CEOや各界のリーダーが卒業生に贈る助言と、若い頃の自分に伝えたいこと

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  • Meet The Leaderは、世界経済フォーラムが隔週で配信するポッドキャストです。世界を変える一流の人々を取り上げ、優れたリーダーに欠かせない習慣や資質を紹介します。

  • 「Meet The Leader」の過去のエピソードと世界経済フォーラム年次総会から抜粋した、新卒者やキャリアを始める人々への助言を紹介する特別総集編です。

卒業シーズンを迎え、新たなリーダーたちが新しいキャリアと人生へ踏み出そうとしています。胸が躍る一方で、不安も感じる時期です。「Meet The Leader」特別総集編では、番組が取材した一流リーダーや世界経済フォーラムのイベントで登壇したリーダーたちのエピソードを集め、彼らがどのように新たな道を切り開き、不確実性を乗り越え、自分ならではの方法で変化をもたらしてきたのかを紹介します。

プニット・レンジェンが新卒者に贈る助言Image: デロイト

Meet the Leader/リンダ・ラシーナ:プニット・レンジェンは、デロイトのグローバルCEOです。150か国以上に事務所を構えるプロフェッショナルサービスのネットワークです。しかし、幼少期の彼を将来のCEOだと見ていた人はいませんでした。周囲の見方を知っていたことは、かえって自分の道を進み、型にはめられないようにする助けになったといいます。詳しくはプニットに語ってもらいましょう。

卒業生への助言:自分を型にはめない

プニット・レンジェン:18歳のとき、友人全員を並べて、誰が人生で成功するか(ここでいう成功とは職業上の成功です)を尋ねたとしても、誰も私を指さなかったでしょう。これは本当です。18歳の私は、人々が指さして小声で「かわいそうなプニットはどうなるんだろう」「ご両親はどう思っているんだろう」と言われる側でした。どこかで、そこから抜け出さなければと思っていました。ロータリー財団の奨学金を得たことが、私の人生を大きく変えました。米国に来る機会を与えてくれたのです。オレゴン州には、下見もせずに来ました。海外に行ったことも、飛行機に乗ったこともありませんでした。それによって視野が広がりました。今振り返ると、人生はマラソンです。今日、職業上の成功で比べれば、あの18歳の友人たちの中で、私はかなりうまくやっていると思います。

Meet the Leader/リンダ・ラシーナ:医学部進学課程が自分に合わないと気づき、辞めたのですね。その決断について、また、粘り強さや、自分が進むべき方向へ歩み続けることについて何を学んだのか、少しお話しいただけますか。

プニット・レンジェン:インドで育った頃、数学が得意なら工学の道に進み、得意でなければ医学の道に進むという風潮がありました。私は医学部進学課程に進みましたが、血や遺体を見たり、小動物を解剖したりするのが苦手だとすぐに気づきました。友人全員と並べられても、私が指されることはなかったでしょう。友人たちは工学部か内科に進もうとしていたからです。私は別の道を進むことにしました。

「周りの人が私について言うことを受け入れ、自分を型にはめていたら、まったく違う人生になっていたでしょう。ある意味、私はそうしないと決めていました。」

プニット・レンジェン、デロイトCEO

今振り返って得た教訓は、あの時点で決断し、周りの人が自分について言うことを受け入れて自分を型にはめていたら、まったく違う人生になっていただろうということです。ある意味、私はそうしないと決めていました。あなたはこの世に一人しかいません。人生には浮き沈みがあります。自分が満足できることを、続けてみてください。

卒業生への助言:人生で身を置くことになった場所を好きになる

プニット・レンジェン:もう一つの学びがあります。私はデロイトで働くことになるとは思っていませんでした。若い頃の私は、あまり世慣れていませんでした。米国に来て最初にできた友人の一人は、医師になると決めていて、今では大変成功した医師です。人生で何をしたいかをはっきり分かっている人は、とても幸運だと思います。多くの人は、人生を歩むなかで何が自分を幸せにするのかを考えることがありません。

