ミレニアル世代は自動車の終焉を告げるのか?

A tram travels through the central shopping district of Wroclaw, southern-western Poland, July 28, 2011. Wroclaw is one of the four Polish venues where next year EURO 2012 soccer championships will be hosted. REUTERS/Kacper Pempel (POLAND - Tags: BUSINESS CONSTRUCTION SPORT SOCCER) - RTR2PQIF
Millennials are less likely to own cars than their baby boomer counterpartsImage: REUTERS/Kacper Pempel
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自動車は1世紀以上にわたり、アメリカ文化の中心にありました。最近まで、免許を取得して車を買うことは大人への通過儀礼と考えられ、選ぶ車は自分のアイデンティティーを表し、優先事項を反映し、社会的地位を示すものだと広く見なされていました。

こうした状況は今、すべて変わりつつあります。カーシェアリング、配車サービス、自動運転車の登場は、消費者行動に根本的な変化をもたらす兆しです。個人の移動手段の未来は、利用者のニーズや希望に基づき、技術の進歩によって形作られるでしょう。そうした消費者がどのような人々で、どのような選択をするのかについての私たちの理解も、意外な形で変化しています。

車好きのベビーブーマーが都市へ向かう

1946年から1964年に生まれたベビーブーマー世代について考えてみましょう。米国で最大の世代ではなくなったかもしれません(19~35歳のミレニアル世代である子どもたちが、今ではわずかに上回っています)が、自動車産業と急速に発展する「シェアリングエコノミー」の未来を形作るうえで、ベビーブーマーは今後も大きな役割を果たすでしょう。

ベビーブーマーが車を愛好していることを考えれば、AARPの調査によると、2011年に米国で販売された新車のほぼ3分の2を50歳以上の成人が購入したのも驚くことではありません。2013年のブルームバーグ・ニュースの記事によると、今日の高齢者は以前の世代と異なり、「親たちにならって静かに車の購入をやめるつもりはない」といいます。実際、2011年には60~64歳の米国人のほぼ93%が運転免許を保有しており、1983年のわずか84%から増加しました。

意外なのは、高齢者が、記録にも残る都市中心部への大規模な移住に加わっていることです。今後数年はミレニアル世代が都市の景観を支配するという一般的な見方に反して、最近の調査は、ベビーブーマーも大挙して都市に移り住んでいることを示唆しています。Realtor.comは、「サンシャイン・ステート(フロリダ州)の退職者向けコミュニティーやアリゾナ州の荒野へ一斉に南下するのではなく、特に都市生活に精通した米国人の一群であるベビーブーマーが、家族を持ち始めたときに離れた都市圏へ次々と戻っている」と記しました。

そして、こうした年長の都市生活者は決して座りきりではありません。最近のZipcarの調査によると、退職するどころか、87%が通勤時間の短縮を都市へ移る主な理由に挙げています。さらに、仕事をしていないときについて、同調査は「圧倒的多数の90%が、さまざまなレストラン、店舗、フィットネス施設を気軽に利用し、文化的な体験を充実させたいと考えている」と述べています。

こうした活動によって、都市部のベビーブーマーは消費者として活発な存在になっています。マッキンゼー・グローバル・インスティテュートの2016年の調査「Urban World: The Global Consumers to Watch」は、「例えば米国では、2015年から2030年にかけて、60歳以上の年齢層が、パーソナルケア、住宅、交通、娯楽、食品・アルコール飲料などの分野で、消費の伸びの40%以上を占めると予測される」と報告しました。

車を都市に置いているベビーブーマーにとって、配車サービスは貴重な収入源になります。2015年のUberの調査によると、同社のドライバーのほぼ4分の1が50歳を超えていました。多くの人にとって主な動機は副収入で、退職後の貯蓄を補うために必要な場合も少なくありません。しかし、利点はそれだけではありません。

Uberのドライバーである59歳のモーリーン・マホンは、この仕事の柔軟さと人との交流を楽しんでいます。「ビジネスマンにも、夜遊びに出かける大学生にも、パーティーに行く人にも会います。ほとんどあらゆる人に会います」と彼女はニューヨーク・タイムズに語りました。「好きなだけ運転できます。天気が悪かったり、医者の予約があったりすれば、アプリを起動しなければいいのです。」

個人間のカーシェアリングも、都市部で車を所有する一部のベビーブーマーにとって魅力的になりつつあります。さらに、個人間カーシェアリング企業のGetaroundは、自動車メーカーと提携し、会員が新車を購入する際の割引を提供しています。

