アフリカに必要なのは慈善ではなく、優れたリーダーシップだ

African National Congress Youth League members interrupt a memorial service for anti-apartheid activist Ahmed Kathrada in Durban, South Africa, April 9, 2017.
Image: REUTERS/Rogan Ward
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アフリカの経済発展を促すうえで、対外援助がどれほど効果的かをめぐる議論が続いている。一つ明らかなのは、その成果がアフリカの開発パートナーの期待に必ずしも沿っていないことだ。その理由は決して複雑ではない。世界的な経済学者で作家のダンビサ・モヨは、著書『Dead Aid』で、干ばつや紛争による人道的ニーズに対応する対外援助は有益だが、アフリカ諸国に提供される援助の大半はむしろ有害だと主張している。OECDは詳細な統計を公表しており、大陸が2015年までに受け取った援助の種類と規模を確認できる。モヨは、援助によって深刻化する問題として、汚職、内戦、中間層の縮小、依存の文化の定着を挙げている。これらが相まって、アフリカは世界の投資家にとって魅力の乏しい地域になっている。

国の経済を動かすのは政治だということが明らかになってきた。アセモグルとロビンソンは、画期的な著書『国家はなぜ衰退するのか』で、先進国と発展途上国の大きな違いは政治の発展過程にあると論じている。先進国には包摂的な政治・経済制度があり、大多数の人々に富を築く機会を提供している。

しかし、発展途上国の経済の多くでは、政治・経済制度が収奪的だ。支配層は政治権力を強く握り、それを利用して自分たちや近しい人々に利益がもたらされるよう、経済資源を振り向ける。こうした収奪的な制度を通じて提供される対外援助は、社会で最も弱い立場にある人々にほとんど届かない。アフリカに必要な援助の形と、それを配分・提供する仕組みを見直す必要がある。

また、グローバリゼーションは現代の現実だ。国家間の経済、社会、技術、文化、政治の相互依存が強まっている。人々のつながりは、かつてないほど深まった。通信技術とインターネットの急速な進歩によって世界規模の通信システムが利用できるようになり、国際貿易と文化交流が拡大した。しかし、グローバリゼーションがアフリカの発展を加速させているようには見えない。その問題の根は、アフリカに根付く政治構造とリーダーシップ文化にもある。

問題はリーダーシップにある

数年前、ナイジェリアのクロスリバー州知事を務めたドナルド・デュークと話をしたことがある。私は、世界各地から大勢の観光客を呼び込み、州と国の経済に良い影響をもたらすという彼の構想を称賛した。ナイジェリアの指導者の多くは、ナイジェリアが先進国になる姿を思い描けず、市民を動員してその構想を実現することなど、なおさらできないと指摘した。彼は例えを示して答えた。ナイジェリアは、飛行学校に通っていないパイロットが操縦する航空機のようなものだという。飛行機が墜落すれば、誰もがパイロットを責めるとも付け加えた。では、アフリカのリーダーシップを学ぶ「飛行学校」はどこにあるのか。大陸を発展へ導くために必要な高度なリーダーシップスキルを、アフリカの人々はどこで、どのように身につけるのだろうか。

Image: REUTERS/Akintunde Akinleye

卓越した人格とスキルを備えたリーダーを育てることは、アフリカの発展に欠かせない。アフリカの開発パートナーは、政府の要職に就く人に、世界的なイベントの非公式な会話の場でリーダーシップを教えるのでは遅すぎると認識すべきだ。また、リーダーシップが機能するには、リーダーとフォロワーのアイデンティティ意識が一致していなければならないことも念頭に置く必要がある。

