民間部門のリーダーシップに軍隊式の精密さを取り入れる4つの方法

Mozambican soldiers join exercises as part of the African Union's African Standby Force (ASF) at the South Africa National Defence Force's Lohatla training area October 27, 2015.
Image: REUTERS/Mike Hutchings
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フランス外人部隊のある連隊の指揮官が、人を率いることはラブストーリーのようなものだ、と語っていたのを覚えています。それはとても過酷なラブストーリーです。愛する人々を戦場へ、そして死に至るかもしれない場所へ送り出すことだからです。

これは、アフガニスタン派遣の終わりに近い2007年4月、自爆犯が近くで爆発を起こしたときに私が直面したジレンマでした。警察官10人が命を落とし、さらに25人が負傷しました。指揮官は軍の野戦病院の職員に救援を命じました。その多くは、病院の安全な環境を初めて離れるところでした。

彼らが未知のものを恐れていることが大きな懸念だと、私たちはすぐに気づきました。その地域の脅威をよく知る小部隊の一員である私たちは、彼らの心境を変えるのに最適な立場にいました。自分たちの専門性を信頼してもらい、彼ら自身の能力にも自信を持ってもらう必要がありました。簡単に言えば、私たちが率先し、しかも迅速に行動しなければなりませんでした。

私たちは対応の要点を説明し、状況を伝え、その地域についての知識を強調しました。落ち着いて明瞭に話し、簡潔な言葉や概念を選びました。必要なときに誰に頼ればよいか分かるよう、全員が互いの技能や訓練内容を把握していることを確認しました。敵との接触があった場合の対応方法や、次の自爆攻撃が起きた場合にリスクを減らす方法についても、全員に説明しました。

最後に、率先垂範は千の言葉に勝るため、私たちは車列の先頭を走りました。このシンプルな方法によって、対応部隊の心境は「やればできる」という姿勢へと一変しました。作戦は無事に終わり、何人かの命を救うことができました。

軍隊生活の特徴は、逆境や危険、共有する精神的ストレスの中で築かれる強い絆です。同時に、当初は不可能と思われたことを共に成し遂げる成功や成果も、その絆を育みます。職業軍人として25年以上を過ごし、ジョージア、コソボ、アフガニスタンでの作戦に参加した私は、そうした極限状況で身につけたリーダーシップのスキルが、民間の仕事にもどれほど通用するのかと考えるようになりました。

調査によると、民間と軍の双方でリーダーが直面する課題には、確かに大きな共通点があります。2016年のこの調査では、軍と公務員組織のリーダーが、直面する課題の上位3つとして、組織の効率性、部下の意欲向上、そして自らのリーダーシップを挙げたことが示されました。

世界経済フォーラムで安全保障担当責任者を務めて2年以上が経ち、2つの世界には人々が想像する以上に多くの共通点があると感じています。やはり、共通の目標を見定め、一人ひとりの能力を最大限に引き出すことが要です。それぞれの強みと弱みを、チームの構成に最適な形で組み込むこと。そして、速すぎず……遅すぎず、常にもう一歩先へ進もうとする揺るぎない意志を、納得を促し、意欲を引き出し、全体をまとめることで生み出すことです。

そのために私が実践している4つの方法を紹介します。

信頼を築く

自然界を見ると、リーダーがどのように選ばれるかが分かります。動物の世界には明確な仕組みがあり、集団で最も強くたくましい者が、前任者を上回る力を示した後にリーダーとして認められます。自然界のリーダー選びに見られる独自の原則は、信頼です。どの動物の集団も、季節の移り変わりや逆境を乗り越えられるよう、自分たちを守り導くリーダーを信頼する必要があります。

私たちの世界では事情が異なり、率いることになるチームがリーダーを選ぶことはめったにありません。しかし、新たなリーダーの立場に就いたときは、物事の自然な流れを取り戻し、まずはその役割を担う力があることを示すのがよい出発点です。その方法はいくつもありますが、最も簡単で、やがて最も難しくなるのは、先頭に立って率先垂範することです。チームワークに責任を持ち、説明責任を果たしながら、チームの成功を助ける時間を取ることです。

責任ある立場に任命されたら、リーダーとしてまず取り組むべきなのは、人との関わりにおいても業務の内容においても、自分自身の能力、力量、専門性への信頼を築くことです。そうすれば、自然選択のプロセスが働き始め、未知のリーダーに対する本能的な不信感も抑えられます。

