2030年までに非感染性疾患による早期死亡を3分の1減らすことを目指すSDG 3.4は、各国が肺がんを減らす計画を盛り込んで初めて達成できます。
肺がんコラボレーションは、検診と早期発見、肺がん患者が受ける医療の質、そして必要なインフラへの資金提供と整備を各国に促すという3つの分野で、改善を推進する役割を担っています。
革新的な技術の活用を拡大すれば、肺がんの生存率は大幅に向上します。
2030年までに、肺がんによる早期死亡は30%増加すると推計されています。同時に各国は、国連の持続可能な開発目標(SDG 3.4)を通じて、非感染性疾患(NCD)による早期死亡を3分の1減らすという大きな課題に直面しています。
肺がんは主要なNCDの一つであり、こうした統計は、肺がんの予防、発見、治療への取り組みを再考し、再設計し、刷新する必要性を示しています。肺がんはがんによる早期死亡の最大の原因であるため、肺がんによる死亡を具体的に減らす介入策がなければ、世界の多くの地域でSDG 3.4の達成は夢物語です。
現在、世界の肺がん対策は、たばこ規制による一次予防とリスク低減を中心に進められてきました。これは重要な優先課題ですが、喫煙関連疾患がもたらす現在の影響に対処するには不十分であり、肺がんの早期診断と適切な医療へのアクセスを通じて死亡を減らす機会も十分に生かされていません。私たちは、世界の医療保健アジェンダにおける肺がんの優先度をさらに高め、各国が今行動してSDG 3.4の目標を達成するよう促すことを目指しています。
肺がん対策に向けた連携
2021年以降、肺がんを死因からなくすという大胆な目標を掲げる世界的連合、Lung Ambition Allianceは、世界経済フォーラムと協力し、Lung Cancer Collaboration(LCC)の名の下に、30を超える組織、製薬業界の企業、個人と連携してきました。世界の保健医療を率いる人々が集まり、3つの主要分野で改善を進める方法を特定し、各国で肺がんの優先度を高めることを目指しています。
主要分野には、検診と早期発見、肺がん患者が受ける医療の質、そして肺がんの早期発見と質の高い医療を支えるインフラへの資金提供と整備を各国に促すことが含まれます。
私たちの提言は明快です。対象を絞った肺がん検診と早期診断を導入する意義を、説得力をもって示すことです。各国は、標準化された革新的な技術を通じて、肺がんの早期発見を優先し、特にリスクの高い人々や、歴史的に十分な医療を受けられてこなかった人々の死亡を減らす最も効果的な介入策として推進する必要があります。低・中所得国ではすでに革新が見られ、特に、肺がんの早期診断を可能にし、患者紹介や診断の流れを改善するため、X線画像への人工知能の活用が拡大しています。
治療開始の迅速化
肺がん患者が受ける医療の質も考慮しなければなりません。治療成果を高めるには、適切な治療を適切な時期に提供する必要があります。そのためには、患者が初めて医療機関と接してから診断、治療開始に至るまでの時間を短縮し、多職種連携医療を導入するとともに、手頃な価格で利用しやすい肺がん医療技術に投資することが求められます。
しかし、肺がんへの投資を優先しなければ、こうした取り組みは実現できません。各国は肺がん対策に投資する必要があり、各国のがん対策計画(NCCP)には肺がんを盛り込み、費用対効果分析に基づいて、より賢明な投資判断を支える必要があります。
改善に向けて行動する機会は今です。成功のためには、世界各地の保健医療制度、産業界、学術機関、医療従事者など、官民双方から大きな支援と協力を得る必要があります。新型コロナウイルス感染症のパンデミック発生後、世界のコミュニティとして成し遂げたことは、肺がん対策でも連携プロジェクトを実現できることを示しています。
迅速に行動する
官民が共同で主導するプログラムは、大きな取り組みをいかに迅速に実現できるかを示しています。このパートナーシップの提案において、肺がん対策を次なる国内および世界の優先課題としなければなりません。
世界保健総会が、NCDの予防と管理をめぐる連携強化に取り組んでいることを大変心強く思います。こうした取り組みは、報告書で示した提言と目標の一環として、各国のNCCPに肺がんの早期発見とケアを組み込むという私たちの目標に沿うものです。報告書の題名は、「肺がんに対する緊急かつ協調的な世界的行動」です。
肺がんの変革を目指す私たちの取り組みに加わってください。肺がんとともに生きる人々が肺がんを克服した人となる未来を目指します。