もちろん、都市中心部へ移る人の多くは、その過程で車を手放す可能性があります。デトロイト・ビューローの発行人でCNBCにも寄稿するポール・アイゼンスタインは、今日の混雑した都市では「車の所有は権利というより、面倒なものと見なされている」と述べました。郊外に住む人は、車庫に車がなければ取り残されたように感じるかもしれません。しかし、ミシガン大学エネルギー研究所の博士研究員スコット・ケリーによると、人口密度の高い地域に住む人にとっては、「車を持たないほうが便利になりつつあります。実際、人口密度の高い都市中心部では、すでに個人所有から離れる動きが見られます。」

市内の短距離移動で車を持たないベビーブーマーが従来選んできたのはタクシーですが、カーシェアリングや配車サービスの広がりも、高齢者に同じように受け入れられる可能性が高いと、ウォートン校の経営学教授ジョン・ポール・マクダフィーは述べました。「年齢層の高い人たちが、少なくとも郊外から都市に入ってくる場合に、テクノロジーっぽさに抵抗を感じるとは思いません。問題を解決してくれるなら、むしろ気に入ると思います。」最近のZipcarの調査はこの見方を裏付けています。調査対象となった都市部のベビーブーマーの69%が、モバイルアプリは生活を楽にすると答え、81%がFacebookを利用していました。

ミレニアル世代は車を現実的に捉える

最近まで、自動車メーカーはベビーブーマー市場がいずれ失われることを懸念していました。ベビーブーマーの子どもであるミレニアル世代は、親世代ほど車に関心がないように見えていました。「2009年と2010年には、自動車業界でこの問題をめぐる懸念が広がっていました」と、ナビガント・リサーチのシニア・リサーチアナリスト、サム・アブエルサミドは述べました。

しかし、その懸念は大部分が的外れだったことが分かりました。ワーズ・オートの記事によると、販売不振は世代の車に対する考え方を反映したものというより、むしろ大不況と若い世代の資金不足が原因でした。記事は、ミレニアル世代は今になってようやく、車の購入が最も盛んになる年齢層に入りつつあると伝えています。

2016年3月、AP通信は「ミレニアル世代、とりわけ年長層は、最近になって大量に車を購入している。単に出遅れただけだ」と報じました。記事は、米国最大の自動車市場であるカリフォルニア州で、車の購入者としてミレニアル世代がベビーブーマーを初めて上回ったと指摘しました。新車市場に占めるミレニアル世代の割合は、2015年に28%へ跳ね上がりました。

親世代と同様に、ミレニアル世代も従来の予想に反しているようです。フォーチュンは、ミレニアル世代が都市にいることを、彼らが都市生活を好む証拠だと誤解する人があまりにも多いと指摘しています。全米不動産業者協会による2016年の「住宅購入者・売却者の世代別動向」調査によると、住宅購入者に占めるミレニアル世代の割合は増加しており、そのうち郊外の一戸建てを購入する人も増えています。

しかし、ミレニアル世代が必ず郊外へ向かい、車を所有するようになると確信している人ばかりではありません。「彼らは親世代より頻繁に都市に住んでいます」とアブエルサミドは述べ、ミレニアル世代は「テクノロジーによって、より柔軟なライフスタイルを実現している」とし、「経済的に車を所有できる力は高まっているものの、車を持つ必要も欲求もありません」と付け加えました。それは変わるかもしれませんが、まだ判断するには早いと彼は指摘しました。

ミシガン大学のケリーも同意しました。「若い人たちは、車を所有する固定費を払うのではなく、移動をオンデマンドのサービスとして扱うことに前向きなようです。」ただし、都市の周囲には「広大な郊外地域が広がっており」、そこで移動手段がどう変わるかはまだ明らかでないと述べました。自動車産業の破壊的な潮流に関する最近のマッキンゼーの報告書によると、農村部では「自家用車の利用が、圧倒的に好まれる移動手段であり続ける」とされています。

アブエルサミドによると、現時点では、ミレニアル世代の車の所有率が同年齢だった過去の世代より低いことは明らかです。これを世代交代の表れと見る人もいます。ウォートン校のマクダフィーは、「ミレニアル世代は、より現実的に車を買います。10代の頃に車や自動車、あるいは個人向けの自動運転移動手段に深く夢中になる瞬間を逃したのかもしれません。そして今後も、車を商品や家電のように捉える、より現実的な考え方を持ち続けるでしょう」と推測しました。

