従業員のシェアリング制度が、パンデミックの打撃を受けた中国企業の痛手を和らげている

A staff member checks temperature of a staff who has not been checked before the store opens at a JD.com's 7Fresh chain, as the country is hit by an outbreak of the novel coronavirus, in Yizhuang town, Beijing, China February 8, 2020. Picture taken February 8, 2020. REUTERS/Tingshu Wang - RC2XWE9UJHLF
The worker-sharing scheme has thrown a lifeline to China’s smaller companies, especially restaurants.Image: REUTERS/Tingshu Wang
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  • 中国ではパンデミックで外食産業が大きな打撃を受け、多くの従業員が給与を維持するため、7Freshなどのスーパーマーケットに出向している。

  • 中国国家統計局によると、飲食業の収益は3月、前年同月比で46.8%減少した。

  • 従業員を他社に貸し出せば、人件費を削減しつつ、パンデミック後の経済に向けて従業員を確保できる。

2か月前、ヤン・タオは北京の日本料理店で寿司職人として働いていた。しかし、新型コロナウイルスの流行で店が経営難に陥ると、中国の多くの企業と同じように、ヤンの雇用主は彼に新たな一時的な仕事を見つけた。スーパーマーケットチェーン7Freshで、食料品の仕分けをする仕事だった。

「仕事はすぐに覚えられました。研修は1日だけでした。主な仕事は、客がオンラインで注文した商品を見つけ、ベルトコンベヤーの上の袋に入れて、配達員が受け取れるようにすることでした」とヤンはQuartzに語った。仕事がとても忙しかったため、日によっては歩数が5万歩に達したという。中国で生活が徐々に平常に戻るなか、ヤンは今ではレストランに復帰している。

寿司職人のヤン・タオは、感染拡大中、JD.comのスーパーマーケットチェーン7Freshで食料品の仕分けを担当した。Image: JD.com

ヤンは、雇用主から他社に貸し出された数千人の従業員の一人だ。受け入れ先には、パンデミック中に需要が 急増した7Freshの親会社である電子商取引大手JD.comなどがある。従業員の多くはレストラン、カラオケ店、映画館など大きな打撃を受けた企業に勤めていた中国人で、スーパーマーケットや小売店、さらには自転車シェアリングの新興企業に派遣された(中国語の記事)。

従業員の元の勤務先は保険やその他の福利厚生の費用を引き続き負担し、新たな一時的な雇用主が通常は時給制で賃金を支払った。元の勤務先の業務が再び上向くと、従業員は以前の仕事に戻った。

従業員シェアリング制度は、中国の中小企業、とりわけレストランにとって救いの手となった。飲食業の収益は46.8%減少した(中国語の記事)。中国国家統計局によると、3月の収益は前年同月比で減少した。パンデミック前と同じ頻度で外食する人が少なく、経営維持を目指すレストランにとって人件費は大きな負担だ。従業員のシェアリングにより、一部の人件費を削減しながら従業員を在籍させ、業績が回復したときに正式に再雇用できるよう備えられる。

「時給制の利点は、従業員が1日に何時間働くかを自由に選べることです。正社員と同じかそれ以上の収入を得たいなら、より長く働けばよいのです」と、7Freshの人事責任者、曹春華はQuartzに語った。曹によると、同チェーンは、従業員シェアリングの調整を担う第三者の人材派遣会社に、従業員向けの新型コロナウイルス関連保険への加入も義務づけている。一方、チェーン自身も正社員と同様に、勤務中の食事やその他の保護措置を提供している。

JD.comの競合で、スーパーマーケットチェーン「フレシポ」を所有するアリババも、独自の従業員シェアリング制度を開始した。アリババの広報担当者によると、ウイルスの影響を受けた従業員や企業が「困難な時期に一定の安定を保てる」よう、2月初旬に始めた。フレシポはこれまでに、40社以上から5,000人を超える一時雇用の従業員を採用した。ウォルマートもこの動きに加わり(中国語の記事)、2月に中国国内の400店を超えるスーパーマーケットで働く一時雇用の従業員を3,000人以上受け入れた。

世界経済の今後1年間の見通しは悲観的だ。Image: IMF

両社によると、7Freshとフレシポで働いていた一時雇用の従業員の大半は、すでに元の職場に戻った。しかし両社は、長期的にも従業員シェアリング制度を継続すると述べた。アリババは、この取り組みを正式な制度にするため、デジタルプラットフォームを展開する計画だ(中国語の記事)。

「この[取り組み]は、Covid-19によって引き起こされた労働市場の甚大な混乱に対応して生まれつつある、創造的な解決策の興味深い一例です」と、企業と求職者を結びつけるカリフォルニア州の新興企業ZipRecuriterの労働経済学者、ジュリア・ポラックは述べた。

中国の失業率は1~2月に6.2%に達し、わずかに低下して先月は5.9%となった。ただし、この数値には約3億人の出稼ぎ労働者が含まれていない。米国では、経済学者らは失業率が最大20%に達すると予測している。

同様の制度は、米国でもはるかに小規模ながら導入されている。3月下旬までに、米国のレストラン従業員12万5,0000人のうち90%超が仕事のない状態にあったと、労働組合UNITE HEREの情報を引用してウォール・ストリート・ジャーナルが報じた(有料記事)。たとえばフードデリバリーの新興企業DoorDashは3月、優先アクセスプログラムを開始し、提携レストランの従業員が「仕事が通常の状態に戻るまで」配達員として登録できるようにした。

労働経済学者のポラックは、費用が高いことから、米国企業で従業員シェアリングがどれほど広がるか疑問を呈した。雇用主が提供する健康保険は、個人向けで年間8,000ドル、家族向けで年間20,000ドルかかることが多いという。

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