新たな研究によると、水熱液化と嫌気性消化を組み合わせた2段階の方法により、食品廃棄物からバイオ燃料を製造する工程を速め、炭素使用量を削減できる。
「食品廃棄物には高い価値があるはずです。私たちはそれを資源として扱い、市場で販売できる製品を作っています」と、筆頭著者でコーネル大学の博士研究員であるロイ・ポスマニク氏は述べる。「食品廃棄物も炭素です。大量の炭素なのです。」
研究者らは、嫌気性消化の前に水熱液化を行うことで、食品廃棄物からほぼすべてのエネルギーを取り出せることを示した。水熱液化では、廃棄物を加圧調理するように処理して粗製バイオオイルを生成する。このオイルは精製してバイオ燃料にできる。
水分を含む状態で残った食品廃棄物は、数日以内に微生物によって嫌気性消化される。微生物は廃棄物をメタンに変換し、商業規模の電力と熱の生産に利用できる。
「嫌気性消化だけを使うと、食品廃棄物がエネルギーに変わるまで数週間待つことになります」とポスマニク氏は述べる。
「水熱処理で得られる水性生成物は、未処理のバイオマスをそのまま使うよりも、嫌気性消化の微生物にとってはるかに適しています。水熱処理と嫌気性消化を組み合わせれば、効率が高まり、処理も速くなります。水熱液化には数分、嫌気性消化槽での処理には数日かかるということです」とポスマニク氏は述べる。
米国農務省によると、米国の自治体の埋立地に持ち込まれる廃棄物のうち、食品廃棄物が最大の割合を占める。国連食糧農業機関によると、世界の食料の約3分の1、約13億トンが失われるか廃棄されている。
すべての工業国を合わせると、食品廃棄物による損失は年間約6,800億ドルに上る。さらに、食品廃棄物の堆肥化や消化処理は非効率で時間がかかる。
工学的な処理工程の最初に水熱液化を行い、最後に嫌気性消化を行うことで、食料・水・エネルギーの結びつきが完成すると、ポスマニク氏は述べる。
「埋立地に送る廃棄物の量を減らし、炭素排出量も削減しなければなりません。自動車を走らせるために地下から石油を採掘せずに済むようになったり、嫌気性消化で再生可能な電力を作ったりできれば、エネルギー安全保障と食料安全保障を強化できます」と同氏は述べる。
この研究は、学術誌「Bioresource Technology」に掲載された。共著者には、コーネル大学とチリ教皇庁立カトリック大学の研究者が名を連ねている。
この研究は、BARD(米国・イスラエル二国間農業研究開発基金)、コーネル大学アトキンソン持続可能な未来センター、コーネル・エネルギー研究所、チリ科学技術基金の支援を受けた。
出典:コーネル大学
原著論文 DOI: 10.1016/j.biortech.2017.02.095
