ソーシャルメディアのプラットフォームが、相反する政治的見解から人々を遠ざけているという考えを受け入れたくなるのも無理はない。
しかし、それは事実ではないことが分かった。
米国経済研究所(NBER)のワーキングペーパーによると、FacebookやTwitterのようなソーシャルメディアサイトが人々の政治的見解を強める「フィルターバブル」を作り出すという広く信じられている説は、ほぼ作り話だという。
「今日の政治情勢をインターネットのせいにすることには、実証的な裏付けがあまりありません」と、スタンフォード大学の経済学研究者で研究の筆頭著者であるレヴィ・ボクセル氏は、Business Insiderに語った。
ボクセル氏によると、同氏と同僚たちは、インターネットが実際に人々の政治的見解をどの程度分極化させるのかを明らかにしようとした。研究チームは、米国全国選挙研究(American National Election Studies)のデータを調査した。これは、さまざまな問題に対する米国の有権者の態度や行動を把握するために実施された一連の調査である。
研究チームは1996年から2012年までのデータを分析し、9つの異なる指標に焦点を当てた。これには、個人の支持政党と思想的立場の結びつきの強さ、オンラインで過ごす時間、政治について話し合うことが最も多い場所などが含まれていた。
全体として研究者らは、インターネットを最も利用しやすい18歳から39歳の人々は、調査対象となった6年間に政治的見解が分極化する可能性が最も低かったことを明らかにした。65歳以上では反対の結果となり、この期間に見解が固定化する可能性が最も高かった。多くの場合、テレビやラジオなど、ほかのメディアを通じて固定化していた。
一方、過去の研究では、オンラインメディアとオフラインメディアが人々の信念に及ぼす影響の程度はほぼ同じだと分かっている。さらに、友人や家族、そしてボクセル氏の言う「政治について話し合う相手」といった、現実の人間関係のネットワークは、より強い影響力を持つ。
つまり、ソーシャルメディアがなくても、人々は簡単にフィルターバブルを形成できるとボクセル氏は言う。
したがって、あるテーマについてできるだけ多くの情報を得たいなら、自分と意見が合わない人の話にも耳を傾けるべきだ。
