COVID-19の感染者数の増加を示す指数関数的な線は、必ずしも全体像を示しているとは限りません。
生の数値そのものは変わらなくても、その表し方によって人々の認識は影響を受けることがあります。
対数目盛りのグラフは、より大きな全体像を示すのに役立ちます。
新型コロナウイルスのパンデミックは、間違いなく一世代以上にわたって世界が直面してきた最大の課題です。しかし、流行に関するデータの示し方によって、楽観視できる材料を見落としてしまっているのではないでしょうか。
よく見られる線形グラフに代わる方法があり、より詳細な全体像を示すのに役立つ可能性があります。それは対数グラフと呼ばれています。
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最も一般的な折れ線グラフは線形目盛りを用いています。Y軸上の数値は、1、2、3、4、あるいは10、20、30というように、一定の間隔で直線的に増えていきます。
しかし、感染症は一定の直線的なペースで広がるわけではありません。線形目盛りのグラフでは、増加率はどんどん上がり続け、線はほぼ垂直になり、どこまでも続くように見えることがあります。そのため、ソーシャルディスタンシングなどの対策が効果を上げていないような印象を与えかねません。
対数目盛りでは、Y軸上の数値は等間隔で増えるのではなく、各目盛りが一定の倍率で増加します。その倍率は多くの場合10ですが、3や350、3,500などの場合もあり、どのような値でもあり得ます。どの方法が対象データを最も効果的に解釈できるかによって決まります。リヒタースケールは対数目盛りであり、マグニチュード6の地震は、マグニチュード5の地震の10倍の破壊力を持つとされています。
対数目盛りは、変化率、とりわけ増加率を測定するのに理想的であると、 数学者、教師であり、『The Life-Changing Magic of Numbers』の著者であるボビー・シーガル氏は説明しています。。
「増加率を平坦にすることで、より見やすくなる」と彼は述べています。「COVID-19の感染者数を対数グラフで見ると、全体の数値はなお増加していても、指数関数的な増加が止まり、増加率が横ばいになり始める時点を確認できます。」
その時点で、対数目盛りを用いると、公衆衛生対策が望ましい効果を上げ始めた時期を把握することができます。
中国におけるCOVID-19の状況を線形グラフにプロットすると、次のようになります。

そして、対数目盛りにプロットすると、次のように表示されます。

同じデータ、異なる視点
どちらのグラフも、中国の新型コロナウイルス感染者数が横ばいになり始めたという同じ状況を示しています。しかし、対数グラフは目盛りが圧縮されているため、線の平坦化をはるかに早い段階で示しています。また、線形の方法では収まりきらないような大規模または広範囲に及ぶ結果を、グラフに収めることも可能にします。
対数グラフは、曲線の一見すると平坦になった状態が変化し始めたかどうかを明確にするのにも役立ちます。線形の曲線は常に上昇し続けるのに対し、対数グラフは、上昇か下降かを問わず、傾向における大きな変化を浮き彫りにします。
これは、扱う数値が非常に大きく、線形目盛りでは劇的な指数関数的曲線になってしまうような場合に、しばしば好まれる手法です。
生の数値は、グラフの選択によって変わるものではありません。実際には、(2020年4月4日時点で)世界全体の確定症例数は100万人を超え、死者数は55,000人に上っています。しかし、21万9,000人以上が回復したことも報告されており、これも新型コロナウイルスをめぐる重要な側面として伝える必要があります。

