発展途上国が新型コロナウイルスに打ち勝つために、集合知が役立つ5つの方法

Working together to mitigate the pandemic.
As COVID-19 starts to threaten less developed economies, it's vital we support these in any way we can.Image: Shutterstock
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  • 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が開発途上国を脅かすなか、集合知とテクノロジーは、パンデミックの状況や対応策に関する知見をもたらすことで役立ちます。

  • こうしたアイデアには、地域社会の資産を特定することや、より効果的な緊急対応の拡充を支援することが含まれます。

これまで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが最も大きな影響を及ぼしてきたのは、医療制度が充実した先進国の経済圏です。その結果は恐ろしいものでした。しかし、パンデミックの中心地は再び移り、紛争が何年も続いてすでに脆弱な国々を含む、低・中所得国へと向かう可能性があります。多くの国が、まったくと言っていいほど備えができていません。

Nestaは最近、パンデミックを受けて驚くほど多くの集合知イニシアチブが生まれたことを取り上げました。人々の知見、データ、機械知能を組み合わせ、危機の緩和を目指す取り組みです。科学者が市民に協力を呼びかけ、ウイルスと闘うタンパク質の設計を進めるものから、DIYバイオロジーのコミュニティが協力してオープンソースの検査キットを設計するものまであります。

そこで、開発途上国がCOVID-19への対応を進めるにあたり、役立つ可能性のある、簡単な集合知プロジェクトのアイデアを5つ紹介します。

1. 医療用品の需要を地図化する

交渉力が弱く、医療制度も脆弱な貧しい国々は、マスクや人工呼吸器などの重要な機器をめぐって豊かな国々と競わなければならず、さらなる困難に直面します。どこでどの機器が必要とされているかを把握することさえ、公衆衛生情報システムが脆弱な国々では大きな課題となるでしょう。

2009年、市民社会組織がツールを作成し、研究者や活動家がアフリカ全域で入手可能な必須医薬品の供給状況を地図上に示せるようにしました。

このアイデアをCOVID-19に応用すれば、最前線で働く人々や緊急対応要員が、既存の技術であるFrontline SMSなどを使い、主要な機器の不足や供給量の少なさを共通のウェブサイトに報告できます。そのデータを地図上に表示すれば、不足している場所が分かります。

これにより政府は、各医療施設のニーズや、さらには施設の現在の対応能力をリアルタイムで詳細に把握できます。また、人道支援機関、企業、地元メーカーが、供給の少ない地域で対応する助けにもなります。

2. オープンソースによる地域生産

これまでの危機では、Field Readyなどの組織が、人道支援物資の現地生産を先駆けて進めてきました。従来の物流が機能しない紛争地域に、重要な機器を迅速かつ低コストで届けています。COVID-19への対応にもこうしたアイデアを取り入れ、オープンソースの設計・エンジニアリングコミュニティの活力を生かせるでしょう。

最前線で働く人々は、Frontline SMSを使って機器の不足や供給量の少なさを報告できます。Image: FrontLine SMS

政府は、3Dプリンターなどの道具を使う地域のメイカースペースを「重要インフラ」に指定し、ロックダウン中も運営を続けられるよう検討すべきです。病院や診療所とつなげれば、地域での製造能力を確保でき、個人用防護具(PPE)や交換部品などの必需品の供給に役立ちます。

優れた設計は、その後、より大きな生産能力を持つ地元メーカーによって規模を拡大できます。クラウドソーシングによるオープンソース設計のリポジトリも支えになるでしょう。たとえば、フェイスシールドの作り方や、再生材料を使ってガウンを作る方法などです。公開された設計を対象に、現場での実用性や安全性を迅速に審査すれば、貴重な追加情報が得られます。

3. 地域社会の資産を特定する

すでに新たな証拠が英国から出ており、過密な居住環境がCOVID-19の感染拡大を速めることが示されています。世界では、最大10億人が人口密度の高いスラムに暮らしています。2018年、インドの研究者は、社会的距離を保っていても、インフルエンザに似た呼吸器疾患の感染率は、スラムの住民でその他の人々より44%高くなると推定しました。その大きな要因の一つが過密状態です。

多くの家族が一部屋を共有するスラムの窮屈な環境で暮らす人々にとって、自宅で自主隔離するのははるかに困難です。別の対策が必要になります。

学校や教会などを転用すれば、COVID-19の症状がある人が速やかに自主隔離できるようになります。中国では、スタジアムが転用され大規模な隔離施設となり、家族内で感染が広がるリスクを抑えるのに役立ちました。

「OpenStreetMap」などの地図作成ツールを自治体、企業、地域団体と連携して使えば、こうした施設の場所を特定できます。Humanitarian OpenStreetMapはすでにボランティアの地図作成コミュニティを動員しており、「Open Cities」の取り組みには、危機へのレジリエンスを高めるための地域地図作成に関する豊富な専門知識があります。

4. より効果的な緊急対応の拡充

多くの国はすでに、慢性的な医療従事者不足に直面しています。しかし、世界の看護師不足の89%は、低所得国と低中所得国に集中しています。

HIV/AIDSのパンデミックやエボラ出血熱の流行時には、各国が影響を受けた地域のコミュニティから地域保健従事者を迅速に訓練し、動員しました。現在も地域保健従事者は、COVID-19に感染した人の数や症状を追跡するうえで重要な役割を果たす可能性があります。

地域保健従事者が使えるよう症状報告ツールを改良すれば、政府や人道支援機関は、ウイルス感染のホットスポットとなりそうな場所を特定し、国内で最も効果的に緊急対応能力を拡充・縮小できるようになります。急速に進むパンデミックと、すでに逼迫している資源を前に、政府や人道支援組織は連携を強化し、協力に注力する必要があります。

5. 医療分野の集合知

COVID-19のパンデミックはあまりに速いペースで進んでいるため、査読付き学術誌を通じて知識を共有する従来のプロセスでは、対応が遅すぎることがしばしばあります。そこで医師たちは、専門的なディスカッショングループに参加し、FacebookやTwitterなどのソーシャルメディア上で、医療分野の集合知とも言える仕組みを作り、リアルタイムで解決策を生み出しています。

その一つに、医師免許を持つ医師向けのFacebookグループPMG COVID19 Subgroupがあります。世界中に35,000人を超えるメンバーがいます。こうした迅速な情報共有では、誤りや誤情報が拡散するリスクがあり、内容は常に注意深く批判的に検討すべきです。しかし、これまでのところ、新たな治療プロトコルの開発に役立っています。

医師が少ない貧しい国々では、世界各地の最前線で働く医療専門家や人道支援機関の集合知を結集することで、関連知識の創出と普及を早められる可能性があります。WeFarmのような集合知プロジェクトが参考になるでしょう。WeFarmはテキストメッセージと機械学習を使って、東アフリカの農家を、質問への回答を支援できる他の農家と結びつけます(質問は4言語に翻訳されます)。

過去のパンデミックから、読み書き能力が低い人や、主要な国語を十分に使えない人は、公衆衛生に関する十分な情報を得られない傾向にあることが分かっています。世界規模の集合知を活用すれば、ウイルスに関連する一般的な語句を母語や固有の言語で集めた、クラウドソーシング型の用語集の作成も加速できます。たとえば、Translators Without Bordersが作成したものがあります。

これまでの経験から、人道支援従事者は緊急対応の最中に新たなイノベーションを取り入れるのに苦労することがあります。しかし、時間は極めて重要です。既存のツールや実証済みの手法を転用することに注力すれば、パンデミックの次の波を抑える助けになるかもしれません。

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