在宅勤務は生産性にどのような影響を与えたのか?英国の調査が答えを示す

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  • 新たな調査が、英国における在宅勤務への意識を探る。

  • 調査対象者の大半は、週の少なくとも一部はリモート勤務を続けたいと考えている。

  • これは従業員と雇用主の双方に課題をもたらす。

新型コロナウイルス感染症のパンデミックがもたらす、長期にわたる可能性のある影響の一つは、在宅勤務(WFH)が新たな常態となることだ。その影響は職場によって一様ではない(Adam-Prassl et al. 2020)。新たなオンライン調査を用いて、2021年1月と2月に、20~29歳、30~39歳、40~49歳、50~65歳の4つの年齢層から無作為に選んだ、英国で働く成人5,000人のデータを収集した。パートタイム労働者を除外するため、参加者はいずれも年間所得が£10,000を超えていた。

図1によると、回答者の52%が現在、在宅勤務をしている。事業所で働いていた回答者はわずか31%で、17%は働いていなかった。つまり、新型コロナウイルス感染症のパンデミック中は、事業所で働く人より在宅勤務をする人の割合が高い。また、他の研究でも明らかになったように、在宅勤務は新型コロナウイルス感染症の影響を和らげた(Adam-Prassl et al. 2020)。

これは、意思決定者パネルのデータが示す、この期間に在宅勤務をしていた約41%をやや上回る。この差の一部は2度目のロックダウンの影響を反映しており、また一部は、自宅でできる業務の割合が高い職種の労働者をより多く調査対象にしたためかもしれない(Bartik et al. 2020, Dingel and Neiman 2020)。

図1 どのくらいの頻度で在宅勤務をしていますか(2021年2月)?

回答者の半数以上が、在宅勤務をしたことがあると答えた。Image: VoxEU

注:データは、ノッティンガム大学とスタンフォード大学の委託を受け、Prolificが2021年1月と2月に実施した、英国在住者4,809人を対象とする2回の調査によるもの。回答者のサンプルは、年齢、性別、学歴について労働力調査の数値に合うよう再加重した。

さらに回答者に、「新型コロナ後の2022年以降、賃金が支払われる勤務日をどのくらいの頻度で自宅で過ごしたいですか」と尋ねた。図2は、パンデミック後にリモート勤務をしながら働くことを希望する回答者の割合を示す。図によると、約20%は両極端、つまり在宅勤務をまったくしない、あるいはすべての勤務日に行うことを希望し、ほぼ同じ割合が週2日または3日を希望している。自宅または職場で週1日働きたい人はそれより少ない。

図2 2022年には、賃金が支払われる勤務日をどのくらいの頻度で自宅で過ごしたいですか?

回答者の70%超が、毎週少なくとも1日は賃金が支払われる勤務日を自宅で過ごしたいと答えた。Image: VoxEU

注:データは、ノッティンガム大学とスタンフォード大学の委託を受け、Prolificが2021年1月と2月に実施した、英国在住者4,809人を対象とする2回の調査によるもの。回答者のサンプルは、年齢、性別、学歴について労働力調査の数値に合うよう再加重した。

つまり、新型コロナ後も英国の従業員は週に約2日在宅勤務を続けたいと考えているが、希望には大きなばらつきがある。これは雇用主にとって頭痛の種となるだろう。従業員に在宅勤務の日数を選ばせる一方、会議やイベントは対面とオンラインの混合形式で行うのだろうか。これは難しいことが知られている。さらに、在宅勤務をする人は長期的に昇進で不利になる可能性がある。幼い子どものいる女性など、特定の属性の人々が在宅勤務を多く選び、昇進の機会を逃すとすれば、多様性にとって大きな問題となる。あるいは企業は、個人の希望を差し置いて、希望の中央値に近い週2日の在宅勤務を全従業員に求めるのだろうか。オフィス勤務への復帰に伴い、管理職はこうした難しい問題に直面することになる。

米国のデータを用いたBarrero et al.(2020b)によると、パンデミックが始まって以来、在宅勤務に対する偏見は弱まっている。英国在住者の在宅勤務に対する偏見を明らかにするため、調査では次の質問をした。「新型コロナウイルス感染症のパンデミックが始まって以来、あなたの知人の間で在宅勤務に対する見方はどのように変わりましたか」。図3によると、英国の回答者の40%は在宅勤務への見方が大幅に改善したと答え、17%は非常に大きく改善したと答えた。リモート勤務への見方に変化がなかった人はわずか16%だった。したがって、英国では回答者の合計76%が在宅勤務に対する見方の改善を報告しており、リモート勤務にまつわる偏見が弱まったことが示されている。こうした認識には、先入観に照らした在宅勤務のコストや便益の評価も反映されている可能性があり、この点で在宅勤務は予想以上に良いものだった。

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図3 在宅勤務に対する見方はどのように変わりましたか?

