優れたリーダーの資質についてスタッフに尋ねれば、話が弾むことは間違いない。多くの人が、ビジョン、人間関係のスキル、誠実さが重要だと考えるだろう。また、望ましい資質の上位に知性が挙がることも予想できる。
しかし、新たな研究によると、IQが非常に高いことは、リーダーシップにおいて必ずしも良いとは限らない。最も知能の高い人々は、実際にはリーダーとしての有効性が低いという。
こうした知見は、スイスのローザンヌ大学が実施し、Journal of Applied Psychologyに掲載された研究で明らかになった。
研究者らは、主に欧州の30カ国にある民間企業で、中堅リーダー379人を調査対象に集めた。彼らは銀行や通信からホスピタリティー、小売りまで、幅広い分野で働いていた。
リーダーの平均IQは111で、一般人口の平均である100を上回っていた。
参加者はそれぞれ、ワンダーリック人事テストとして知られる、評価の高い性格・能力検査にも回答した。この検査は、問題解決、指示の理解、効率的な学習、変化への適応能力を測定する。

さらに研究者らは、同僚8人による第三者評価を入手した。同僚は、多因子リーダーシップ質問票を用いてリーダーを評価した。これにより、リーダーが変革型、道具的、あるいは受動的といったさまざまなリーダーシップのスタイルをどのように示したかが明らかになった。
年齢や性別の違いによるばらつきも見られ、全体として女性や年齢の高いリーダーほど、より優れたリーダーシップのスタイルを示す傾向があった。しかし、ばらつきの大部分は性格と知性によって説明された。
知性とリーダーシップの有効性には、ある点までは正の直線的な関係が見られた。しかし、その関連は次第に弱まり、IQがおよそ120になると逆転し始めた。
リーダーのIQが128以上になると、有効性の低いリーダーシップ手法との関連が明確になり、統計的にも有意だったと、英国心理学会は指摘している。

また、こうしたリーダーは、IQがより低いリーダーに比べ、変革型および道具的なリーダーシップを示す度合いが低かった。
この傾向の理由を特定するのは難しい。知能が非常に高いリーダーは、放任主義のような有害なリーダーシップのスタイルを用いていたわけではない。しかし、最善のリーダーシップの実践を取り入れることには苦労していた。
理由の一つとして、非常に頭の切れる人は、明確に意思を伝えたり、複雑な業務を説明したりするのが苦手な場合があることが考えられる。また、他の人が何を難しいと感じるのかを理解しにくいこともある。さらに、マネジャーが知的すぎる印象を与えると、よそよそしく、近寄りがたいリーダーに見える可能性がある。
ただし、この研究から理想的なリーダーに最適なIQを特定することはできない。最適値はスタッフの知性にも左右されるためだ。
だから安心してほしい。採用プロセスにIQテストが取り入れられるのは、まだ先のことになりそうだ。


