都市封鎖中の平均勤務時間は48分延びたと報告書は述べている。
では、従業員は気を散らす要因に対応する柔軟性を身につけたのだろうか。
それとも、仕事と私生活の境界があいまいになったのだろうか。
新たな報告書によると、COVID-19による都市封鎖中に在宅で勤務する従業員の勤務時間は長くなっている。
また、メールの送信数や会議への出席数も増えているが、会議の時間はパンデミック前より短くなっている。
危機の中での働き方の変化は、米国のNational Bureau of Economic Research(NBER)によって研究されている。
これは何百万人もの人々の関心を引くテーマである。別の報告書によると、98%の人が、リモートで働く選択肢を持てることを望んでいる(今後のキャリアを通じて)。
利点か、それとも欠点か。
多くの人が勤務時間の延長を経験している一方、NBERの報告書は、その時間がすべて実際の業務に充てられているわけではないと指摘している。家庭生活や子育ての事情を考慮し、より柔軟な働き方を選んだ人もいるかもしれない。
「平均的な勤務時間の拡大が従業員の幸福にとって利点なのか欠点なのかは定かではない」と、ハーバード・ビジネス・スクールとニューヨーク大学の研究者による報告書は結論づけている。
「一方では、家庭の事情に合わせて勤務時間を選べる柔軟性により、従業員は自分の勤務スケジュールをある程度自由に決められるようになり、力を得られるかもしれない。他方では、勤務スケジュールの変化が、仕事と私生活の区別があいまいになった結果である可能性もある。オフィスと自宅の区別が明確でないため、過度に働きすぎてしまいやすいのだ。」
増えたメール
著者らは、北米、欧州、中東の十数都市にある2万1,000社以上の企業に勤める310万人の労働者を調査した。都市封鎖の政府による実施の8週間前から、実施後最大8週間までのデジタルデータを分析した。
24時間の期間において、最初に送信されたメールまたは出席した会議から最後のものまでの時間を調べたところ、平均勤務時間は48.5分延びており、その一因は営業時間外に送信されるメールの増加にあることが分かった。同じ組織に属する人同士で送受信されたメールは約5%増加した。
また、一人当たりの1日の会議総数は12.9%増加し、平均参加者数は13.5%増えた一方、会議の平均時間は20.1%減少したことも分かった。これは、都市封鎖後の期間に従業員が1日に会議で過ごす総時間が、一人当たり18.6分減少したことを意味する。
気が散る要因
会議時間はいずれの調査対象都市でも短くなったが、その度合いは地域によって異なった。多くの欧州の都市では減少が顕著で、都市封鎖後4週間にわたり減少し続けた。一方、シカゴ、ニューヨーク市、ワシントンD.C.などの米国の都市では、会議時間の減少は比較的小幅で、都市封鎖後1週間で横ばいとなった。
著者らは、従業員はバーチャル会議で集中することが難しくなり、自宅で気を散らす要因に対処しなければならなかった可能性があると指摘している。
しかし、おそらくより重要なのは、この調査結果が、困難に直面した際に私たちが適応する能力を示している点である。「これらの変化が持続するかどうかは、今後明らかになるだろう」と報告書は結論づけている。

