卒業式のスピーチは、抽象的な希望や夢を語る一方で、実践的な助言に乏しいことがあります。卒業シーズンがまた巡ってきて、私が聞きたかった卒業式のスピーチについて考えるようになりました。
化学工学の学士号を取得したとき、私は複雑な気持ちでいっぱいでした。学生として長い間目標を追い続け、達成した後、これから先の道が見えなくなったのです。専攻分野でのインターンシップを終えたばかりでしたが、実際にはあまり楽しめなかったと気づき、自分が選んだ専攻によって将来が決まってしまったのではないかと不安に駆られました。
その後、私が気づいたのはこういうことです。学校生活は終わっても、学び続ける日々は終わりません。専攻や、大人になったらなりたいと思っていた職業によって、自分を定義する必要はありません。スキルを磨き続ければ、思っていた以上にさまざまな形でそのスキルを生かせるとわかるでしょう。
実際、最初の仕事が運命を決めるわけでもありません。卒業後、工学の道を離れ、金融についてほとんど知識がないまま大手会計事務所に就職しました。その後、ベンチャーキャピタル会社で働き、さらにインターネットマーケティングのスタートアップに移りました。
当時は自分に合う道を見つけるのに苦労していましたが、振り返れば、初期の選択はどれも良いものでした。さまよいながら得た教訓は、今の新卒者にも伝えたいアドバイスと同じです。
焦らずに
意欲にあふれ、エネルギッシュで、アイデアもたくさんあるでしょう。しかし、取締役会に自分の考えを急いで伝える前に、まずは立ち止まって耳を傾けてください。新人という立場を生かして観察し、職場環境や人間関係、意思決定の方法、コミュニケーションのスタイルについて、実務を通じて学びましょう。何もかも把握できていなくても気にする必要はありません。時間はあります。
幅広く経験する
理想のキャリアパスが定まったと思っていても、心を開き、できるだけ多様な経験を積んでください。好奇心を持ち、新しいスキルや責任、ものの見方を受け入れなければ、専門家として成長し、進化し続けることはできません。今は探求し、試行錯誤する時期です。専門分野を絞るのは後からでもできます。
メンターを見つける
CEOになった今、新入社員から助言を求められることは以前ほど多くありません。忙しすぎる、あるいは偉すぎると思われているのかもしれませんし、未熟で何もわかっていないと思われるのを恐れているのかもしれません。しかし、それはまったくの誤解です。同僚と話していても、若手社員が私たちの経験を頼りたいと思うとき、誰もが力になりたいと感じていることがわかります。私たちもかつては彼らと同じ立場でした。ですから、先輩の同僚に声をかけて、コーヒーを飲みながら話を聞かせてもらうことを恐れないでください。一生のメンターに出会えるかもしれません。
リスクを取る
まだ仕事の世界に入ったばかりの今こそ、リスクを取り、慣れないことに挑戦してください。時間をかけて耳を傾け、居心地のよい場所から一歩踏み出し、経験豊富な同僚に助言を求めれば、常に成長し続けられます。それは、どんなキャリアを歩むことになっても、その全期間を通じて、チームにとって価値ある一員となり、貢献し続ける力になります。
今の卒業生たちが社会に出るにあたり、心を開き、尽きることのない好奇心を持って進んでほしいと願っています。生涯学び続ける姿勢はきっと役に立ち、その道のりをずっと興味深く、実り多いものにしてくれるでしょう。