ウォートン校のMBA候補生、ゾーイ・ホスターも同意しました。「私の世代は、過去の世代に比べて車との関係がずっと複雑ななかで育ちました。多くは車の後部座席で親に送り迎えしてもらい、学校へは公共交通機関で通っていました。」

さらに、多くの専門家は、ミレニアル世代がいわゆる「シェアリングエコノミー」のなかで育ち、カーシェアリングや配車サービスに抵抗がないようだと指摘しています。Getaroundの利用者構成も、その見方を裏付けています。共同創業者兼副社長のジェシカ・スコーピオによると、車を貸し出す所有者は25~45歳に集中しています。借り手はより若く、19~40歳が中心です。

ミレニアル世代が最終的に郊外へ移り車を所有し続けるのか、それとも親世代とともに都市へ戻り、別の移動手段を選ぶのかは、まだ分かりません。確かと思われるのは、米国人の今後の自動車購入動向を予測するのは難しいということです。とりわけ自動車産業自体が、これほど大きな変化を遂げているときにはなおさらです。

自動車購入の未来

人々が車を買わなくなる日が来るかもしれませんが、そうなるかどうかはまったく定かではありません。実際、ウォール・ストリート・ジャーナルによると、2015年の米国の自動車販売台数は、15年前に記録した水準を上回りました。消費者の車への関心はしばらく強いままかもしれませんが、買い物や購入の習慣はすでに大きく変化しています。

確かな傾向の一つは、購入手続きをオンラインで始めることを好む消費者が増えていることです。ソーシャルメディアの役割もますます重要になっています。Dealer.comとGfK Automotive Researchによる2013年の調査では、車の購入検討者の84%がFacebookを利用しており、そのうち24%は車の購入に際してFacebookを情報源として使ったことがありました。さらに、消費者の38%が、次の車を購入する際にソーシャルメディアを参考にすると答えています。

年次調査「Automotive Social Media Trends Study」は3年連続で、車の購入者が車選びの過程で、販売店のウェブサイトよりソーシャルネットワークを重要視していることを明らかにしました。ソーシャルメディアは、今日の自動車消費者がオンラインで情報を探す方法の一つにすぎません。Edmunds.comやCars.comのようなサイトも、販売店に足を運ぶ前に消費者が参照する情報源として高く評価されています。

Digital Air Strikeによる2015年の「Automotive Social Media Trends Study」によると、車の購入者の75%が、販売店を選ぶ際にソーシャルメディアや口コミサイトを含むインターネット上の調査を最も役立つ手段と考えていました。オンラインで調べられているのは販売店だけではありません。CDK Globalが発表した最近の調査では、車の購入検討者の83%が、「オンライン購入技術は車種を絞り込み、予算に合う車を見極めるのに役立つ」と期待していました。80%は、オンラインで支払いプランを設定する可能性が高いと答えました。

いずれ消費者は、最終決定を下してオンラインで購入を完了する前に、販売店を訪れて試乗するようになるかもしれません。「工場のショールームは、『見せる』ことを重視するなら理にかなっています」と、デトロイト・ビューローのアイゼンスタインは述べました。「そこで車を試し、その後オンラインで購入できるからです。」

実際、レンタカーもカーシェアリングも試乗の機会を提供します。2013年、世界最大のレンタカー会社であり、Enterprise Rent-A-Car、National Car Rental、Alamo Rent A Carのブランドを運営するEnterprise Holdingsのために、Polkが調査を実施しました。同調査によると、Enterprise Holdingsのブランドから車を借りた顧客は、平均的な消費者よりレンタルから6カ月以内に新車を購入する可能性が55%高くなっています。Polkの分析では、小売販売された1,140万台のうち120万台が、Enterprise Holdingsのブランドから車を借りてから180日以内に消費者によって購入されていました。「今でも車を試すためにレンタカーを利用する人はいます」とアイゼンスタインは言います。「今後はそうする人がもっと増えるでしょう。」

フォードの南北アメリカ地域社長ジョー・ヒンリクスも同意し、2016年にオートモーティブ・ニュースのインタビューでこう述べました。「日貸しレンタカー会社とは良好な関係を築いています。……これは良いビジネスです。お客様に当社の車を体験していただけます。」

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