スイスは融資や緊急融資を迅速に利用できるようにしている。
国際通貨基金(IMF)によると、新型コロナウイルス感染症はすでに世界を景気後退に陥らせている。
英国中小企業連盟は、支援へのアクセスを「悪夢のようだ」と評した。
スイスは、新型コロナウイルスの経済的影響を食い止めるため、中小企業への支援を迅速化している。景気後退に直面する他国にとっても参考となる取り組みだ。
世界各国の政府が金融支援策を市民向けに導入する一方、一部の国の企業からは、事業を維持するのに必要な資金を十分早く利用できないとの不満が出ている。
しかしスイス連邦参事会は、資金繰りの不足を補うため、融資枠を迅速に利用できるようにしている。同国は緊急融資を7万6,000社を超える中小企業に提供した。フィナンシャル・タイムズによると、これは欧州の他国を大幅に上回る。
迅速対応計画は、フィナンシャル・タイムズの報道によると、クレディ・スイス最高経営責任者(CEO)のトーマス・ゴットシュタイン氏が発案した。同氏はウエリ・マウラー財務相らと協力し、タスクフォースを設置した。
「重要なのは、手続きを迅速かつ簡潔に進め、できるだけ早く資金を企業の口座に振り込むことでした」とゴットシュタイン氏はフィナンシャル・タイムズに語った。
スイスは新型コロナウイルス感染症の流行で大きな打撃を受けた国の一つだ。3月16日、連邦参事会は国家非常事態を宣言し、4月19日まで全ての店舗、レストラン、バー、娯楽施設、学校を閉鎖した。また、5人以上の公共の集まりを禁止し、全ての市民に自宅待機を勧告した。
他国も危機を食い止めるため、厳格なロックダウン措置を実施している。こうした措置は人的被害の軽減に役立つはずだが、国際通貨基金(IMF)によると、すでに世界を景気後退に陥らせている。米国だけでも、3月後半の2週間に、失業給付を申請した人は約1,000万人に上った。
IMFは「2020年は世界金融危機よりも深刻になる」と述べている。「経済的損害は全ての国で拡大しており、新規感染者の急増と導入された封じ込め措置に連動している」
中小企業は世界経済の原動力であり、パンデミックによる打撃が特に大きい企業でもある。世界銀行によると、ほとんどの経済で重要な役割を担い、世界の企業の約90%、雇用の50%超を占める。
中小企業を支援するため、世界各国の政策立案者はさまざまな措置を講じている。米国政府は個人への一時的な税還付に加え、従業員を雇用し続ける中小企業を支援するため、返済免除の対象となる3,490億ドルの中小企業庁融資と保証を提供している。
中国政府は再貸出と再割引の枠を拡大し、零細・中小企業を支援するとともに、小規模企業の流動性を確保するための措置を講じた。
英国の新型コロナウイルス事業中断融資制度(CBILS)は課題に直面し、事業主からは資金を十分早く利用できなかったとの声が上がった。現在、制度は大幅に拡充され、対象範囲を広げるため、制度の内容や適用要件にもいくつかの変更が加えられている。
フィナンシャル・タイムズは、ドイツの緊急融資制度も「成果にばらつきがあった」と報じた。資金が届くまでに時間がかかりすぎているという。
英国では、中小企業連盟が、新型コロナウイルス事業中断融資制度へのアクセス改善を図る最新の措置を歓迎した。
「緊急融資を求めて銀行に相談した会員から、融資以外のものを提示されたという話を、これまで何度も聞いてきました」と、中小企業連盟(FSB)の全国会長マイク・チェリー氏は述べる。「銀行からは無利子、手数料無料、政府保証付きの支援が約束されていましたが、これまで多くの人にとって、融資を確保する手続きは悪夢のようなものでした」