アフリカ諸国の多くで見られるリーダーシップの無能さは、政府の役職に就く人々だけの問題ではなく、リーダーシップ文化を映し出している。何十年にもわたり、異なるリーダーが同じ結果をもたらしてきた。政府のリーダーと市民の間にある権力格差は、組織や家庭にも表れている。こうした構造では、リーダーは人々に仕えるのではなく、人々から仕えられる。リーダーの地位に就くことで、自らが率いる人々より優位に立ち、説明責任を負わなくなるからだ。アフリカにはリーダー育成の仕組みが必要であり、開発パートナーや世界のリーダーには、文化の違いがこうした仕組みにどう影響するかを理解する責任がある。

求められる、効果的なリーダー育成の仕組み

複雑さを増す現代において、リーダーを育成する機会はかつてないほど広がっている。とりわけアフリカでリーダー育成のニーズを見極めるには、リーダーシップ文化全体を評価する必要がある。例えば、GLOBEプロジェクトは、ウォートン・スクールのロバート・J・ハウスが考案し、世界各地の組織と中間管理職を対象に実施された調査だ。同プロジェクトは、サハラ以南のアフリカ諸国について、権力格差と内集団集団主義の度合いが高い一方、業績志向は低いと報告している。こうしたリーダーシップ文化では、リーダーは成果を出すためなら手段を選ばず、自分や取り巻きを法の上に置くことが多い。市民の大半にはリーダーとしての潜在力があるが、劣悪な統治、貧困、汚職、宗教的偏見など、育成を妨げる要因がいくつもある。アフリカの若者の多くは学び、自らの可能性を実現したいと強く願っている。複雑な人生の課題を乗り越える助けとなる、尊敬できるメンターや資源を求めている。しかし、そうした願いの実現を支える機関やカリキュラムは不足している。

リーダー育成をより広い視点で捉えると、個人の行動変容を促すうえで、ある取り組みが他より成功する理由が見えてくる。効果を上げるには、個人の中で育む能力を、そのリーダーが身を置くリーダーシップ文化と調和させる必要がある。欧米諸国で開発されたリーダー育成カリキュラムの多くは、個々の状況、とりわけ発展途上地域の若者の状況に十分対応できない可能性がある。彼らは基礎となる教育をほとんど受けておらず、蔓延する貧困の中で生き延びるための苦闘に気を取られている。

GLOBEの調査によれば、発展途上国の一部で新たに台頭するリーダーたちは、外国人に慎重に接する。参加型のリーダーシップに慣れておらず、明確で断固としたスタイルを好むためだ。文化の保守性から恐れの意識が強く、多くの人は、リーダーに指示されない限り、自分の「枠」を出て考える独立した思考者になる訓練を受けていない。彼らは学習された無力感を抱き、自分の境遇を変えられないという圧倒的な思いにとらわれている。人々は許可を求める文化の中にいる。残念ながら、支配層は大衆を自らの仲間に加える許可を与えることに関心がない。こうした文化では、共同体が個人を支配し、女性はほとんど力を与えられていない。

変化は可能だ

アフリカの若年人口の多さは、新世代のリーダーの誕生に影響を与える大きな機会となる。しかし実際には、大陸のエリート層は、ビジネススクールの高額なエグゼクティブ教育プログラムで既存のリーダー育成カリキュラムを独占する傾向にあり、その授業料は人口の大半には負担できない。発展途上国では、リーダー育成の過程を民主化する必要がある。モバイル技術の急速な普及は、その助けとなり得る。これにより、社会のあらゆる層に届く、包摂的な公式・非公式のリーダー育成が可能になる。

アフリカには、企業と非営利の双方の場を活用し、人口の大部分にリーダー育成の研修を提供する、文化変革の担い手が必要だ。そうした担い手自身が、考え方の変化を経験していなければならない。アフリカの変革を心から望む世界各地の開発パートナーは、この地域の収奪的なリーダーシップ構造のもとでは、提供した知的、物的、資金的資源が、大陸に意味のある持続的な変化をもたらさないことを理解すべきだ。資金援助の規模を縮小する一方で、あらゆるレベルでリーダー育成を民主化し、包摂的な政治・経済構造の発展を促す文化変革の担い手と連携すべきである。

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