世界の食料価格は2022年3月、過去最高水準に達しました。
食料コモディティ価格は前年に比べて3分の1上昇しました。
ロシアのウクライナ侵攻により、パンデミック後から続く広範な物価上昇がさらに加速しました。
国連食糧農業機関(FAO)によると、ロシアのウクライナ侵攻を受け、世界の食料コモディティ価格は3月に過去最高を記録しました。
人道危機が続くなか、この紛争はウクライナ経済を不安定化させており、世界銀行は2022年の経済生産が45%を超えて落ち込むと予測しています。
ロシア連邦とウクライナを合わせると、世界の小麦輸出の約30%、トウモロコシの約5分の1を供給しています。これらをはじめとするコモディティの不足は世界のサプライチェーンを不安定化させ、食料価格を急騰させています。
FAO食料価格指数は、食料コモディティのバスケットの世界価格について、月ごとの変化を測定します。3月の数値は、世界の食料価格が2月に比べて12.6%上昇したことを示しています。これは、指数の30年に及ぶ歴史で記録された最高水準です。前年同月比で見ると、指数価格は2021年3月に比べて3分の1上昇しました。
食料価格の上昇
穀物や植物油などの主食は、特に大きな影響を受けた食品です。
FAOの穀物価格指数は3月に2月を17%超上回りました。世界市場向けの小麦や粗粒穀物の輸出減少が背景にあります。3月には世界の小麦価格とトウモロコシ価格が、それぞれ約5分の1上昇しました。
ウクライナは世界最大のひまわり油輸出国であるため、供給不足がFAOの植物油価格指数の月間23%上昇を後押ししました。ひまわり油価格の上昇、原油コストの増加、南米からの植物油輸出の減少が重なり、パーム油、大豆油、菜種油など他の油の価格も急騰しました。
砂糖、食肉、乳製品などのコモディティも、世界価格の小幅な上昇が記録されました。
生活費の上昇
世界的な食料価格の上昇は、先進国と新興国の双方ですでに進んでいた生活費上昇の広範な傾向の一部であり、ロシアのウクライナ侵攻がこれに拍車をかけています。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによる経済的影響を受け、世界経済の回復にはまだ時間がかかります。インフレの加速、パンデミック前の「通常」水準に戻っていないサプライチェーンの混乱、ロックダウン後のその他の余波により、食料から光熱費に至るまで、あらゆるものの価格が上昇しています。
家計所得の圧迫は多くの家庭にとって歓迎できない状況ですが、最も深刻な影響を受けるのは開発途上国の低所得世帯です。開発途上国では、価格上昇に伴って食料不安が深刻化します。穀物やその他のコモディティの輸出減少が、これらの地域にとって最大の脅威となるためです。
しかし、ウクライナでの戦争が食料輸出に影響を及ぼしているにもかかわらず、FAOの穀物需給概要は、2022年の世界の小麦生産量が7億8,400万トンに達し、前年から1.1%増加すると予測しています。これは、中国、インド、北米、欧州連合などの地域で生産動向が好調なためであり、世界市場の安定化や、最も必要としている人々への食料安全保障の提供につながる可能性があります。