一人ひとりを見極める

成果を上げるチームを築くには、各メンバーをよく知り、理解することが欠かせません。仕事をどのように組み立て、進めるか、説明や説得の明快さ、自分の考えを貫こうとする姿勢、チーム内での関わり方、質問するよりも答えを示す力を観察すれば、それが分かります。

人々には最小限の指示だけを与えて仕事を任せ、潜在能力を発揮してもらいましょう。同時に、リーダーは全体像を見失わず、より具体的な指示が必要なときを見極めることが重要です。繰り返されず、業務上の期待に影響しない範囲であれば、チームに失敗を経験させましょう。その場合は、個別の問題について直接指導する必要があります。

次に、各メンバーの専門性と潜在能力に応じてチームを編成します。チームが成功するには、まず一人ひとりが成功できる役割に就く必要があります。チームのメンバーを決して見限らないことが大切です。それによって「やればできる」という姿勢が育ち、自信が高まり、最終的にはリーダーシップへの信頼も深まります。

最後に、チームは共通の目標に導かれ、共通の成果によって意欲を高めます。したがって、リーダーの中心的な役割は、方向を示し、意欲を引き出し、信頼して、チームに仕事を任せることです。適切な質問を考え、助言や指導、修正を行う必要があります。すべてのメンバーが互いに支えられていると感じられるよう、優れたリーダーは常に議論を促し、建設的な批判を奨励し、メンバー同士が助け合えるようにします。

チームづくりとは、進むべき道を自分たちで見つけ、理解し、その実現に意欲を持てるよう、チームを促し支援することです。

相互連携を促す

スポーツチームや軍の小隊と同様、チームの全員が共通の目標を達成するための連携方法を正確に理解し、互いに支え合う必要があります。そのためには、集団としての連携をどのように行うかをリーダーが定め、チームが習得できるよう支援することが欠かせません。標準作業手順(SOP)と呼ぶ人もいれば、プロセスやガイドラインと呼ぶ人もいます。結局は同じことです。各メンバーが自分の担当業務に責任を持つ一方で、リーダーは交響楽団のように全員の動きを調和させる責任を負います。

連携のプロセスはシンプルで標準化され、チームが明確に実行できるものでなければなりません。リーダーの役割は、軍隊で「バトル・ホイール」と呼ばれるものを導入することです。民間では、チーム標準の会議サイクルと呼べるでしょう。こうしたサイクルを導入した後は、先を見越してチームを率い、主体性を高め、メンバーが標準化された方法で課題を会議に持ち込むよう促すことがリーダーの役割です。

そうすることで、各メンバーはチームの他のメンバーに対して説明責任を負うことになります。おそらく、これまでで最も効果的な動機づけでしょう。

コーチングと訓練

チームを築き、リーダーシップを示し、チームの任務への献身を育むには、コーチングと訓練に勝る方法はありません。

前述のとおり、リーダーであるとは、責任を引き受け、説明責任を果たすことです。どちらも、あなた自身の直接的な献身と関与なしには実現できません。集団の成功には、リーダーによる個人訓練とチーム訓練が欠かせません。個人訓練では、一人ひとりの潜在能力に応じて成長を促します。目標設定とチーム訓練では、連携や相互に支え合う準備を育みます。チームリーダーによるコーチングと訓練は、戦力を飛躍的に高める力であり、外部に委託すべきではありません。リーダーシップが本当にラブストーリーだとすれば、どんなラブストーリーでもそうであるように、部下が受けるに値する信頼を築くため、リーダーは心を開かなければなりません。

最後に、リーダーシップの定義として、フランスの作家であり戦闘機パイロットでもあったアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの言葉に勝るものはないかもしれません。「船を造りたいなら、人々を集めて木を集めさせたり、仕事や作業を割り当てたりするのではなく、果てしなく広がる海への憧れを教えなさい。」

著者はスイス軍に27年間在籍し、2015年に大佐として退役しました。小隊長、中隊長、大隊長を含む複数の指揮職を務めました。ジョージアのアブハジアで国連軍事監視員を務めたほか、コソボでは中隊長、アフガニスタンでは情報チームリーダーとして任務にあたりました。最後の任官先はスイス平和支援活動訓練センターの司令官で、海外に派遣されるスイス軍の要員および部隊すべての訓練を担当しました。2016年から、世界経済フォーラムの安全保障担当グローバル責任者を務めています。

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