インドが2025年までに結核を撲滅する方法

A woman with suspected Tuberculosis (TBC) waits for her treatment at a TBC hospital in Makassar in Indonesia's South Sulawesi province October 23, 2009. WHO said every year nine million people are infected with TBC, with two million deaths. Indonesia comes third after India and China with the most number of TBC patients. REUTERS/Yusuf Ahmad (INDONESIA HEALTH POLITICS) - RTXPXFQ
India has the largest burden of TB cases in the worldImage: REUTERS/Yusuf Ahma
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インドの結核(TB)危機の深刻さは、驚くべき規模に達している。

同国は世界最大の結核負担を抱えており、推定患者数は280万人に上る。また、結核はインド国民の死因の第1位である。

最近の動きから、ナレンドラ・モディ首相の政府が事態の深刻さを認識していることがうかがえる。3月のWHO東南アジア地域会合で、インドのJPナッダ保健相は、2025年までに国内の結核流行を終息させると誓約し、そのための積極的な戦略を最終決定中だと述べた。

インドがこのような高い目標を達成するには、多剤耐性(MDR)結核の脅威に対処し、分断されたインドの医療制度を乗り越える方法を見いだす、大胆で変革をもたらす取り組みが必要となる。

健康面での進展

3月下旬、私はCSISとともにインドを訪れ、急速な経済成長が同国の健康状態を大きく改善してきた様子を調べるとともに、ある団体が治療を患者に直接届けて結核対策で成果を上げていることを知った。

インドは世界の結核患者の27%超を占めている。それによる経済的損失は、賃金損失が年間3億ドル、インド経済への間接的な損失が230億ドルに上る。これは職員の欠勤や生産性の低下によるものだ。

社会的な偏見や、公的部門で質の高い医療サービスを受けにくいことから、患者は治療をためらうことが多い。大半の患者は、民間医療制度の正規または非正規の提供者から治療を受ける。しかし、この部門はほとんど規制されておらず、データ収集も不十分なため、治療期間を通じて患者を追跡するのは難しい。

さらなる障壁

政府の政策も治療への障壁を増やしている。新薬ベダキリンの使用が承認され、多剤耐性結核の患者に希望がもたらされたものの、在庫が限られているため、薬を入手できるのは国内6州にとどまる。治療を受けるには、対象州のいずれかに3年間居住していなければならない。

こうした規則は1月に法的な異議申し立てを受け、デリー高等裁判所は、居住要件を満たさない重症の多剤耐性結核患者については例外を認めなければならないとの判断を示した。

インドでは、少数の医療専門家が結核危機に対する創意工夫に富んだ解決策を見いだしている。南デリーのサリタ・ビハール地区に拠点を置くNGO、オペレーションASHA(OpASHA)は、2006年以降、世界で1,460万人に結核治療と教育サービスを提供してきた。

どのように?

地域に根ざしたアプローチ

世界保健機関(WHO)の標準的な結核治療モデル、DOTS(直接服薬確認短期療法)を、移動診療所を通じてスラムの中心部に直接届けている。OpASHAの実践的な地域密着型アプローチにより、患者は治療計画を守りやすくなった。その結果、毎日服薬を逃す患者は3%未満となり、公的医療制度の36%と比べて大幅に少ない。

インドでは長年、結核患者の推定数が増加する一方、患者の発見率は低いままだ。

その主な理由は、都市部のスラムや農村地域の患者が、公的医療制度の利用を選ばないことにある。薬を1回服用するために遠方の医療施設まで出向くか、家族を養うために働きに行くかという選択を迫られれば、患者が後者を選ぶのは当然だ。

私たちはOpASHAの代表、シェリー・バトラ博士に話を聞いた。同博士によると、同団体の取り組みは、薬を患者の自宅まで直接届けたり、地域内の利用しやすい受け取り場所に置いたりすることで、患者の時間と費用を節約しているという。

服薬状況のモニタリング

OpASHAはマイクロソフトとも提携し、結核治療薬の服用継続を支援するモニタリングシステム「eCompliance」を開発した。この方法では、医療従事者と患者の双方がモバイル端末の指紋リーダーに指紋を提示しなければ、治療を実施できない。eComplianceにより、治療を完了しない患者の割合である脱落率は1%未満に低下した。

こうした費用は、より従来型の取り組みと比べても有利だ。

米国国際開発庁(USAID)は、インド全土で結核を迅速に診断するため、現地では一般名のCBNAAT(カートリッジ式核酸増幅検査)として知られるGeneXpert装置の調達を支援してきた。しかし、結核診断の推奨手段として高く評価されている一方で、装置1台の価格は約2万ドルだ。都市部のスラムに設置するために装置をさらに購入するだけでは、費用対効果の高い解決策とはいえない。これは、インドの公的医療施設で、初期の結核診断法としてCBNAATが一定の成果を上げているにもかかわらずである。

世界では、NGOが患者1人を発見するために平均852ドルを費やしている。これに対し、オペレーションASHAは発見と治療の両方に80ドルを費やし、eComplianceの患者1人当たりの費用は3.55ドル、すなわち162インドルピーである。

eComplianceによって費用が大幅に削減されるだけでなく、この技術は他の目的にも応用できる。インドの複数の州では、学校の出席状況、高血圧の治療、糖尿病の発見と管理などの追跡に活用している。

イノベーション

今回のインド訪問では、同国で最も有望な健康分野のイノベーションのいくつかが明らかになった。

インド国民の80%超は、今もほとんど規制されていない民間医療制度に依存している。

患者にこうした診療所まで出向いてもらうのではなく、オペレーションASHAのモデルのように、治療を患者のもとへ直接届けるのが現実的だ。

多面的な取り組みが必要な結核流行に対する唯一の解決策ではないものの、このアプローチは、世界でも特に支援が届きにくい地域で結核患者を治療するうえで、ラストマイルの提供が財政面でも現実的な方法となりうることを示す説得力のある事例だ。

ラストマイルの提供を重視するOpASHAのようなさらなるイノベーションは、2025年までに結核を撲滅するというインドの野心的な目標の実現に役立つ可能性がある。

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