意思決定を行う際、データと判断をどのように両立させていますか。その答えは、思っている以上に文化に根差しているかもしれません。
KPMGの調査によると、米国のCEOの10人中8人が、経営判断を行う際にデータではなく感覚に頼ったことがあると答えています。これに対し、フランスのCEOでは10人中5人にとどまりました。
調査によると、日本、英国、オーストラリアの経営幹部も、データに基づく洞察より直感を好む傾向があります。
KPMGは今年1月から2月にかけて、11の経済圏で1,300人のCEOを対象に調査を実施しました。

迅速に行動し、イノベーションを起こす
技術の進歩により、戦略的な意思決定は新たな複雑さを帯びています。これまで以上に多くのデータが収集され、利用できるようになりました。さらに、将来の傾向を予測できる高度な人工知能が加わり、状況はいっそう複雑になっています。
デジタル技術が従来の秩序を揺るがし、新たな機会を生み出す世界で、CEOは絶えず変化に適応するよう求められています。
半数を超える回答者(59%)が俊敏性は極めて重要だとし、迅速なイノベーションがなければ倒産する恐れがあると答えました。
イノベーションを促進する一般的な方法の一つは、イノベーション・パートナーのネットワークを構築することです。調査対象となった組織の半数超が、スタートアップ向けのインキュベーターを設置済み、または設置を計画しています。
それでも調査では、情報やテクノロジーは意思決定の基盤になり得る一方、生来の知識や経験に必ずしも取って代わるものではないことが明らかになりました。
どの数字を信頼するか
過去3年間に、経営幹部の67%がデータ駆動型モデルより直感を重視しました。KPMGのグローバル・イノベーション責任者、スティーブン・ヒル氏は、これをレーシングカーの運転にたとえます。経験は多数の技術的シグナルと連携し、最終的にはそれらを上回る判断材料になるのです。
「データを盲目的に追うだけでは、誤った結論に導かれることがあります」と、インフラ企業シントラの最高経営責任者エンリケ・ディアス=ラト氏は調査で述べました。「全顧客層を代表するものであれば有力な材料になり得る、興味深い洞察を得たこともありますが、実際にはそうではありませんでした。」
多くのCEOは提示された数字にも懐疑的で、半数を超える回答者が、予測分析より過去の情報を好むと答えています。
中心的な課題は信頼です。CEOはデータの出所を把握し、どれほど信頼できるかを自ら判断したいと考えています。多くの場合、ソーシャルメディアを通じて消費者から直接得られる情報は、報告書や政府の調査によるデータより有用とみなされています。

近年、情報源をめぐる状況がどれほど変化したかは、人々の意識からもうかがえます。調査対象者の42%が、消費者から直接得られることの多いソーシャルメディアを「非常に強く」信頼すると答えた一方、政府機関のオープンデータについて同様に答えた人はわずか12%でした。
アライアント・エナジーの最高経営責任者パトリシア・カンプリング氏は調査に対し、利用可能な情報の多さに圧倒されるのではなく、質の高い情報に焦点を当てることが鍵だと述べました。
「従業員、顧客、テクノロジー・パートナーと継続的にコミュニケーションを取ることほど価値のあるものはありません」とカンプリング氏は述べました。「私の意思決定は、データに基づく情報、多くの人からの意見、そして数十年にわたる経験を組み合わせたものです。」


