32億人が日々のたんぱく質を魚に頼っています。
しかし、国連は魚の消費が持続不可能になっていると警告しています。
スコットランドのプロジェクトにより、乱獲でかつて壊滅的な被害を受けた海域で、海洋生物が繁栄するようになりました。
推定32億人が、動物性たんぱく質の摂取量のほぼ5分の1を魚に頼っています。しかし国連は、世界各地で漁業慣行が持続不可能になっていると警告しています。
その結果、いわゆる禁漁区や海洋保護区の設置が各地で進み、多くの海洋生態系の回復に役立っています。
スコットランド西岸沖のクライド湾は、その顕著な例です。かつてこの海域では魚が非常に豊富で、一部の種は害魚と見なされていました。当然ながら、この地域では漁業が大きな産業となり、直接雇用で数百人、加工品の包装、加工、販売などの関連業務でさらに数千人を雇用していました。
しかし、好況は長く続きませんでした。数十年にわたる乱獲、不適切な管理、浚渫などの破壊的な手法で海底を削る行為により、生息地と生物多様性が失われました。海洋生物の個体数は大幅に減少し、漁業は崩壊しました。
劇的な回復
こうして2008年、クライド湾のアラン島周辺海域に禁漁区が設けられました。面積は2.67平方キロメートルで、スコットランドで初めての、地域主導によるこの種の海洋保護区でした。禁漁区内では、海域からも海底からも、魚や貝類を採ることはできません。
その効果は変革的なものでした。この海域は稚魚の育成場となり、とりわけ、漁業の主力であり、魚を食べる英国の人々に広く愛されているタラが増えています。
イタヤガイの個体密度は2013年と比べて現在3.7倍に増加し、禁漁区内のロブスターは、区外の個体より5.7倍多くの卵を産みます。
世界的な解決策となるか?
アラン島はスコットランド初の禁漁区が設置された場所かもしれませんが、このような海洋保護区は世界各地で活用されています。その先駆者の一人が、海洋専門家のビル・バランタインです。世界初の禁漁区の設置を担いました。その禁漁区は1977年にニュージーランドで設置されました。
オーストラリアの有名なグレートバリアリーフには、同様のプロジェクトがいくつもあり、現地では「グリーンゾーン」と呼ばれています。ダイビングやシュノーケリングなどのレクリエーション活動は認められていますが、漁業やサンゴの採取は禁止されています。広大なグレートバリアリーフ海洋公園は全長2,240キロメートルを超え、グリーンゾーンはすべて幅が少なくとも10キロメートルあります。
一方、南アフリカでは、研究者らが禁漁区の設置後にアフリカペンギンの個体群に何が起きたかを調べました。3カ月以内に、ペンギンの採餌活動が25~30%減少したことが分かりました。より近場で餌をとれるようになったためです。
カリフォルニア州南岸、サンタバーバラ海峡沖には、チャネル諸島国立海洋保護区があります。そこには、面積3,800平方キロメートルの海域に11カ所の禁漁区があり、さらに2カ所では漁業権が制限され、ロブスターや魚の採取が一部認められています。この保護区にはジャイアントケルプの森が広がり、多種多様な魚や、エビやアサリなどの無脊椎動物、数多くの海鳥が生息しています。クジラやアシカも頻繁に姿を見せます。
国連環境計画によると、海洋保護区をさらに増やす必要があります。世界の魚市場や観光業からの需要が高まり、より良い生計を求めて沿岸地域に移り住む人が増えているためです。
そのため、クライド湾で見られるような効果的な管理が、魚類資源や海洋生態系、そして世界中の何百万人もの人々の暮らしへの取り返しのつかない損害を防ぐ鍵となる可能性があります。


