現在の食料危機はどの国に影響を及ぼしているのか、状況を改善するにはどうすればよいのか?

The Ukraine Russia war has lead to a food crisis around the world, with food prices surging high in already distressed economies.
The danger of an overlapping debt and food crisis is greatest for seven countries in particular – Afghanistan, Eritrea, Mauritania, Somalia, Sudan, Tajikistan and Yemen.Image: Unsplash/Jeremy Bezanger
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  • 世界銀行のデータによると、すでに債務危機に陥っている、またはそのリスクが高い貧困国で、食料費が最も急速に上昇している。

  • 債務危機と食料危機が重なる危険が特に大きいのは、アフガニスタン、エリトリア、モーリタニア、ソマリア、スーダン、タジキスタン、イエメンの7カ国だ。

  • 解決に向けた第一歩は、緊急支援を拡大することだ。世界銀行グループは今後15カ月間、途上国の食料安全保障を改善するため、最大300億ドルを利用可能にする。

  • 債務再編と債務救済も緊急の優先課題とすべきであり、世界各国の政策立案者には迅速に行動する責務がある。

ウクライナでの戦争は、世界で最も貧しい国々の多くに、近く悲劇的な打撃をもたらす恐れがある。債務危機のリスクが最も高い国々の多くが、食料危機の脅威にも直面している。

すでに債務危機に陥っている、またはそのリスクが高い貧困国では、食料輸入費が最も急速に上昇していると、世界銀行の最新データは示している。今後1年間、これらの国々の小麦、コメ、トウモロコシの輸入費は、GDP比で1%を超える額だけ増加すると見込まれる。これは2021~2022年の増加幅の2倍を超える。また、これらの経済規模が比較的小さいことを踏まえると、中所得国で予想される増加幅の2倍にも当たる。

債務危機と食料危機が重なる危険が特に大きいのは、債務危機に陥るリスクが高い、またはすでに危機に陥っている次の7カ国だ。アフガニスタン、エリトリア、モーリタニア、ソマリア、スーダン、タジキスタン、イエメン。しかし、複数の中所得国もリスクにさらされている。その中には、一部債務危機と食料危機が同時に進行している国もある。

現在の食料危機を受け、貧困国では食料を買うために家財を売る家庭が出ている。Image: 世界銀行グループ-マクロ経済、貿易・投資グローバル・プラクティス

食料危機はそれ自体が深刻な打撃となる。2008年の食料危機では、特に子どもの栄養不良が急増した。貧困国では、食料を買うために家財を売る家庭が出た。最も貧しい家庭では子どもを退学させることになり、こうした家庭の子どもの中には、退学率が最大50%に達したところもあった。しかし、食料危機が債務危機と重なると、その影響はさらに深刻化する。巨額の債務によって地方政府は身動きが取れなくなり、国際支援だけが打開策となる。

現在の食料危機で最も深刻な影響を受ける最貧国

とりわけアフリカの最貧国は、ロシアとウクライナからの食料輸入に極めて大きく依存している。最貧国を複数含むアフリカの最大25カ国は、小麦の少なくとも3分の1をこの2カ国から輸入している。うち15カ国では、その割合が50%を超える。短期的にアフリカ域内で代替調達先を見つける余地はほとんどない。域内供給が比較的少ないうえ、輸送インフラや貯蔵能力も限られているためだ。

さらに、こうした国々では債務問題が深刻化しており、それは新型コロナウイルス感染症のパンデミックよりずっと前から続いていた。2020年末までに、これらの国々が外国の債権者に負う公的債務および公的保証付き債務は、過去最高の1,238億ドルに達し、2010年から約75%増加した。これらの国々の債務返済額は現在、輸出収入の約10%を占めており、10年前の4%未満から上昇している。

これらの国々は、新型コロナウイルス感染症のショックにも十分対応できる態勢になく、その結果、多くが債務危機に陥った。今年、公的対外債務および公的保証付き対外債務の返済に数十億ドルを要することを考えれば、差し迫る食料危機に対処する能力はほぼないに等しい。国外からの支援が必要となる。

まず、リスクにさらされている国々への緊急支援を拡大すべきだ。今後15カ月間、世界銀行グループは、途上国の食料安全保障を改善するため最大300億ドルを利用可能にする。また、G7各国の首脳は同じ目的に向けて45億ドルを拠出すると表明した。国際資金は、最も脆弱な世帯を対象に、政府が的を絞った費用対効果の高い現金給付を実施できるようにするなど、差し迫った危険に直面する人々に届けるべきだ。また、リスクにさらされている国々が、農家の肥料入手を改善するために必要な投資を行い、国内の食料システムを変革して、生産性、効率性、強靭性を高められるよう支援すべきだ。

緊急支援に加えて、食料危機のリスクが最も高い国々の状況を悪化させない責務を、すべての国が負っている。しかし、多くの国がすでに2008年の食料危機の過ちを繰り返している。国内価格を抑えるため、食料や肥料の輸出を制限する国があまりにも多い。6月初め時点で34カ国がそうした措置を講じており、2008~2012年の食料危機時の国数に近い。こうした措置は必ず裏目に出て、食料価格を急騰させる。価格を落ち着かせるどころではない。

最後に、債務負担が持続不可能な国々では、債務再編と債務救済を緊急の優先課題とすべきだ。低所得国のうち、今年、債務返済が困難になる国は増える見込みだ。そうした状況に近づいている国は、G20の「債務処理のための共通枠組み」に基づく救済を申請すべきだ。これまでに申請した国は3カ国にとどまり、その進展の遅さが他国の申請をためらわせている可能性がある。世界銀行とIMFは、手続きを迅速化し、民間債権者の一層幅広い参加を促すため、いくつかの選択肢を提案している。

最貧国は、数十年にわたって経験してこなかった危険に直面している。しかし、債務危機と食料危機が同時に起きることほど、貧困層に深刻な打撃を与える事態はほとんどない。だからこそ、世界各国の政策立案者には、危機を防ぐため迅速かつ断固として行動する責務がある。

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