カリヤン・パンジャ氏は、初の春季会合ブログコンテストで最優秀賞を受賞しました。彼の 受賞投稿 では、 食料 と 農業に関する2つのイベントを取り上げました。賞品は、世界銀行の農業担当ディレクターである エセル・センハウザー氏へのインタビューでした。
農業分野で、早急な対応が必要な最も深刻な危機は何でしょうか。
2050年までに世界は90億人を養う必要があります。しかし、気候変動、土壌の健全性の低下、資源への過度な負担により、長期的には農業生産性が低下するおそれがあります。干ばつや異常気象はすでに農業と生産性に悪影響を及ぼしています。将来、収量は25%を超えて減少する可能性があります。
生産性の低さ、市場へのアクセスの悪さ、そして食料廃棄につながり、食料が市場に届くのを妨げる農業バリューチェーン内の非効率性など、さまざまな問題が世界の食料供給に悪影響を及ぼしています。
毎晩8億人が空腹のまま眠りについているなか、 世界銀行 は各国に対し、 より良い食料システムを構築する よう呼びかけています。それにより農村部の農業生産性を高め、幼児や妊婦の栄養状態の改善に投資し、気候変動に配慮した農業を推進することができます。
世界各地で農業分野を再生させるため、早急にどのような対策を講じるべきだと思いますか。
農業分野は世界を養える態勢を整える必要があります。そして環境を損なうことなく、人々の食卓に食料を届けなければなりません。
気候変動に配慮した農業は、生産性の向上、強靱性の改善、温室効果ガス排出量の削減を目指すもので、解決策の一つです。農業生産性の向上に加え、資源をより適切かつ持続可能な方法で活用し、土地の劣化を抑え、水管理を改善する対策も必要です。また、小規模農家が資金や農具を利用しやすくすること、女性農業従事者が生産性を発揮できるよう格差を縮小すること、食料貯蔵を改善すること、農家が農産物を市場に届けるのに役立つインフラを整備することも重要です。
農業分野にとって、科学研究はどれほど重要ですか。
研究とイノベーションは非常に重要です。とりわけこの分野では、生産性の向上、強靱性の向上、温室効果ガス排出量の削減を実現する新たな方法が求められています。気候変動に配慮した農業への抜本的な移行を可能にする「電気自動車」に相当するものは、まだありません。
気候の影響が最も大きくなると予測される地域、たとえば世界の公的な研究開発支出のわずか5%しか占めていないサハラ以南アフリカで、研究を強化する必要があります。 西アフリカ生産性向上プログラムを通じて、世界銀行は研究センターを支援し、耐性の高いキャッサバの新品種4種と、収量の高いイネの新品種5種が開発されました。
さらに、世界銀行は、 国際農業研究協議グループの創設メンバーです。同グループは世界有数の科学研究機関であり、低所得国の何百万人もの貧しい農家に恩恵をもたらす、切実に必要とされている気候に配慮した農業・食料技術を提供しています。
開発途上国の政府は、農家や農業の問題について十分に議論していないと思いますか。
世界の貧困層の75%は農村部に暮らし、食料と生計を主に農業に依存しているため、農業は開発途上国の成長を促すうえで重要な役割を果たします。多くの政府が、食料安全保障と包摂的な開発目標の達成を促すものとして、農業分野により大きな注意を払っていることは心強いことです。
さらに取り組む必要があるのは、どのような分野だとお考えですか。
農業の生産性と強靱性を高め、環境への悪影響を減らすため、さらなる取り組みが必要です。とりわけ、アジアやラテンアメリカの農業を変革した緑の革命の恩恵を受けなかったサハラ以南アフリカでの取り組みが重要です。農業は気候問題の主要な要因であり、現在、温室効果ガス総排出量の最大29%を生み出しています。他の分野が排出量を削減する一方、対策を講じなければ、この割合は大幅に上昇する可能性があります。したがって、持続可能な方法で世界を養いたいのであれば、この分野は気候変動に配慮した農業を軸に結束する必要があります。私たちが 気候スマート農業のためのグローバル・アライアンスに参加したのは、そのためです。
世界銀行は農業、特に開発途上国の農業にどのように取り組んでいますか。また、組織の今後の計画は何ですか。
農業分野の成長は、他の分野と比べて、最貧困層の所得向上に2倍から4倍効果的です。そのため、2030年までの極度の貧困の撲滅と繁栄の共有を実現する強力な手段となります。どちらも世界銀行の優先課題です。
世界銀行は、世界各地の農業を 主要な資金提供者です。2014年には、農業および関連分野に対して83億ドルの新規コミットメントを行いました。融資と技術的専門知識の共有を組み合わせ、気候変動に直面しても強靱で持続可能な分野を実現し、雇用と経済成長を生み出し、とりわけ世界の最貧困層に健康的で栄養価の高い食料を届けられるよう、開発途上国と協力しています。各国との取り組みでは、新技術を推進し、持続可能な手法や技術を後押しするとともに、生産性を高め、農家を収益性の高い市場につなぐインフラに資金を提供しています。
世界銀行が描くのは、持続可能な方法で、あらゆる場所のすべての人に毎日食料を届けられる食料システムです。このビジョンの実現に向け、公的機関、民間部門、市民社会など幅広い関係者との連携に取り組んでいます。
この記事は当初、 世界銀行ボイス・ブログに掲載されました。
本記事の掲載は、世界経済フォーラムによる見解への賛同を意味するものではありません。
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著者:カリヤン・パンジャ氏は旅行に熱中しており、2006年からブログを書いています。
画像:フランス北部ボークラン・ル・ヴューで、収穫されていない小麦畑が見える。REUTERS/Benoit Tessier