私はその中間で、たまたまある職業に就き、それを好きになるよう自分を導きました。それが職業上の成功の一因です。最初のグループにいる人、つまり何をしたいかを正確に分かっている人は恵まれています。その道を進み、世界をあっと言わせてください。三つ目のグループにいるなら、二つ目のグループに近づけるよう努め、私のように、自分が就いた職業を好きになることを学んでください。

卒業生への助言:学べる上司を見つける

アリババ創業者のジャック・マーは、若者には大企業の名前より良い上司を選ぶよう助言します。Image: グレッグ・ビードル

Meet the Leader/リンダ・ラシーナ: アリババの創業者、ジャック・マーは、キャリアの初めに有名な話として、30社の求人に応募して不採用となりました。ケンタッキーフライドチキンもその一つです。この経験から、方向転換の仕方や最初の上司が持つ本当の価値について、特別な洞察を得ました。2019年の年次総会で語るジャックの話をお聞きください。

ジャック・マー:最初の仕事が最も大切です。必ずしも有名企業である必要はありません。人としてどうあるべきか、正しく適切に物事を行うにはどうすればよいかを教えてくれる、良い上司を見つけてください。そしてそこにとどまるのです。「少なくとも3年間はここで働く」と自分に約束しましょう。

「人としてどうあるべきか、正しく適切に物事を行うにはどうすればよいかを教えてくれる、良い上司を見つけてください。」

ジャック・マー、アリババ創業者


私はよくこう言います。20代、30代の頃は何をすべきか分からず、アイデアはたくさんあるでしょう。何でもできると思っても、実際にはできません。だから、まずは誰かについていくのです。30歳から40歳になったら、自分で何かに挑戦したくなるでしょう。自分の得意なことに集中してください。50歳から60歳では、若い人たちがよりよく活躍できるようにしましょう。60歳を過ぎたら、孫や自分自身と過ごす時間を持ってください。

卒業生への助言:学び、テクノロジー、チームで働く力を身につける

Meet the Leader/リンダ・ラシーナ: 1983年、リッチ・レッサーはミシガン大学を卒業する化学工学専攻の学生でした。第二次世界大戦以降で最悪の景気後退のさなかで、後に彼はこう語っています。世界が時間の中で凍りついたかのようだった、と。21歳の彼は、ボストン コンサルティング グループのCEOを長年務めることをはじめ、その後の数々の経験を想像もしていませんでした。現在BCGのグローバル・チェアを務めるリッチ・レッサーが、専攻や期待の枠を越えること、そして若い頃の自分に贈る助言について語ります。

リッチ・レッサーは、チームで働くことや新しいテクノロジーを学ぶことに慣れるよう、若者に助言しています。Image: 世界経済フォーラム

リッチ・レッサー:三つあります。第一に、批判的思考力は当時より今のほうがさらに重要です。大学を卒業すれば多くの知識を身につけていますが、その知識そのものより、課題について批判的に考え、学び続け、成長し、時間をかけて新しいスキルを築く力のほうが大切です。大学教育で学んだことを誇りに思ってよいでしょう。それは素晴らしいことです。しかし、それで学びが終わったと思うなら、大きな間違いです。

「大切なのは、持っている知識そのものより、課題について批判的に考え、学び、成長し、時間をかけて新しいスキルを築き続ける力です。」

リッチ・レッサー、ボストン コンサルティング グループ グローバル・チェアマン

第二に、すべてはチームで働く力にかかっています。もちろん、個人としても強い貢献をしたいでしょう。人生でも仕事でも、受け取る以上のものを差し出すことを目指すべきです。しかし最終的に真の進歩が生まれるのはチームであり、とりわけ多様性のあるチームです。異なる背景や視点、地域性を持つ人々が集まれば、理想的には、より速く遠くまで進み、より多くの課題に向き合い、集団として批判的思考を深め、物事を前進させる力が高まります。

