トニー・ブレア:アフリカ農業に必要な関心を向けることがなぜ不可欠なのか

A boy eats fruit at a cattle slaughterhouse in the main city of Abidjan in Ivory Coast July 5, 2005. African Union (AU) heads of state urged a summit of rich nations to act rapidly to end poverty on the continent, saying they should implement all the proposals of a British-backed report on aid, trade and debt. "The Assembly (of AU leaders) fully supports the recommendations contained in the Commission for Africa report," read a resolution issued to reporters at the pan-continental organisation's half-yearly gathering of leaders. The report, commissioned by British Prime Minister Tony Blair for consideration by Group of Eight (G8) leaders meeting in Scotland on Wednesday and Thursday, calls for freer trade, a big rise in aid and debt cancellation. REUTERS/Thierry Gouegnon) FOR/DY - RP6DRMVFQWAB
Agriculture is also crucial to successful economic transformations.Image: REUTERS/Thierry Gouegnon
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  • 英国元首相のトニー・ブレア氏は、アフリカの農業システムを強化すれば、アフリカ大陸の自立性と強靱性を高められると論じる。

  • それは世界の健康、繁栄、安全保障の向上にもつながる可能性がある。

  • ブレア氏は、国際社会にはこの取り組みを支援する道義的理由と自らの利益にかなう理由の両方があると論じる。

今後30年間で、サハラ以南アフリカの人口は倍増し20億人を超え、各国の経済は工業化する。したがって、アフリカの発展は世界の将来の安定、繁栄、健康にとって極めて重要となる。このことを踏まえれば、アフリカ大陸には国際社会からもっと注目が集まるべきだ。

新型コロナウイルス危機は、世界的な脆弱性をいくつも浮き彫りにした。世界のパンデミック対応に連携が欠けていたこと、最貧国とその人々が経済的打撃に対処できるよう支援できなかったこと、そしてもちろん、既存の医療インフラが脆弱であることなどだ。指導者たちは今、気候変動や格差拡大から、技術革新による混乱、国際テロに至るまで、他の重大な世界的課題とともに、こうした弱点に緊急に対処しなければならない。

さらに、特にアフリカやその他の低所得地域で農業・食料システムが脆弱なことが、パンデミックの影響を悪化させた。対処しなければ、こうしたシステムの欠陥は今後数十年にわたり、あらゆる危機を深刻化させかねない。

抜本的な改革を求める主張には、道義的な理由もある。国連世界食糧計画は警告している。パンデミックの影響で、アフリカを含む低・中所得国で急性の飢餓に苦しむ人々の数は、今年、ほぼ倍増して2億6,500万人に達する可能性がある。アフリカの農業システムを強化することは、アフリカ大陸の自立性を高め、将来のショックに対する強靱性を高めるうえで不可欠だ。そうしなければ、経済は停滞し、税収が限られ、福祉制度は新型コロナウイルス危機のような危機のさなかに人々を支えられなくなる。

急性の飢餓に苦しむ人々の数は、今年、ほぼ倍増して2億6,500万人に達する可能性がある。Image: 世界食糧計画

しかし、アフリカやその他の貧困地域で農業・食料システムを適切に機能させることは、G20やOECDの加盟国を含むすべての国の賢明な国益にもかなう。食料と農業は、世界の保健、経済、安全保障のシステムを21世紀と22世紀にふさわしいものにするうえで中心的な役割を果たすからだ。

まず、活力ある食料・農業部門は、世界的に主要な疾病原因の一つである栄養不良を防ぐために不可欠であり、その強化はパンデミックへの対処にも重要だ。非公式経済の規模が大きい低開発国では、新型コロナウイルス対策のロックダウンやソーシャルディスタンス措置が機能しなかった。主な理由は、そうした規制が家族を養うのに十分な収入を得る人々の能力を深刻に損なうという懸念だった。

農業は、経済の変革を成功させるうえでも極めて重要だ。アフリカなどの開発途上国が工業化しなければ、世界経済の安定も、グリーン経済の実現も、極度の貧困の撲滅もあり得ない。そして米国、欧州、アジアが示してきたように、工業化にはまず農業革命が必要だが、アフリカではそれがまだ実現していない。

世界の安全保障を強化するにも、農業と食料システムの変革が必要だ。テロリズムは、サヘル地域のように、合法的な経済活動や公共サービスを利用するよりも違法行為から多くを得られる地域で、農村住民が社会から疎外されている状況を糧とする。

最後に、特にアフリカで農業を刷新することは、今世紀末までにほぼ110億人に達する可能性のある世界人口を、持続可能な形で養うための前提条件である。

多くのアフリカ諸国の指導者は農業改革に取り組み、成果を上げている。セネガルによるコメなどのサブセクターの振興、ガーナの「食料と雇用のための植樹」プログラム、エチオピア農業変革庁の活動は、いずれもこの分野における政府の力強い指導力を示す優れた例だ。

政府が適切に重点を定めれば、政策立案者は、技術や新たな手法を導入することで投資を呼び込み、雇用、経済成長、税収を促し、開発の好循環を生み出せる農業分野を特定できる。国内外からの資金による投資と改革が、変化を加速させる。

たとえば、ガーナとコートジボワールは自国でカカオをチョコレートに加工する必要があり、ナイジェリアは農業を機械化し、畜産部門を変革する必要がある。モザンビークは複数の農業回廊を開発する必要があり、ケニアには世界的な食品加工拠点となる大きな可能性がある。

今後開催される一連の世界的な会合は、この課題を前進させる絶好の機会となる。まず、今週ルワンダ政府の主催で開催されているアフリカ緑の革命フォーラムがある。この会合は、国際社会の支援を受けてアフリカが農業・食料システムの変革に向けた取り組みを強化し、世界が「持続可能な開発目標(SDGs)」の2030年目標を達成できるようにする必要性を示すうえで重要だ。今年のフォーラムでは、急速に拡大するアフリカの都市と都市中心部をどう養うかに焦点を当てている。そうした都市は、世界経済の将来の成長を最も大きく牽引する可能性がある。

私は3年連続でフォーラムに参加しているが、遠隔での参加は今回が初めてだ。私のチームと私は、アフリカの農業と農産物加工への投資を拡大してこの部門を変革し、パンデミックや気候変動などの危機に対する強靱性を高め、アフリカ大陸で勢いを増す工業化と技術革新を促す方法に取り組んできた。今月後半には国連総会、11月にはG20サミット、そして来年には国連食料システムサミットが続く。

新型コロナウイルスのパンデミックは、貧しい国々の多くで農業システムが人々の最も基本的なニーズを満たせない状態を早急に解決しなければ、重大な地政学的影響をもたらすことをはっきりと思い起こさせる。幸い、今後の世界的な会合では、各国政府が迅速かつ効果的な決定を下せるよう、最善の道筋を世界が議論できる。機会を生かすことは、私たち全員にとって重要だ。

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