンバーは半数にとどまる。

  • 世界経済フォーラムとの新たな協力により、企業の取締役会に必要なリソースを提供することを目指している。

取締役や会長は、変化し困難を伴う状況を乗り越えることに慣れている。世界的なパンデミックから地政学、人道危機から気候危機、テクノロジーの台頭から「大退職時代」に至るまで、長期的な戦略的方向性を定める取締役会の役割は、かつてないほど重要になっているのかもしれない。

気候変動対策においては、文字どおり海面が上昇しており、残された時間は少ない。最大の効果が得られる分野を特定し、効果的なガバナンスを適用することは、組織が必要な緊急性をもって対応し、これから訪れる世界システムの移行に伴う機会を捉えるために不可欠だ。ビジネスリーダーは、今すぐ行動するよう呼びかけ、組織をより持続可能な未来へと導かなければならない。

気候変動のように複雑なテーマでは、最大の効果を得るためにどこへ注力すべきか、またどのような行動が長期的な企業価値につながるかを見極めることが大きな課題となる。ビジネスの観点から、取締役会は特に有利な立場にあり、組織が情報の氾濫を整理し、変革の担い手となれる領域を理解するのを支援できる。効果的に取り組むには、取締役会は難しい問いを投げかけ、持続可能な投資に伴う気候関連のさまざまなリスクと機会を比較検討する準備が必要だ。

しかし、デロイトが最近実施した「監査委員会の最前線」調査では、調査対象となった取締役会の監査委員会メンバーのうち、気候変動に精通していると考える人は半数にわずかに届かず、回答者の半数は気候関連の規制上の責任を果たす十分な能力があるとは考えていないことが分かった。3分の2は、自社に明確な気候戦略がないと回答している。

昨年末に行われたインタビューやグループ討議でも、世界経済フォーラムの「会長コミュニティ」に参加する他の取締役会会長から、同様の懸念が示された。フォーラムの報告書「会長が語る気候変動対策への洞察」で取り上げられているように、多くの会長が、社外取締役の知識を高め、取締役会で気候と持続可能性に関する議論を活発化させる必要性を強く訴えた。

こうした背景から、デロイトは世界経済フォーラムおよび気候ガバナンス・イニシアチブとその世界各地の支部ネットワークと連携し、取締役会における気候変動対策を形作る一連のガイドを発行する。この取り組みは、ビジネスリーダーが持続可能な未来に向けて慎重に段階を踏んで行動するために必要なリソースを提供するものだ。

本日公開されるブリーフィングペーパーは、世界各地の取締役が気候に関する能力を高め、気候変動対策を推進するための継続的な知見発信シリーズの一環だ。会長と取締役会が、ステークホルダーの反応、リスク評価、代替的な脱炭素化の道筋について学び、理解を深めることを支援する。

  • 会長が語る気候変動対策への洞察:会長へのインタビューから得られた主な知見 は、気候変動対策をテーマに、世界経済フォーラムの「会長コミュニティ」メンバー16人に行ったインタビューから得られた主な知見をまとめている。気候に関連する戦略、リスクと機会、ステークホルダー、取締役会の能力、運営について、重要課題やベストプラクティスを検討する。また、インタビューで扱った複雑な問いの数々に対する見方を示し、世界各地の会長が自らと取締役会にこれらの問いを投げかけるよう促している。

  • 会長のための気候関連ステークホルダーガイド:主要なグループが現在どのように対応し、今後どのように対応する可能性があるかを理解する は、主要なステークホルダーグループが気候変動にどう対応しているか、また将来どのように対応する可能性があるかに焦点を当てる。会長は、ステークホルダーの気候への反応がもたらすさまざまな経済的リスクや存亡に関わるリスクを認識する必要がある。このガイドは、自社の事業に大きな影響を及ぼす反応が生じるシナリオを検討するためのツールを提供し、ステークホルダー同士が互いにどう影響するかをより深く理解する助けとなる。また、多様なステークホルダーネットワークがもたらす複雑さへの対処を支援し、取締役会が受け入れざるを得ない短期的なトレードオフを明らかにする。

  • 会長のための脱炭素化ガイド:脱炭素化へのロードマップを理解する は、強固な気候変動緩和戦略の策定における会長と取締役会の役割に焦点を当てる。本ペーパーは、企業が気候変動に取り組まなければならない理由について、会長が基礎知識を得られるようにするとともに、低炭素経済で繁栄するためのロードマップを示す。世界各地の事例研究をもとに、気候変動対策を講じないことの脅威と、気候への配慮を企業戦略に組み込むことで得られる機会を示している。

取締役の皆さまには、これらのリソースを各自のネットワークで共有し、地域の気候ガバナンス・イニシアチブの支部にもぜひ参加していただきたい。

今は決定的に重要な10年だ。気候変動への対策を成功させるには今行動するしかなく、私たち全員が参加し、行動を起こさなければならない。取締役会の気候に関する能力を高め、学びやベストプラクティスを共有するために定期的に集まることで、取締役会は、自らが支える企業の内外で意義ある気候変動対策を推し進める先駆けとなることができる。

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