ロックダウンにより人間の活動と地殻への影響が大幅に減少し、地球は数十年ぶりの静けさに包まれた。
人々の移動や工場から発生する環境振動ノイズは50%低下し、観測史上最低水準となった。
背景ノイズが低下したことで、通常なら観測されなかった小規模な地震が検知された。
こうした小さな揺れの観測により、科学者は小規模なハザードがもたらす地震リスクを理解し、より大きな地震が起きる確率の評価にも役立てることができる。
世界規模の調査に取り組む科学者らによると、新型コロナウイルス感染症のパンデミックで人間の活動と地殻への影響が大幅に減少したため、2020年、地球は数十年ぶりの静けさに包まれた。
33カ国の地震学者からなる国際グループは、世界各地でロックダウンが始まった後、人々の移動や工場の稼働によって生じる、いわゆる環境振動ノイズが最大50%低下したことを測定した。
スイス連邦工科大学チューリヒ校(ETHチューリヒ)のスイス地震学サービスの専門家らを含むチームは、世界各地で分析した268カ所の地震観測所のうち、185カ所でノイズレベルの低下を測定した。
最も厳しいロックダウンが実施された週には、一部の観測所で都市部の環境振動ノイズが最大50%低下した。バスや列車の運行が縮小され、航空機が運航停止となり、工場が閉鎖されたためだ。
その結果、例年、年間で最も静かな時期とされるクリスマスよりも、はるかに静かになった。
「ロックダウン中の数週間は、記録に残る限り最も静かな期間でした」と、地震学者のジョン・クリントン氏は述べた。同氏は過去20年分を収録したデータアーカイブに言及している。
「人間が発するノイズは増え続けているので、非常に長い期間の中でも最も静かな時期だった可能性が極めて高いでしょう。」
ベルギー王立天文台のトーマス・ルコック氏が率いる専門家らは、ロックダウンがまず中国で始まり、次にイタリア、その後ヨーロッパの他の地域から南北アメリカへと広がるにつれて、世界各地を移動する「静寂の波」を追跡できた。
ロックダウン中に背景ノイズが低下したことで、通常なら観測されない小規模な地震が、一部の地域で検知された。
科学者のフレデリック・マサン氏によると、小さな揺れを観測することで地震ハザードへの理解を深められるほか、将来、より大きな地震が起きる確率の評価にも役立つ。
「これは前例のない機会でした。通常なら、このような実験を行うことは到底できません」とマサン氏は述べた。
