世界保健機関(WHO)の調査によると、地球上のほぼすべての人が、健康を損ない、しばしば死に至る結果をもたらす可能性のある汚れた空気を吸っています。
若い世代が最も大きなリスクにさらされています。2016年には、大気汚染が15歳未満の子ども50万人以上の死亡の一因となりました。
WHOによると、大気汚染は子どもの健康に対する主要な脅威の一つです。5歳未満の子どもの死亡のほぼ10人に1人を占めています。汚染された空気にさらされた妊婦は早産する可能性が高く、出生時の体重が少ない小さな子どもを出産する傾向があります。汚染された空気への曝露が、子どもの神経発達や認知能力に有害な影響を及ぼすという証拠もあります。また、ぜんそくや小児がんを引き起こすこともあります。大気汚染に高濃度でさらされた子どもは、後年、心血管疾患などの慢性疾患にかかるリスクが高まる可能性も、研究で示されています。
これらは、WHOの報告書「クリーンな空気を処方する」で明らかになった知見の一部です。同報告書によると、世界人口の90%以上が有害な空気を吸っており、大気汚染が原因の病気によって毎年約700万人が早死にしています。WHOによれば、問題は屋外の大気の質だけではありません。家庭内の大気汚染も人々の健康を損なっており、特に調理、暖房、照明によって発生する煙が問題となっています。
10月30日火曜日にジュネーブで開幕する、WHO初の「大気汚染と健康に関する世界会議」で、WHOは産業界と各国政府に対し、大気の質を改善するため、より大胆で効果的な措置を講じるよう呼びかけます。これには、化石燃料への世界的な依存を減らし、再生可能エネルギーの利用を増やし、エネルギー効率を高めることが含まれます。
WHOは、家庭での調理、暖房、照明にクリーンな技術と燃料のみを使用するよう求めています。また、廃棄物管理を改善すれば、地域社会で焼却される廃棄物の量を減らすことにもつながります。
世界で最も汚染のひどい都市の一部は新興国にありますが、これはまさに地球規模の現象です。
グリーンピースは、南アフリカのムプマランガ州を二酸化窒素汚染が地球上で最も深刻な場所に挙げています。インドの都市、デリーは、過度な大気汚染にたびたび見舞われています。
欧州連合(EU)も深刻な大気汚染問題を抱えています。大気の質の悪化により、毎年約40万人が早死にしています。EUの環境機関によると、大気汚染は大陸全体で徐々に改善しているものの、依然としてWHOが定める指針の基準を超えています。
欧州環境機関のハンス・ブルイニンクス長官は、道路交通、農業、エネルギー生産、産業、家庭からの排出が高い汚染物質濃度の原因だと述べ、次のように付け加えています。「大気汚染は目に見えない殺人者です。原因に対処する取り組みを強化する必要があります」。また欧州に対し、「運輸、エネルギー、農業に起因する排出を削減する取り組みを倍増させ、これらの分野をよりクリーンで持続可能なものにするため投資すべきだ」と呼びかけました。