回答者の大半は、在宅勤務に対する見方が改善したと答えた。Image: VoxEU

注:データは、ノッティンガム大学とスタンフォード大学の委託を受け、Prolificが2021年1月と2月に実施した、英国在住者4,809人を対象とする2回の調査によるもの。回答者のサンプルは、年齢、性別、学歴について労働力調査の数値に合うよう再加重した。

在宅勤務が従業員の生産性に与える影響

図4によると、意見にはばらつきがあるものの、従業員は平均して、在宅勤務では効率が約2%高まると考えている。パンデミック前に大きな懸念だった、在宅勤務は効率を大幅に低下させるという証拠は確かにない。そのため、感染率を下げながら経済を動かし続けるうえで、パンデミック中に在宅勤務ができたことは不可欠だった。

図3に示された従業員の在宅勤務希望と、図4に示された生産性へのプラスの影響が相まって、企業は従業員がオフィスと自宅で過ごす時間を分けるハイブリッド型勤務を検討するようになった(Financial Times、2月28日)。PwC、Lloyds、Barclays、BT、Aon、Virgin Mediaなど大手企業の従業員調査によると、英国の従業員は全面的なオフィス復帰よりハイブリッド型勤務を好む。405人の経営幹部を対象とした調査によると、中規模企業の4分の3がオフィス面積を縮小し、余ったオフィスを貸し出している(Financial Times、3月4日)。オフィス建設は前年比で432万平方フィートから361万平方フィートに減少し、空室も増えている。したがって、在宅勤務の急増は今後も続くと結論づけられる。

図4 在宅勤務をしてみて、生産性はどうでしたか?

回答者のほぼ半数が、在宅勤務時の生産性はほぼ変わらなかったと答えた。Image: VoxEU

注:データは、ノッティンガム大学とスタンフォード大学の委託を受け、Prolificが2021年1月と2月に実施した、英国在住者4,809人を対象とする2回の調査によるもの。回答者のサンプルは、年齢、性別、学歴について労働力調査の数値に合うよう再加重した。

在宅勤務の増加は、従業員にとって価値ある福利厚生となり、長期的な利益をもたらしそうだ。図5に示すように、回答者の多くはパンデミック後の在宅勤務に前向きだった。平均的な従業員は、週2日の在宅勤務を、収入の約6%に相当する福利厚生と捉えている。このような働き方の変化は、パンデミックがもたらした数少ない好ましい側面の一つかもしれない。ただし、パンデミック後に在宅勤務が認められる可能性は高所得の従業員ほど高いため、格差も拡大するだろう。

図5 新型コロナ後、週2日または3日の在宅勤務についてどう感じますか?

回答者の大半は、新型コロナウイルス感染症の収束後に在宅勤務をすることに前向きだ。Image: VoxEU

注:データは、ノッティンガム大学とスタンフォード大学の委託を受け、Prolificが2021年1月と2月に実施した、英国在住者4,809人を対象とする2回の調査によるもの。回答者のサンプルは、年齢、性別、学歴について労働力調査の数値に合うよう再加重した。

図6は、ワクチンが広く利用可能になった後のソーシャルディスタンスについて、回答者の見解を示す。英国の従業員を対象とした調査では、新型コロナ以前の活動すべてに完全に戻ると答えた人はわずか19%だった。これは、新型コロナウイルス感染症が個人の意識に長く影響することを示しており、80%超が混雑した地下鉄の車両やエレベーターに懸念を示した。

図6 新型コロナワクチンが承認された場合のソーシャルディスタンスに関する見解

新型コロナ以前の活動に完全に戻ることに抵抗がない回答者は、わずか19%だった。Image: VoxEU

注:データは、ノッティンガム大学とスタンフォード大学の委託を受け、Prolificが2021年1月と2月に実施した、英国在住者4,809人を対象とする2回の調査によるもの。回答者のサンプルは、年齢、性別、学歴について労働力調査の数値に合うよう再加重した。

英国では職場復帰の時期に不確実な点が残るものの、多くの労働者がパンデミックの終息後も長く在宅勤務を続けることは確実と思われる。

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