ほとんどの医療治療が効果を発揮するかは分からず、有害かどうかについてはさらに分かっていない――新たな研究

Patients with ailments for which there are no effective medical treatments may be willing to try treatments that are not yet even supported by low-quality evidence.
Patients with ailments for which there are no effective medical treatments may be willing to try treatments that are not yet even supported by low-quality evidence.Image: Unsplash/Volodymyr Hryshchenko
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  • 最近の研究によると、効果を裏付ける質の高いエビデンスがある医療治療は20件に1件にすぎない。

  • 治療の有害性は効果よりもはるかに測定される頻度が低く、治療レビューの33%でしか報告されていない。

  • 広く使われているものの、効果と有害性について質の高いエビデンスにまだ裏付けられていない治療に関し、質の高いエビデンスを生み出すため、研究資金をさらに投入する必要がある。

医療治療のうち、効果を裏付ける質の高いエビデンスがあるのは20件に1件にすぎないと、最近の研究が示した。この研究ではまた、治療の有害性が測定される頻度は効果に比べてはるかに低く、その割合は約3分の1であることも明らかになった。

患者や医師、そして医療費を負担する人々は、医療治療が安全で効果的だと知る必要がある。しかし、医療分野では、一般的に使われるものも含め、すべての治療が安全で効果的とは限らないことは、公然の秘密となっている。例えば、抗不整脈薬は心臓発作による死亡を減らすと信じられて広く処方されていたが、臨床試験で、実際には死亡リスクを高めることが判明した。

別の例では、乳児は吐いたものを喉に詰まらせにくくなるという専門家の見解に基づき、うつ伏せで寝かせることが推奨されていた。しかし大規模な研究で、うつ伏せ寝は乳幼児突然死症候群のリスクを高めることが分かった。

では、医療治療に関するエビデンスの不足は、なぜ大きな問題なのだろうか?

2000年代初頭、研究者らは、医療治療の4分の1から半分が質の高いエビデンスに裏付けられていると推定していた。しかし、これらの推定は現在では古く、エビデンスの質を判断するために研究者の意見など旧来の手法が使われていた。より最近では、2020年にさらに厳密な推定が公表され、質の高いエビデンスに基づいていた医療治療は10%にすぎないとされた。ただし、この推定は151件の研究という小規模な標本に基づいていた。

一方で、今もほとんどの医療治療は効くはずだと主張する人もいる。そうでなければ、私たちが曽祖父母より10年長く生きていることをどう説明できるだろうか?しかし、寿命の延びは少なくとも一部、清潔な水や栄養状態の改善、公衆衛生対策、そして喫煙制限などで説明できる。

医療治療の95%には、その効果を裏付ける質の高いエビデンスがない。Image: Unsplash/Johnny McClung

医療治療の実態をより正確に捉える

十分なエビデンスに基づく治療の割合をめぐる議論に決着をつけるため、英国(オックスフォード大学)、米国、スイス、ギリシャの研究者からなる国際チームが、1,567件の医療介入を対象とした大規模研究を実施した。標本には、2008年から2021年までにコクランレビューで検証されたすべての医療治療が含まれていた。コクランレビューは厳密な研究であり、治療に関する入手可能な関連エビデンスをすべて統合する。国内外の医療ガイドラインでしばしば参照されている。

2008年を区切りの年としたのは、この年にコクランレビューが、エビデンスの信頼性を評価するためのエビデンスの質と推奨の強さの評価システム(GRADE)を取り入れたためである。意見に頼ることが多かった以前の推定とは異なり、GRADEはより広く受け入れられており、世界中の100を超える組織で使われている。GRADEでは、エビデンスの質を「高」「中」「低」「非常に低」に分類する。

この研究では、医療治療の95%に、その効果を裏付ける質の高いエビデンスがないことが明らかになった。さらに、有害性が報告されているのはコクランレビューの約33%にすぎない。

医療介入の有害性がほとんど定量化されていないことは、とりわけ懸念される。医師や患者が治療を使うかどうかを判断するには、効果が有害性を上回るかどうかを知る必要がある。有害性が十分に測定されていなければ、「十分な情報に基づく選択」はできない。

この研究の潜在的な限界の一つは、GRADEの基準が厳しすぎる可能性があることだ。効果が質の高いエビデンスで裏付けられていなくても、中程度の質のエビデンスで裏付けられていれば、医師や患者はその治療を使うことに抵抗がないかもしれない。これが正しいとしても、この研究では、質が高い、または中程度のエビデンスに裏付けられている治療は半数未満だった。

有効な医療治療がない病気を抱える患者は、低い質のエビデンスさえまだ得られていない治療を試したいと思うかもしれない。この研究を、そうした患者の選択を制限するために使うべきではない。

また、標本が代表性を備えていなかった可能性もある。理論上、最近のコクランレビューで検証された治療は、より古い治療より効果が低い、または質の低いエビデンスに基づいている可能性がある。しかし、コクランレビューの厳密さを考えれば、その可能性は低いと思われる。

実際には、医師は「適応外」治療を使うことがある。こうした治療はコクランレビューで検討されている可能性が低く、一般に、それを裏付けるエビデンスの質も低い。こうした潜在的な限界があるにもかかわらず、この研究は、ほとんどの医療治療が質の高いエビデンスに裏付けられていないことを示した。

医師や患者、医療費を負担する人々は、効果と安全性が質の高いエビデンスによって確立されている治療に注目するとよいだろう。広く使われているものの、効果と有害性について質の高いエビデンスにまだ裏付けられていない治療に関し、質の高いエビデンスを生み出すために研究資金を配分すべきだ。

最後に、潜在的な有害性は、潜在的な効果と同じ厳密さで測定すべきである。エビデンスに基づく医療の分野が、より質の高い研究を引き続き求めるのは正しい。また、医療治療に関する質の高いエビデンスが広く見られるようになっている、あるいは改善しているという見方に懐疑的なのも妥当である。

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