ラテンアメリカの新たなデジタル経済で雇用を創出し、担い手を育てる

Carolina Gutierrez (center L), 17, and Neuil Valdez, 18, use mobile phones to connect to the internet at a hotspot in downtown Havana, Cuba, December 12, 2016.
Image: REUTERS/Alexandre Meneghini
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18世紀後半に機械による生産設備が労働集約的な手作業の生産方法に取って代わって以来、およそ100年ごとに産業革命が起こり、私たちの暮らし方や働き方を大きく変えてきた。第4次産業革命は今まさに進行中であり、電子工学、IT、自動化された生産がもたらした前回の大きな変革から50年も経っていない。これまでの産業革命より早く訪れているだけでなく、進行の速度も速い。この産業革命の核心は、デジタル、物理、人間の融合にある。モノのインターネット。自動化。分析。サイバーフィジカルシステム。大きな機会であると同時に、大きな懸念も伴う時代だ。

ラテンアメリカの雇用市場は、この機会と懸念が交差する地点にある。起業家精神、イノベーション、包摂が花開くという経済ビジョンに近づく大きな機会が、ラテンアメリカにはある。一方、多くの従来型の仕事が失われ、大多数の人々に不足している新たなデジタルスキルを必要とする仕事に置き換わっていることが懸念される。

人々を教育し、つなぐ

第4次産業革命がもたらす機会を生かし、新たなデジタル経済で成功するために、ラテンアメリカが取り組むべきことは二つある。人々を教育することとつなぐことだ。まずは教育から始めよう。デジタル経済で競争するには、ラテンアメリカには、基礎的かつ新たに求められるネットワーク関連スキルに加え、英語力、チームワーク、問題解決力、創造性とイノベーション、コミュニケーションといった技術以外のスキルも身につけた人材が必要だ。しかし、最近のIDCの調査によると、2019年までにこうしたスキルを備えたIT専門人材が449,152人不足する見込みだ。

この地域の教育省はこうしたスキルの需給ギャップを認識し、必要とする人々に研修を届けるため、シスコのような非営利団体や企業と提携するなど、その解消に懸命に取り組んでいる。1998年以来、ラテンアメリカでは100万人を超える人々がシスコのネットワーキングアカデミーを修了しており、その数は飛躍的に増えている。

人口3,100万人のペルーには、世界のどの国よりも多くのシスコ・ネットワーキングアカデミーの学生がいる(80の教育機関との提携を通じて、現在130,000人以上が受講している)。そのうち43%は女性だ。コスタリカでは、138校ある技術学校のうち102校がネットワーキングアカデミーのカリキュラムを教えており、今年は20,000人の学生が情報通信技術(ICT)のスキルを学んでいる。同国の教育機関は、デジタル学習をさらに一歩進めている。観光や経営など、あらゆる職業分野でデジタルスキルが必要とされることを踏まえ、教育省は、専門分野にかかわらず、技術学校の全学生がネットワーキングアカデミーの講座を受講できるようにする計画だ。

アルゼンチンでは、47校の技術学校がネットワーキングアカデミーと提携し、今年5,000人の学生にデジタルスキルを教えている。また、同国の教育省は、2,000校すべての技術学校にネットワーキングアカデミーのカリキュラムを拡大し、100,000人のアルゼンチン人がデジタル経済で働けるよう準備することを目指している。

ネットワーキングアカデミーの学生は、典型的な失業者ばかりではない。孫娘たちに勧められた99歳の男性が最近、ブエノスアイレスでネットワーキングアカデミーの「Get Connected」プログラムを修了した。ペルーの非営利団体は、危険にさらされている若者、障害のある人々、そしてペルーのジャングルの奥地にある地域の住民など、ほかでは仕事を見つけにくい人々を支援対象としている。そうした地域では、違法薬物の生産が、収入のよい仕事を得る唯一の選択肢となっていることも多い。またコロンビアでは、50年以上続いた内戦がついに終結し、負傷して職を失った兵士たちにデジタルスキルを教える試験的プログラムを国防省が実施している。

参加者:Image: REUTERS/Ivan Alvarado

人々とテクノロジーをつなぎ、大きな課題を解決して雇用を創出する

仕事を見つけられなければ、こうした研修も意味をなさない。そこで、人々をつなぐ取り組みが重要になる。ブラジルのリオデジャネイロにあるシスコのイノベーションセンターには、研究開発機関、パートナー、顧客、スタートアップ、アクセラレーター、ベンチャーキャピタリストが集まり、新たなテクノロジーでビジネス上の課題を解決している。誰もが恩恵を受ける。小規模なスタートアップは、シスコの大規模な営業網を活用して製品をより早く市場に投入し、より幅広い顧客に届けられる。支援を求めてイノベーションセンターを訪れる顧客は、事業成果の向上につながる革新的なソリューションに触れることができる。こうした取り組みはすべて、経済成長とデジタル分野の雇用増につながる。

テクノロジーと起業家精神の接点が解決に役立つのは、ビジネス上の課題だけではない。企業の社会的責任プログラムは、非営利団体が安全で清潔な水へのアクセスなど、社会や環境に関する大きな課題に取り組むのを支援している。現在、18億人には安全な水源がなく、24億人は適切な衛生設備を利用できない。

ウォーター・フォー・ピープルは、地域社会が自ら信頼できる安全な給水システムを構築し、維持できるよう支援している。同非営利団体はシスコと提携し、水関連プロジェクトの監視と分析の方法を改善する新たなテクノロジーを開発した。このツールにより、グアテマラ、ホンジュラス、ニカラグア、ペルー、ボリビア、および世界のほか4か国の遠隔地に住む人々は、給水システムに関するデータを適時に収集、管理、分析でき、より的確な意思決定が可能になる。

ネットワークが鍵

人々、プロジェクト、テクノロジーを結びつけることだけが、重要なつながりではない。デジタル経済を成功させるには、インターネットへの接続も不可欠だ。この新たなデジタルインフラを支えるには、強固で信頼性の高いネットワークが必要となる。ラテンアメリカ各地では、公的ネットワークを拡大、強化、安全化し、すべての人にインターネットアクセスを提供する取り組みが進んでいる。たとえばアルゼンチンでは、テレセントロがブエノスアイレス市全域でのWi-Fi利用を目指しており、そのために来年、2,600か所を超えるアクセスポイントを設置する予定だ。

第4次産業革命により、何千もの肉体労働の仕事が失われる可能性が高い。しかし、広範で強固なネットワーク、人々をつなぐ手段、そして教育への取り組みにより、ラテンアメリカには市場をリードし、人々の生活水準を高める前例のない機会がある。

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