第三に、テクノロジーが果たす役割は非常に大きく、世界を急速に変えています。技術系の学位を持つ人もそうでない人も、何かを作り出し、テクノロジーに親しむ必要があります。自分のキャリアを注ぐ分野にどう応用できるか、世界に良い貢献をし、自分のスキルを時間とともに高めるためにどう活用できるかを考えなければなりません。それがAIやデジタル技術、合成生物学(ライフサイエンス分野にいる場合)であれ、そう遠くない将来に語られる量子コンピューティングとその可能性であれ、テクノロジーが速く、絶え間なく進展していることを認識する必要があります。自分の力を最大限に発揮して貢献するには、それをある程度理解し、使いこなすことが求められます。

卒業生への助言:探求し、探求し、探求する

リッチ・レッサー:キャリアの後半でCEOへの道に進んだり、気候問題に関わったり、別のテーマに取り組んだりするきっかけとなった経験が一つあったとは思いません。大切なのは、探求する姿勢を持ち、自分ならではの違いを生み出す方法を見つけることに力を尽くすことです。それは誰にでもできます。ただし、一人ひとりにとってその意味は異なります。だからこそ、心を開き、探求心や好奇心、創造性、ひらめきを少し持つ必要があります。キャリアを深く積んでからも、次に何ができるのか、どう一歩踏み出して別の分野で変化を起こせるのかを考えましょう。

卒業生への助言:一瞬一瞬を最大限に生かす

元米国副大統領のアル・ゴアは、影響を与えるのに早すぎることはないと語ります。Image: ベン・ハイダー

Meet the Leader/リンダ・ラシーナ:アル・ゴアは過去40年間、公務と気候問題に取り組んできました。米国下院議員、上院議員、副大統領を務めました。彼のようなリーダーたちの取り組みもあり、気候問題への進展が形になりつつありますが、やるべきことはまだ多く残っています。1月、若い頃の自分に何を伝えるか尋ねました。彼の答えを紹介します。

「この特別な時代を生きる私たちは、文明の未来を決める仕事があることを特権と捉えるべきです。」

アル・ゴア、元米国副大統領、クライメート・リアリティ・プロジェクト創設者

アル・ゴア:いやあ、気候危機に取り組み始めたのは45年前です。もう一度やり直せるなら、もっと早く始めていたでしょう。

Meet the Leader/リンダ・ラシーナ:つまり、もっと早く取りかかるよう伝えるのですね。

アル・ゴア:そうです。そうです。これを別の角度から見直してみましょう。リンダ、この特別な時代を生きる私たちは、文明の未来を決める仕事があることを特権と捉えるべきだと思います。本当にそうなのです。そして、自分の持てる力をすべて注ぐに値すると感じられる仕事があることには、喜びがあります。

「過去に戻ってやり直せるなら、もっと早く始め、さらに力を注ぐでしょう。」

アル・ゴア、元米国副大統領、クライメート・リアリティ・プロジェクト創設者

絶望している時間はありません。落ち込んでいる時間もありません。今は総力を挙げて取り組むときです。この危機を解決しなければなりません。目を背けてはいけません。危険がどれほど深刻か、見て見ぬふりをしてはいけません。解決に着手するより速いペースで悪化していることを、無視してはいけません。

分かりません。過去に戻ってやり直せるなら、もっと早く始め、さらに力を注ぐでしょう。

卒業生への助言:自分ならではの変化の起こし方を見つける

オードリー・チョイは、若者に職務内容の枠を越えて考えるよう助言しています。Image: モルガン・スタンレー

Meet the Leader/リンダ・ラシーナ:オードリー・チョイは、2017年にモルガン・スタンレーの最高サステナビリティ責任者に任命され、同社で15年間勤務した後、まもなく退任し、同社のシニアアドバイザーに就任するとともに、サステナブル投資研究所のCEOを務めます。ジャーナリストや公共政策の分野で働いた後、リーダーシップ開発の職に就くという、投資銀行では異例の道を歩みました。しかし、気候問題に対する考え方が変化を促す大きな原動力になり得ると気づきました。やがて自らの役割を切り開いた彼女の歩みは、自分ならではの才能を生かし、足跡を残したい人にとって重要な物語です。

