COVID-19:感情は時間の感じ方にどう影響するのか

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  • 米国の研究者が、パンデミック中の感情と時間の感じ方の関係を調査した。

  • ポジティブな感情を経験した人は、ネガティブな感情を経験した人に比べ、時間が速く過ぎると感じていた。

  • パンデミックに関しては、COVID-19をストレスや不安とともに捉えた人は、時間が非常にゆっくり過ぎると感じていた。

発生から19か月目を迎えたCOVID-19パンデミックは、人によって異なる意味を持ってきた。学校や職場の新たな体制にストレスを感じたり、COVID-19に感染し、感染後の影響に対処することに不安を抱いたりする人もいた。一方で、新たな情熱を追求したり、先延ばしにしていた決断をしたりするための余裕と自由が生まれた人もいた。

良くも悪くも一変した私たちの暮らしは、時間の感じ方にも影響を及ぼした可能性が高い。

2020年6月、私たちは研究チームの一員として、初期の証拠を発表した。パンデミック中の個人の時間感覚は、その人の感情と密接に関係していた。

2020年3月と4月に強いストレスや緊張を感じたと回答した人は、時間がよりゆっくり過ぎると感じる傾向もあった。一方、強い幸福感を覚えたと回答した人は、時間がより速く過ぎると感じていた。(信じがたいかもしれないが、ロックダウン中の時間を楽しんでいた人もかなりいた。)

どうやらパンデミック中でさえ、楽しい時間はあっという間に過ぎるようだ。

1年分のデータを用いて、パンデミックの進行に対する人々の見方が、時間感覚や感情の状態、COVID-19の感染拡大を抑えることを目的とした行動を取ったかどうかと、どのように関連しているかを調べることができた。

時間はどこへ行くのか?

時間とは不思議なものだ。一方では、非常に正確で一貫しており、客観的な尺度である。地球の1日は、正確に23.934時間続く。これは地球が自転軸を中心に1回転するのにかかる時間だ。

一方で、時間の経過をどう感じ、どう知覚するかは、一貫しておらず、正確でもない。23.934時間は月曜日より土曜日のほうがずっと速く過ぎるように感じる、と多くの人が同意するだろう。

ネガティブな感情を経験すると、時間が長く感じられることがある。Image: Hibbelnほか(2017年)「ユーザーはどのように感じているか? ヒューマン・コンピューター・インタラクション・デバイスを通じた感情の推定」

ゲーブル博士はこの10年間、密接に関連する二つの概念、感情と動機づけが、果たす 大きな役割について探究してきた。

動機づけは感情の一部であり、「接近動機づけ」または「回避動機づけ」と表現できる。前者は、興奮や喜びなどのポジティブな感情を経験したときに、他者と関わったり目標を追求したりする傾向を特徴とする。後者は、悲しみや恐怖などのネガティブな感情を経験したときに、他者から距離を置く傾向を指す。

接近動機づけは、時間がより速く過ぎる感覚と関連しており、その結果、気分を良くしてくれる何かにより多くの時間を費やすことになる。

回避動機づけは、時間がよりゆっくり過ぎる感覚と関連しており、潜在的に有害な状況から逃れようとする動機になる。

通常の状況では、こうした関係は、目標を効果的に追求し、安全を保つ助けとなる。面白い本にどれほど長く夢中になるか、脅威となる状況からどれほど素早く逃れようとするかを考えてみてほしい。

では、極限の状況ではどうなるのだろうか? 米国立科学財団の助成を受け、パンデミックの最初の1年間、人々の動機づけや感情が時間感覚をどのように変化させたかを調査することができた。

初期の結果

2020年4月、ゲーブル博士と研究チームは、過去1か月の時間感覚と感情体験について、米国人1,000人に質問した。

このうちほぼ50%が、時間がなかなか進まないように感じると回答し、これは高いストレスや緊張と強く関連していた。こうした回答者は、ソーシャルディスタンスを実践する頻度も高いと報告した。参加者のおよそ25%は、時間が飛ぶように過ぎると感じると答え、これは幸福感や喜びと関連していた。残りの25%は、時間感覚に変化はないと感じていた。

1か月後、同じ人々に連絡し、同じ質問をした。以前、時間がゆっくり過ぎると回答した人の約10%は、時間がより速く進むようになったと答えた。また、以前よりリラックスして落ち着いていると答えた人も増えた。

その年の残りの期間

1年分のデータがそろったことで、パンデミックの12か月間にわたる結果を分析できた。(この分析は現在も査読中である。)リラックスしていて、幸福感があり、自信を持っていると回答した人は、時間がより速く過ぎると感じていた。

対照的に、強い恐怖、不安、怒りを感じていると回答した参加者や、自分の生活を自分でコントロールできていないと感じていた参加者は、時間がゆっくり過ぎると知覚していた。時間が遅々として進まない感覚は、自分がCOVID-19に感染することへの強い懸念、家族が感染するかもしれないという不安、ウイルスが個人の家計に及ぼす影響への心配とも関連していた。

COVID-19の危険性や、ウイルスの拡大に対処する能力についての参加者の考えに関しても、興味深い結果のパターンが見られた。具体的には、政府がパンデミックを効果的に制御でき、COVID-19には有効な治療法があると考えた参加者は、時間がより速く過ぎると感じていた。COVID-19の治療に必要な医療機器が不足しており、ウイルスの致死性が非常に高いと考えた参加者は、時間がよりゆっくり過ぎると回答した。

時間の知覚が行動と結びついていた点も見られた。

パンデミックの期間を通じて、時間がより速く過ぎると感じていた人は、マスクを着用する傾向が高かった。一方、時間がよりゆっくり過ぎると知覚していた人は、大規模な集まりを避ける傾向があった。

どちらもウイルスの拡大を抑える。では、一方の行動がもう一方より選ばれやすいのはなぜだろうか?

マスクを着用する人は、より接近動機づけに基づく行動を取っている。マスクは着用者自身を守る以上に、周囲の人々を守るからだ。ポジティブな気持ちが強い人ほど、周囲の人を守るためにマスクを着用する傾向が高かった。

大規模な集まりを避ける人は、より自己防衛的、つまり回避動機づけに基づく行動を取っている。そうすることで他者からウイルスに感染するのを防げるため、恐怖や回避の気持ちが行動に影響している。

言い換えれば、治療法や政府の対応への信頼を通じて、トンネルの先に光が見える人は、前向きな姿勢を持ち、他者を助ける行動を取る意欲が高まりやすい。まったく希望が持てず、先行きに暗い予感を覚えると、時間はなかなか進まないように感じられる。そうした感覚は、身を潜めて自分を守ろうとする衝動を促すようだ。

COVID-19の変異株に関する理解や認識が深まるにつれ、自分自身や自分の行動への理解も深まる。今回の調査結果は、良い習慣を保ち、ポジティブな感情を育む趣味を見つけることの大切さを示しているかもしれない。そうすれば、時間がゆっくり進む感覚によってさらに強まる、絶望の連鎖にとらわれずにすむ。

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