「あなたの価値は、どんな新しい視点をもたらすのか、そして違うやり方をどう考えられるかにあります。」

オードリー・チョイ、モルガン・スタンレー

オードリー・チョイ:モルガン・スタンレーに、素晴らしい人材責任者がいました。彼女が私を誘ったのは、従来型の人事や銀行業務の経験があったからではありません。むしろ、そうした経験がなかったからこそ、彼女と人材管理やリーダーシップ開発に取り組んでほしいと考えたのです。

私はすぐに、政策やジャーナリズムの分野で働いた経験から、自分ならではの能力やスキル、異なる視点をここに持ち込めると伝えました。リーダーシップのあり方を考える枠組みを豊かにするには、幅広いエコシステムを考えることが重要だと思います。事業が地域社会に与える影響をどう考えるか。事業がより広いエコシステムに与える影響や、公共政策、評判、地域開発などの相互作用をどう捉えるか。これらすべてが、金融分野のリーダーとは何か、そしてもちろんモルガン・スタンレーのリーダーとは何かを理解する一部であるべきです。

私が提案したのは、モルガン・スタンレーだけでなく業界にとっても最良のリーダーを育てるなら、こうしたすべての要素を包括的に捉えるべきだということです。考えを深めるうちに、これは双方向の課題だと気づきました。私たちをより良いリーダーにすることや、物事を包括的に考えることだけではありません。直面している大きな課題のいくつかに対し、金融がどのように独自で非常に重要な役割を果たせるのかを考えることです。資本市場の力を生かし、環境を守り、地域社会を強くし、経済的な機会を生み出すうえで、金融はどのような役割を担えるでしょうか。

それを最も大きな形で実現するには、事業の一環として取り組む必要があると分かりました。そこで私は最初から、これは企業の社会的責任活動ではなく、慈善活動でも、評判づくりでもないと伝えました。事業として日々行っていることを通じて、より広い目標の推進と達成にどう貢献できるかが本質です。

こうして2008年、私は「グローバル・サステナブル・ファイナンス・グループ」の設立を提案しました。その使命は、資本市場の力を生かして環境を守り、地域社会を強くし、機会を創出することです。驚くべきことに、モルガン・スタンレーは2008年後半にこれを承認し、2009年初頭にグループ設立を発表しました。

金融危機の頃に世界で何が起きていたか覚えているリスナーの方なら、あの時期にそうした旗印を掲げるのは非常に異例で、大きな信念を要する一歩だったと分かるでしょう。

卒業生への助言:職務内容の枠を越えて考える

Meet the Leader/リンダ・ラシーナ:職務内容にかかわらず、誰もがリーダーになれるのはなぜか、オードリーにも尋ねました。彼女の答えを紹介します。

オードリー・チョイ:覚えておいてほしいのは、職場で指示されたことだけをしているなら、本来加えられるほどの価値を生み出せていないということです。指示される仕事は、おそらくその役割で昔から行われ、期待されてきたことでしょう。あなたの価値は、新しい視点をどうもたらすか、どうすれば違うやり方ができるかを考えることにあります。上司に逆らえと言っているのではありません。もっとよく行うにはどうすればよいか、革新的に考えられないかということです。特にサステナビリティや何らかのインパクトに関しては、肩書にその言葉が入っている人だけが取り組むべきではありません。そうした肩書の人だけが取り組んでいては、何も前に進まないからです。

「『影響を与えたいけれど、それは自分の職務内容ではない』と言う人は、自分の職務内容の定義をもう少し柔軟に考えるべきです。」

オードリー・チョイ、モルガン・スタンレー

私が成し遂げたことはどれも、気候変動問題に取り組む同僚やパートナーを巻き込めたからこそ実現しました。最も頼りにしている協力者の一人は、当社の最高リスク責任者です。彼はこの問題に深く関わり、学び、今ではリーダーとして素晴らしい役割を果たしています。ネットゼロや気候変動に関して、会社を代表して私が行ってきたことは、事業部門のリーダー全員と協力していなければ実現できませんでした。価値ある変化には多くの人が必要です。橋を築き、周りの人々を巻き込むことが大切です。

だからこそ、「影響を与えたいけれど、それは自分の職務内容ではない」と言う人は、自分の職務内容の定義をもう少し柔軟に考えるべきだと思います。

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